作文コンクール受賞者・受賞校に聞く
「取り組み方法と教育効果」

当協会では、全国の小学生を対象に「将来の夢」をテーマにした「小学生『夢をかなえる』作文コンクール」を2007年より毎年実施しています。

ここでは、過去の最優秀賞受賞者と最優秀学校賞受賞校へのインタビュー内容等を紹介いたします。本コンクールに対して「どのように取り組んだのか」「自身の生活にどのように生かされたか」等を伺いました。 (学年等は、取材当時のものです)

なお、本コンクールは、将来の夢を実現するための道筋と、そのためにはどのようなお金が必要かを考えた「ライフプランシート」を作るとともに、将来の夢について感じ、考えたり、思い描いたりしたことを「作文」にまとめ、これらをセットで応募するものです。

<中・低学年部門> 最優秀賞 徳島文理小学校4年 近藤 麻友さん

将来の夢
:警察庁科学警察研究所 法科学第三部(化学研究室) 研究員

近藤さんのコメント:本当にやりたい仕事が見つかりました

今までは警察官になることが夢でした。しかしその夢は今回、様々なことを調べるうちに警察庁科学警察研究所、化学研究室の一員になるという、より具体的なものへと変わりました。またライフプランを考えることによって、勉強や運動など今出来ることをこつこつ続けていくことが近道であること、夢をかなえるためには沢山のお金がかかることがわかりました。応援してくれる両親に感謝の気持ちを忘れず、夢に向かって一歩一歩進んでいこうと思います。

保護者の方のコメント:子どもと一緒に将来のことを考えられる貴重な経験でした

ライフプランシートや作文を仕上げる際に、本人の力だけでは難しいポイント、例えば夢をかなえるための具体的な取り組みを調べる手伝いをしました。警察庁科学警察研究所で働くという最終目標から逆算して、国家試験合格、京都大学理学研究科・理学部に入学し化学を学ぶ、大学入学のために習い事や英語を頑張るなど、身近な目標を見つけていくというのは貴重な経験だったのではないかと思います。初めて将来の夢を聞いた際は驚きましたが、子どもの夢を一緒に考える良いきっかけになりました。

西條先生のコメント:生徒の成長には目を見張るものがあります

本校では4年生時に将来の夢について考える授業があります。その内容に沿っていて、子どもたちも取り組みやすいのではないかという考えから、日本FP協会様の「小学生『夢をかなえる』作文コンクール」に参加させていただいています。生徒一人ひとりが将来の夢を見据え、しっかりと考えながらライフプランシートと作文に取り組んでいたことに、私自身たいへん驚いています。

ライフプランシート・作文の作成方法 ~徳島文理小学校の場合~

01

ドリームツリーの作成

ライフプランシートを書く前に、夢を持ったきっかけや、実現に向けた取り組みを書き込むドリームツリーというツールを作成しました。これを作成することによって、何歳の時点でどんなことをしなければならないのかなど、自分のライフプランが明確になり、ライフプランシートの作成にも役立ちます。

02

ライフプランシート・作文の作成

ドリームツリーを土台にして、ライフプランシートと作文を作成しました。初めて取り組む子どもたちにも完成のイメージがわきやすいよう、過去に賞をいただいた生徒の作品をコピーして4年生全員に配布しました。

<高学年部門> 最優秀賞 佐渡市立金井小学校6年 中川 優実さん

将来の夢
:養護教諭

中川さんのコメント:子どもたちの笑顔を守り続けられる先生を目指します

私は今、保健の先生にお世話になっています。明るく声をかけてくれる先生のおかげで毎日学校に行くのが楽しいです。自然と笑顔にしてくれる、そんな先生を見て、私も子どもたちの笑顔を守り続ける養護教諭になりたいと思いました。そのために求められる知識や判断力などを身につけるにはどうしたらいいかということを中心に、自分が大人になったときのことを考えました。すると具体的なイメージが浮かび、楽しみながらライフプランシートを書くことができました。自分の思っていることを隠さず、文字にしたことで夢をかなえたいという思いも強くなりました。夢に向かって、諦めずに頑張っていこうと思います。

大蔵先生(養護教諭)のコメント:将来を見据えて、目標を立てていることに感動しました

中川さんの作文を拝見させていただいた際は、本当に感動しました。今まで彼女自身の口から夢をハッキリ伝えられたことはありませんでしたが、将来像はもちろん、中学校、高校に向けての目標など、具体的に考えられていることを作文から感じ、たいへん嬉しく思いました。

椎井先生のコメント:子どもたちに新たな気持ちが芽生えています

現在、新潟県ではキャリア教育※1の一環として「児童生徒一人一人の夢の創造と実現」※2をテーマに、小学生の段階から将来について考える取り組みを推進しており、本校はそのモデル校となっています。様々な取り組みや学習のなかで見つけた夢を、子どもたち自身の中で具体的な目標へと変えるために、日本FP協会様の「小学生『夢をかなえる』作文コンクール」に参加させていただきました。ライフプランシートと作文を通じて、子どもたちなりに夢をかなえる道筋を見つけられたようです。また実現にはお金がかかることを知り、親への感謝の気持ちも芽生えたと思います。

ライフプランシート・作文の作成方法 ~佐渡市立金井小学校の場合~

01

過去の入賞作品を分析

最初に昨年度の最優秀賞、優秀賞に選ばれた作品を見せて、どこが良いのかというのを子どもたちに分析させました。良い作品には、お金のことを書いている、親への感謝を書いている、人生設計が具体的などの共通した点を見つけ出すことができました。

02

分析結果を元にライフプランシートと作文を作成

分析結果をまとめたものを、子どもたちがライフプランシートと作文を作成する際に示し、構成については自由に選択させました。どのような視点で書けばいいのかということを、子どもたち自身の力で発見させることに大きな意味があるのだと思います。

<中・低学年部門>最優秀賞 石井 心音さん(筑波大学附属小学校 4年)

将来の夢
:深海生物学者

石井さんコメント:

前から深海生物学者になりたいと思っていましたが、おばあちゃんの膝の手術をきっかけに深海生物にある再生能力を役立てられないか考えるようになりました。自分のおばあちゃんだけではなく、世界中の人に役立つような研究をしたいです。
ライフプランを考えることで、自分にどのような勉強が必要なのかを知ることができました。また、夢実現のためにはお金もかかることや、思っていたより時間がないことにも気づきました。最優秀賞をとりたいと思って取り組んだので、本当に受賞することができ、とてもうれしいです。

石井さんの取り組み方法

01

過去入賞作品を読む

同じ学校の先輩たちの入賞作品を読むことで、書き方をイメージすることができました。自分も先輩たちのように、他の人に伝わる作文を書きたいと思いました。

02

実際に働いている人にインタビュー

水族館の体験プログラムで知り合った、憧れの博士に「どこの大学に行ったのか」「どうしたらその仕事に就けたのか」を聞きながら、自分の夢について調べました。聞いたり調べたりするなかで、海洋研究開発機構というところに入らなければならないことや日本人だけではなく世界の専門家と話せるように英語も勉強しなければならないことがわかりました。

03

ライフプランシートと作文の作成

ライフプランシートを書いてみると、自分が大学生の時にはおばあちゃんが81歳になっていることに気づきました。おばあちゃんのためにも、生物学者になるための勉強と、その後の研究も頑張りたいと思いました。

ご両親コメント:

興味があることに熱中するタイプで、本コンクールへの取り組みにおいても大好きな博士に一生懸命に質問していたようです。まだまだ子どもだと思っていましたが、ライフプランシートと作文を読んで成長ぶりに驚きました。いつの間にか、自分のことだけでなく、家族のことも考えられるようになったんだなあ、と嬉しく思います。好きな事に取り組んでいる時の子どもの目や顔つきは普段と違いますので、親としても幸せな気持ちになります。本人が好きな事に取り組めるよう、今後もサポートしてあげたいです。

<高学年部門>最優秀賞 宇野 由里子さん(福岡教育大学附属福岡小学校 5年)

将来の夢
:動物弁護士

宇野さんコメント:

毎年たくさんの犬たちが殺処分されていることを知り、悲しくなりました。動物が大好きだから動物の権利を守りたい、犬の人生“犬生”を幸せにしたいという思いから動物弁護士を目指そうと思いました。ライフプランを作ることで、何に対してもお金が必要だということもわかりました。さらに、弁護士以外にも獣医の資格も取りたいので、時間もお金もかかりますが、奨学金などを活用しながら夢の実現へ向けて、勉強を頑張りたいです。

宇野さんの取り組み方法

01

家族での話し合い

私の目指す「動物弁護士」は、まだ世の中にない職業です。そのため、どうすれば動物の気持ちも理解できる弁護士になれるのかを家族にも相談しながら考え、「獣医」と「弁護士」の資格をとりたいと考えました。

02

夢について調べる

それぞれの資格をとるには「どのような方法があるのか」「何を勉強しなければならないのか」を調べました。その中で、北海道大学が日本でも有数な獣医の学校であるということも知ることができたので、そこを目標にして頑張ろうという気持ちになりました。

03

ライフプランシートと作文の作成

大学はまだ先のことなので、イメージが思い浮かばず苦労しました。高校生のお姉ちゃんにも相談しながら、ライフプランシートを書きすすめました。

お母様コメント:

子どもには、夢を大切にしてほしいと考えています。自由な発想やたくさんのアイデアを持っていますので、それらのアイデアをどうすれば実現できるかアドバイスできるように、家族で話し合う場を日頃から大切にしています。
本コンクールに取り組み、ひとつひとつの行動をライフプランシートへ書き込むことによって、子どもが自分の将来像を明確にすることができたと思います。親としても、夢について考えるだけでなく、実際に書き出す場をいただき、嬉しく思いました。

お姉様コメント:

作文コンクールはたくさんがありますが、本コンクールの特色はライフプランシートを作成する点にあると思います。ライフプランシートを書くには、「どのような資格を取得しなければならないのか」「お金はどうするのか」等を具体的に調べて書き出さなければなりません。夢だけでなく、現実的な問題も自分自身で一生懸命調べることによって、夢に一歩自分から近づくことができると感じました。

弟様コメント:

僕も一昨年の作文コンクールで、『ブルーインパルスのパイロットになりたい』という夢について書いて、奨励賞を受賞できてとても嬉しかったことを覚えています。今年もお姉ちゃんと一緒に本コンクールに取り組み、お姉ちゃんが最優秀賞を受賞したことがとても嬉しいです。このコンクールに取り組むことで、将来に対する心構えもでき、さらに建築家になりたいという夢が増えました。将来の夢について考えると、楽しくなってワクワクしてきます。

最優秀学校賞 筑波大学附属小学校(山田誠先生)

山田先生コメント:

子どもたちには、自分の人生に大きな夢を描き、その夢に憧れて生きる生き方をして欲しいと考えています。例えば、6年生に将来の夢を発表させると、「公務員になりたい」という子どもがいます。公務員を目指すことは悪いことでありませんが、自分自身が将来、「何をしたいのか」や「どのように生きたいのか」を自由な発想で考えることが大切だと思います。このコンクールに参加することを通して、子どもたち一人一人が、自分の人生に大きな夢を描き、その夢に憧れて生きて欲しいと願い、このコンクールに毎年参加しています。

山田先生から学校応募を考えている先生へのアドバイス:

私は道徳担当ですので、作文の書き方等の具体的な指導は行っているわけではありませんが、「コンクールだから」と難しく考えずに気楽な気持ちで児童に参加を呼びかけてみるのがいいのではないでしょうか。

筑波大学附属小学校での取り組み方法

01

夏休み前:授業で説明

本校では過去に最優秀受賞者を3名輩出しているので、彼らが残したライフプランシートと作文を教材代わりに使用しています。彼らの作品を印刷して、応募児童全員に配布しています。その際に、どのような生徒であったか等、作文を書いた背景も具体的に説明しています。そうすると、児童も将来の夢についてどのように「ライフプランシート」や「作文」を書けばいいのかイメージをもちやすいようです。

02

夏休み:児童に家で取り組んでもらう

「作文」は児童だけで取り組むこともできますが、「ライフプランシート」は少し難しいところもあります。そのため、保護者がパソコンで一緒に調べる等のご家庭でのフォローも必要になってくると思います。
本校が学校賞をいただいたのも、保護者も熱意をもって本コンクールへの取り組みを後押ししてくれているからだと感じています。

03

夏休み明け:回収

夏休み明けに、児童から回収した作品をまとめて、応募を行いました。

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