FPコラム

日本FP協会が認定するファイナンシャル・プランナーの上級資格をもったCFP®認定者が、くらしとお金に関する社会保障制度や税制の解説から、生活の中で見つけたちょっとしたアイデアまで、みなさまのファイナンシャル・プランニングを考える際のきっかけ作りとなるような情報をファイナンシャル・プランナーの幅広い視野で取り上げ、月1~2回お送りしています。

最新号
2021年7月号(2)
保険
CFP®認定者 武田 務

新型コロナウイルス感染症に関する保険金、給付金

 新型コロナウイルス感染症の収束が見えないなか、万が一、新型コロナウイルスに感染した場合、加入中の生命保険や医療保険、傷害保険が役立つ場合があります。今回は、新型コロナウイルスに感染した場合の保険金・給付金の支払いや、保険会社の対応について解説します。

お亡くなりになった場合

 新型コロナウイルスに感染し死亡した場合、通常の生命保険から死亡保険金が支給されます。また、特定感染症を保障する「災害割増特約」を付加している場合、多くの保険会社では、災害死亡保険金として、通常の死亡保険金に上乗せされて支給されます。災害死亡保険金の取り扱いについては、加入先の保険会社に確認しておくとよいでしょう。

入院した場合

 治療を目的として入院した場合、医療保険の入院給付金が支給されます。医師の指示で検査のために入院した場合も、「陽性」「陰性」の結果に関わらず支給されるのが一般的です。また、医師の指示や病院の事情などにより、ホテル等の宿泊施設や自宅で療養した場合でも、医師の証明があれば入院給付金の支給対象としている保険会社が多くなっています。
 損害保険会社が販売する傷害保険では、原則、支給の対象にはなりませんが、「特定感染症危険補償特約」等を付加している場合、一部の保険会社では支給対象を拡大し、新型コロナウイルスに感染した場合も支給対象となるよう商品改定を行っているケースもあるため確認しておくとよいでしょう。

治療費は公費負担

 新型コロナウイルスは「指定感染症」に指定されているため、検査費用、入院・通院等の治療費、療養施設での滞在費、ワクチン接種費等は、原則、公費負担となります(無症状の方などが自主的に検査する際の費用は自己負担となります)。
 そのため、新型コロナウイルス感染症に備えることを目的に、新たに医療保険に加入する必要性は高くないと思われますが、入院する際に必要となる日用品等、治療費以外の支出は自己負担となるため、医療保険からの給付金が助けになることもあるでしょう。

働けなくなった場合

 上記のとおり、治療費自体は公費負担となりますが、万が一、新型コロナウイルスに感染したことによって、収入が減ってしまった場合は、損害保険会社の所得補償保険、生命保険会社の就業不能保険が役立つ場合があります。所得補償保険は、病気やケガにより働けなくなってしまった場合、収入の減少分を補填してくれる保険です。一般的には4日~7日の免責期間が設けられており、免責期間が経過した後は、最長2年まで、毎月給付金を受け取れます。生命保険会社の就業不能保険は、所得補償保険に比べると免責期間が長く、一般的に30日~60日程度に設定されています。その反面、保険期間は60歳や65歳までといったように、所得補償保険よりも長く設定されているため、長期的な就業不能状態に備えられる保険と言えます。新型コロナウイルス感染症により重症となった場合や後遺症が残って働けなくなってしまった場合には、生活費の面で大きな支えとなるでしょう。

保険料が払えなくなってしまった場合

 収入の減少により、一時的に保険料が払えなくなってしまった場合、各保険会社は、保険料払込みの猶予期間を設けています。対象となる地域や猶予期間は、保険会社によって異なるため、加入先の保険会社に相談してみてください。

まとめ

 保険は、せっかく加入していても、保険金請求をしない限り給付は受けられません。新型コロナウイルス感染症に限らず、加入中の保険から給付を受けられる要件に該当しているにも関わらず、保障(補償)内容を把握していなかったために請求しなかった、というケースもあるようです。この機会に、自分自身が加入されている保険の保障(補償)内容を、一度確認してみてはいかがでしょうか。

  • ※バックナンバーは、原則執筆当時の法令・税制等に基づいて書かれたものをそのまま掲載していますが、一部最新データ等に加筆修正しているものもあります。
  • ※コラムニストは、その当時のFP広報センタースタッフです。本コラムは執筆者個人の見解を掲載したものであり、当協会としての意見・方針等を示すものではありません。

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