FPコラム

日本FP協会が認定するファイナンシャル・プランナーの上級資格をもったCFP®認定者が、くらしとお金に関する社会保障制度や税制の解説から、生活の中で見つけたちょっとしたアイデアまで、みなさまのファイナンシャル・プランニングを考える際のきっかけ作りとなるような情報をファイナンシャル・プランナーの幅広い視野で取り上げ、月1~2回お送りしています。

  • ※バックナンバーは、原則執筆当時の法令・税制等に基づいて書かれたものをそのまま掲載していますが、一部最新データ等に加筆修正しているものもあります。
  • ※コラムニストは、その当時のFP広報センタースタッフであり、コラムは執筆者個人の見解で執筆したものです。
最新号
2019年8月号(2)
保険
CFP®認定者 森内 東香

生命保険会社の介護保険

 40歳以上の方であれば全員加入が義務付けられている公的介護保険制度ですが、65歳未満の方については、指定された16種類の疾病(2019年7月現在)と診断されなければ公的介護保険の適用にはなりません。つまり、40歳~64歳の方が、ケガや指定の病気以外で要介護状態になったとしても、公的介護保険による保障は受けられないことになります。
 生命保険会社の介護保険は、公的な介護保険を補完するものの一つです。ここでは、その仕組みを確認してみましょう。

生命保険会社の介護保険の仕組み

 生命保険会社の「介護保険」と一口に言っても、その形態はさまざまです。
 「介護保険」として独立している商品もありますが、「医療保険」や「死亡保険」など、他の保険の「特約」として保障しているタイプも多くあります。

 保険期間は、一生涯を保障する「終身タイプ」だけでなく、「1年更新」「10年更新」など、決められた一定期間を自動的に更新していくものがあります。更新タイプは、更新できる期間に限りがあること、更新時の年齢によって保険料がアップしていく点には注意が必要です。

 支払う保険料の性質としては、支払った額以上、またはそれに近い額が戻るような「貯蓄タイプ」がある一方、保障に特化することで保険料を抑えた、比較的安価な「掛け捨てタイプ」があります。

保険金の受け取り方

 要介護状態になると、トイレや玄関のバリアフリー化や移動リフトの設置など初期費用がかさむことが多いため、公的介護保険で賄いきれない部分をカバーすることが必要になり、そのようなニーズに対応するため、ある程度の金額を一括で受け取れる「一時金タイプ」があります。

 また、公的介護保険のサービスを利用する際の自己負担分を民間保険で賄いたいというニーズも強く、一定期間受け取れる「確定年金タイプ」、終身にわたって受け取れる「終身年金タイプ」、さらには、「一時金」と「年金」を組み合わせた、「混合タイプ」もあります。

複雑な支払い要件

 支払い要件は商品ごとに異なり、仕組みも複雑なので注意が必要です。

 まず、公的介護保険制度と連動した支払い要件のものがあり、最近では、「要介護1」のような、軽度の介護状態でも保障が受けられる商品も出てきています。
 保障を受けられる要介護度がどういう状態なのか、重度の状態になって初めて受け取れるものなのか、よく確認しておきましょう。

 また、一度支払い要件に該当し保障が受けられても、条件から外れると保障が受けられなくなるものもあります。一旦認定されたとしても、それがいつまで続くのかにも注意が必要です。

 さらに、公的介護保険制度とは異なる、「保険会社独自の『所定の状態』になった時」という支払い要件の場合には、「所定」とはどのような状態を指すのかは各会社が独自に基準を定めているため、具体的に確認しておきましょう。
 公的に要介護に認定されたとしても、保険会社の基準では認められないケースがある点にも注意が必要です。

検討にあたって

 上手に活用すれば、私たちの生活の一助となる生命保険会社の介護保険ですが、保障の大きさや、支払い要件だけで判断するのではなく、リスクと実質負担保険料とのバランスを考え、場合によっては「貯蓄で準備する」といった柔軟な考え方も取り入れながら検討してみましょう。

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