FPコラム

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最新号
2022年11月号(2)
税制・相続・贈与
CFP®認定者 河野 雅人

理解すると役立つ源泉徴収票の見るべきポイント

 源泉徴収票をきちんと見ている方は、どのくらいいるでしょうか。見てもよくわからないという方もいるかもしれません。自分の年収がどのくらいか、また、どのくらい税金を支払っているかは、きちんと知っておいた方がいいでしょう。そこで、今回のFPコラムでは源泉徴収票の見方について解説していきます。

源泉徴収票とは

 1年間(1月から12月)において、どのくらい収入があり、どのくらい税金(所得税)を支払ったかが記載された書類のことです。会社員の場合は、勤務先が作成し、年末から翌年1月にかけて従業員全員に交付されます。また、源泉徴収票は、医療費控除などの適用を受けるために確定申告をする場合や、住宅ローンを申し込む際に金融機関から収入を証明する書類として提出を求められる場合などにおいて必要となる重要な書類です。そのため、数年間はきちんと保管しておいた方がいいでしょう。

源泉徴収票で見るべき4つのポイント

 源泉徴収票には様々な金額が記載されています。中でも特に確認しておくべき以下の4つの金額について、それぞれ解説します。
(1)支払金額
 支払金額とは、いわゆる「年収」のことです。また、税金や社会保険料を天引きされる前の額面金額のことを言います。支払金額には、基本給に加えてボーナスや残業代、各種手当を含めた1年間の合計金額が記載されています。ただし、通勤交通費は非課税扱いであるため、支払金額には含まれません。
(2)給与所得控除後の金額
 給与所得控除後の金額とは、「(1)支払金額」から「給与所得控除額」を差し引いた金額のことです。給与所得控除とは、給与所得者に適用されるもので、支払金額に応じた一定の額を経費として差し引くことで税負担を軽減してくれる制度です。
(3)所得控除の額の合計額
 所得控除の額の合計額とは、給与所得控除以外に控除することができる金額の合計金額のことです。税法上、以下に示す14種類の所得控除があります。

①雑損控除 ⑧寡婦(寡夫)控除
②社会保険料控除 ⑨ひとり親控除
③小規模企業共済等掛金控除 ⑩勤労学生控除
④生命保険料控除 ⑪配偶者控除
⑤地震保険料控除 ⑫配偶者特別控除
⑥寄附金控除 ⑬扶養控除
⑦障害者控除 ⑭基礎控除
 これらの控除には、社会保険料のように毎月の給与から控除されるものと、生命保険料控除や配偶者控除など年末調整の際に控除されるものがあります。
 また、医療費控除については、年末調整で控除することができないため、別途確定申告をする必要があります。
(4)源泉徴収税額
 源泉徴収税額とは、1年間に納付した所得税の金額のことです。これは「(2)給与所得控除後の金額」から「(3)所得控除の額の合計額」を差し引いたものに、課税所得額に応じた所得税率をかけて算出されます。


その他のポイント

 源泉徴収票の確認するべきポイントとして上記4つを挙げましたが、他にも源泉徴収票には様々な情報が記載されています。例えば、支払った生命保険料や地震保険料、社会保険料などの合計額、配偶者控除の適用や扶養控除の対象人数、住宅ローン控除の金額などがあります。
 これらについて理解することで、自分自身の状況がきちんと反映されているか、間違って税金が計算されていないかをチェックすることができます。

まとめ

 源泉徴収票は、自分の年収がどのくらいか、税金をどのくらい支払っているかを把握するのに最適な書類です。会社員として働く限り、その見方は知っておいた方がいいでしょう。源泉徴収票の見方を理解することで税金や社会保険について関心を持つようになります。また、日々の収入と支出のバランスをより意識するようになり、お金の使い方を見直すきっかけになるかもしれません。

  • ※バックナンバーは、原則執筆当時の法令・税制等に基づいて書かれたものをそのまま掲載していますが、一部最新データ等に加筆修正しているものもあります。
  • ※コラムニストは、その当時のFP広報センタースタッフです。本コラムは執筆者個人の見解を掲載したものであり、当協会としての意見・方針等を示すものではありません。

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