FPコラム

日本FP協会が認定するファイナンシャル・プランナーの上級資格をもったCFP®認定者が、くらしとお金に関する社会保障制度や税制の解説から、生活の中で見つけたちょっとしたアイデアまで、みなさまのファイナンシャル・プランニングを考える際のきっかけ作りとなるような情報をファイナンシャル・プランナーの幅広い視野で取り上げ、月1~2回お送りしています。

  • ※バックナンバーは、原則執筆当時の法令・税制等に基づいて書かれたものをそのまま掲載していますが、一部最新データ等に加筆修正しているものもあります。
  • ※コラムニストは、その当時のFP広報センタースタッフであり、コラムは執筆者個人の見解で執筆したものです。
最新号
2017年2月号(2)
資産運用
CFP®認定者 田中 和紀

ラップ型投資について

ラップ口座とは

最近、金融機関のCM等でラップ口座という言葉をよく見かけますが、今回はこのラップ口座についてお伝えします。ラップとは包むという意味で、運用・管理・売買・アドバイスを包括的に行う、簡単に言えば、専門家に運用を任せる仕組みです。まとまった資金の運用を望む層に向けて提供されています。以前は数千万円単位以上の資産が対象でしたが、現在は小口化され、投資先を投資信託に絞った「ファンドラップ」が数百万円単位でも可能となりました。また更に小口化したラップ型の投資信託も販売されています。ちなみに投資信託とはパッケージ化された投資商品で、運用会社が資金を取りまとめ、債券や株などに投資し、投資信託の購入者は出資金に応じて利益が分配されます。個々が直接債券や株に投資するよりも、小口で多くの資産に投資できる点が優れており、様々な種類の投資信託がある点なども人気を集めている要因といえそうです。

ラップ口座の詳細と流れ

一般的にラップ口座やファンドラップの契約者は金融機関の担当にヒアリングしてもらい、投資方針や目的に沿った運用提案をしてもらえます。そして内容を確認し了承したら、金融機関が金融商品を購入して運用開始となります。投資とは自分が吟味し選んで購入するのが一般的ですが、ラップ口座やファンドラップを選択すれば、金融機関が提案に沿った運用を行ってくれます。運用開始後も定期的に報告があり、提案に沿った見直しや調整も金融機関で行ってくれます。投資がよくわからない層にはいたれり尽くせりといった感じでしょう。また投資の大原則である分散運用が軸となります。分散投資を長期で行う事は、投資理論のポートフォリオ理論で裏付けされており、正当な投資方法といえます。投資初心者の多くはこの理論を知らず投資に失敗しがちですが、ラップ口座やファンドラップを使えばこの理論を取り入れた方法を提案してくれるのです。

コストと運用成果には注意

ではデメリットは何でしょうか。それは手数料が高くなることです。金融商品購入、運用、管理などの手数料が発生します。少なくとも資産に対して、年間2~3%の手数料がかかります。自分が選んで金融商品を購入すれば、1%未満のコストで抑えられるのと比較すると、その違いの大きさがわかります。ちなみに、低金利の時代で年間2~3%増やす運用はかなり大変です。よって運用成果がプラスでも、コストが響きマイナスになるケースもあるのです。更に、運用成果は不確実です。利益になる事もあれば損失になる事もあります。金融機関は運用成果が悪いからといっても、当然補填はしてくれません。良い結果になるよう運用しているのかもしれませんが、投資に絶対はなく、良い成果に繋がるとは限りません。

契約に向いている層

投資初心者でまとまった資金を運用したい層には、お任せで分散投資ができる為、ラップ口座やファンドラップ契約に向いていると思われます。ただ手数料が高い事を認識し、学んでいく姿勢は大切です。

契約者が気をつける事

メリットがあれば当然デメリットもあります。全ての投資は、勉強し理解した上で行い、小額から始め、少しずつ慣れていく事が大切です。ラップ口座はお任せできる事がメリットではありますが、提案の内容や購入後の状況といったポイントは理解すべきです。投資は自己責任であり完全なお任せはありませんが、運用コストを勘案しながらラップ口座をスタートしてみるのは良いかもしれません。

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