FPコラム

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最新号
2021年4月号(2)
資産運用
CFP®認定者 福本 眞也

外貨建て金融商品の基礎知識

 昨今、日本では超低金利が長く続くものの、海外には高金利水準を維持している国もあり、高金利通貨建て金融商品に目を向ける投資家が増えています。一方で、円建て金融商品と異なり運用実績による価格変動のほか、外国為替相場(以下、為替レート)によって円に換算した場合に思わぬ損失が発生する可能性もあります。
 今回は、種類も豊富な外貨建て金融商品について、その特徴や注意点を中心に解説していきます。

外貨建て金融商品とは?

 円を米ドルやユーロなどの外貨に換えて運用する金融商品を外貨建て金融商品といい、金利や利回りも外貨建てで表示されます。外貨建て金融商品を購入する際には、円を外貨に両替する必要があり、将来の満期・償還や売却時に、円高・円安といった為替レートの影響を受け為替差益や為替差損が生じます。

 一言に外貨建て金融商品と言っても、外貨建て預金、外貨建て投資信託(ETF)や外貨建て保険など種類は豊富です。また、運用する外貨の種類に伴いその国の政治や経済情勢などにより発生するリスクも異なります。まずは、外貨建て金融商品の種類と特徴について見ていきましょう。

外貨建て金融商品の特徴

特徴をまとめると次の表のようになり、金融商品の組み合わせにより分散投資効果が高まります。

種類 特徴
外貨建て預金 通貨の種類は複数あり、高金利の預金(普通預金、定期預金)もある
外貨建てMMF 預入・引出が自由で手数料はかからず流動性が高く、売却代金の受け皿になる
外貨建て株式 成長率が高く世界経済をけん引する企業や国への投資が可能
外貨建て投資信託(ETF) 外貨建て株式と同様に成長率の高い企業や国、組み合わせにより分散投資が可能
外貨建て債券 確定利付で安定的収益ながら特に新興国の金利は高めで高収益が期待できる
外貨建て保険 死亡・高度障害保障があり、金利差により解約返戻率が円建て保険より高い

外貨建て金融商品の注意点

 外貨建て金融商品の購入時や円で運用成果を受け取る際には、為替レートの影響を受けるため為替差益や為替差損が発生します。これを為替変動リスクといいます。また、運用する通貨や金融商品の種類、金融機関により異なりますが、原則あらゆる外貨建て金融商品において発生するコストとして為替手数料があります。具体的には、円を米ドルやユーロなどの外貨に、または外貨を円に両替する際に金融機関が徴収している手数料のことです。

 為替手数料幅が大きい通貨では為替差損が更に大きくなる可能性があります。米ドルでは平均0.5円、売買往復で1円、1ドル=100円当たり1.0%と金融商品の価格に対する影響は低いですが、例えばブラジルレアルでは売買往復3円、為替レート1レアル=19円に対し約15.8%と価格に対するインパクトは大変大きいことを認識しておく必要があります。
 為替変動リスクは必要以上に恐れるのではなく、上手に付き合っていくことが大切です。その対処法としては、①複数の商品(通貨)を分散して購入する、②購入時期を分散する、③長期的な視野で保有する、といったことが有効です。

 上記のほかにも、金融商品によっては主に以下のような注意点があります。
①価格変動リスク:投資時の価格より下落することがあり、また地政学的情勢の影響を受けると価格の
 変動幅が大きくなる傾向がある。
②カントリーリスク:投資対象国の政治・経済情勢が変化し、通貨価値や資産価値が下落することがあ
 る。新興国においては米ドルで資金調達をしていることが多く、米ドルの動向に左右されやすい。
③信用リスク:投資対象の国や企業が財政難により債務不履行が起こることがある。
④流動性リスク:投資対象の国や企業の信用失墜で売買取引ができなくなることや、当該通貨国の経済
 動向を肌身には感じられず情報入手にタイムラグがあり、かつ情報ソースに頼らざるを得ない。

まとめ

 為替レートは常に変動するため保有する金融商品(外貨)を円に換算した場合において、購入時の価格を上回ることも下回ることもあります。外貨建て金融商品は分散投資を目的として欠かせない存在です。円に換算した場合に損失が発生する可能性があることに留意し、金融商品ごとの特徴などを理解するとともに、為替レートが有利なタイミングで利益を確定できる時まで保有できるような余裕資金で購入することを検討してみてはいかがでしょうか。

  • ※バックナンバーは、原則執筆当時の法令・税制等に基づいて書かれたものをそのまま掲載していますが、一部最新データ等に加筆修正しているものもあります。
  • ※コラムニストは、その当時のFP広報センタースタッフです。本コラムは執筆者個人の見解を掲載したものであり、当協会としての意見・方針等を示すものではありません。

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