FPコラム

日本FP協会が認定するファイナンシャル・プランナーの上級資格をもったCFP®認定者が、くらしとお金に関する社会保障制度や税制の解説から、生活の中で見つけたちょっとしたアイデアまで、みなさまのファイナンシャル・プランニングを考える際のきっかけ作りとなるような情報をファイナンシャル・プランナーの幅広い視野で取り上げ、月1~2回お送りしています。

  • ※バックナンバーは、原則執筆当時の法令・税制等に基づいて書かれたものをそのまま掲載していますが、一部最新データ等に加筆修正しているものもあります。
  • ※コラムニストは、その当時のFP広報センタースタッフであり、コラムは執筆者個人の見解で執筆したものです。
最新号
2016年9月号(2)
保険
CFP®認定者 高田 典子

人生の節目で考える保険の見直し

 保険は万一の時の自分や家族の生活を守ってくれる大切な備えです。生命保険文化センターによると、約9割の日本の世帯が、生命保険になんらかの形で契約していますが、自分の加入している保険の保障内容をきちんと理解している人は案外少ないものです。
 基本的には保険の契約は長期間継続されるものですが、一度契約したらずっと同じでよいとは限りません。その後の年齢や環境の変化にともない、保障ニーズも変化するからです。自分や家族を長期間守る保障ですが、一度選んだ保障でも、生活状況に合わせて見直すことが重要です。
 今回は保険の見直しを人生の節目の側面から、考えてみたいと思います。

1.結婚

 独身時代にはあまり必要と感じられなかった保険も結婚を機に検討が必要になってきます。世帯主の万一の場合の備えとして、その後の配偶者の生活を維持できる保障の準備をします。どのくらいの保障が必要かは結婚後の二人のライフプランや働き方などで保険金額や保障期間を検討します。会社員の人は会社で加入している保険があるのかどうかも確認して、必要な保険金額などを決めます。
 また、逆に勧められるままに保険に加入していた人は、改めて自分の保障内容が収入に対して過大になっていないかなどもう一度確認してみます。また、住所の変更や受取人を親から配偶者に変更するなどの手続きも行います。

2.子どもの誕生

 家族が増え、親としての経済的責任も大きくなる中、特に子どもの教育費は貯蓄だけではなく親に万一のことがあった場合でも準備をします。文部科学省のアンケートによると、大学卒業までにかかる費用が全て国公立の場合で約1,000 万円,全て私立の場合は約2,300 万円かかるとの結果でした。とりわけ高校大学の教育費の負担が高いため、子どもが大学卒業の22歳くらいまでを目安に保険でも準備しておくことも検討しましょう。たとえば「学資保険」「終身保険」「収入保障保険」など、その仕組みと特徴を理解し、いつ、どのくらい学費を保険で準備するかを検討します。

3.マイホームの購入

 住宅ローンを借り入れしてマイホームを購入する場合、団体信用保険(団信)の加入が借入条件となることがあります。一般的には借入している最中に死亡・高度障害になった時のその後の住宅ローンが清算される保障ですが、最近は三大疾病時の保障も選べるようになりました。また、団信に加入することで、今までの生命保険の保険金額が過大になることがあるので減額の見直しも検討します。ただし、団信はその後の融資残高が保障されるだけで、固定資産税、修繕費用など住居を維持するための費用は必要ですので、注意が必要です。

4.子どもの成長・独立(老後)

 子どもの成長とともに親の経済的責任も少なくなるため、今までの生命保険の保障を少なくする、または解約することによって家計改善につながる場合があります。今まで子どものために掛けていた保険料を今度は自分たちの老後資金に回せるか検討します。最近では、介護状態になった時に保険金が出る保険もあり、公的介護保険に上乗せした保障が必要かどうか検討してみます。
 また、自分が亡くなった場合、葬式代などの整理資金が必要になります。日本消費者協会の調査によると、葬儀にかかる費用の総額は約189万円となっています。
 家族それぞれに保険で資産を遺したいと思うケースでは、税金がいくらかかるかなどを調べたり、専門家に相談してよりよい対策を検討しましょう。

 人生の節目で今加入している保険が自分や家族のニーズにあっているのか、不足しているのか、不足しているのなら、どんな保障がどのくらい必要なのか検討します。ただし、いつでも変更できるわけではなく、健康告知が必要となりますので、健康状態によっては必ずしも希望の時に希望の保障を備えるとは限りません。家族構成、働き方、収入、貯蓄とのバランスなどから、家計にあった最適な保険を選び、見直しましょう。
 保険と長く付き合うためには、無理は禁物、保険を掛けすぎないことが大切です。

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