相談例27 | 日本FP協会

独身時代の保険、何に入るべき?

死亡保障1000万円の終身保険、
20代の独身には
不向きなのでしょうか?

先日、付き合っている年上の彼女(23歳)から「こんな保険入る必要ないわよ」と言われました。
それが死亡保障1000万円の終身保険です。
自分も最初は興味がなかったのですが、掛け捨てではないので、貯蓄のつもりで入れると聞き、ならばと前向きに検討しているところです。
かなり先ですが、支払った以上に戻ってくるので、彼女に「ダメ出し」されるような保険ではない気がしますが、本当のところはどうなんでしょうか……。
また、もしこの保険が要らないとすれば、自分が入るべき保険とは、どのようなものなのでしょうか?

家族構成や今後のライフプランが保険選びのカギ

そもそもどのようなキッカケで保険を検討することになったんですか?

保険会社の営業マンに、貯金できないので将来が不安だと話したら、翌日に設計書を作ってきたんです。保険と言っても掛け捨てではないので、貯蓄にもなると説明を受けました

持参いただいた設計書を拝見しますと、60歳払い済みで保険料は月々1万5000円。保険料の総支払額が702万円。60歳のときに解約返戻金が約800万円ですから100万円近く増えることになります。また、これもそうですが、終身保険は基本的に解約時期を遅くすると解約返戻金も増えるしくみになっています。ところで、K・Nさんの彼女は、なぜこの保険に入るのはおかしいと言ったのでしょう?

そういう保険はちゃんと家庭をもっている、しっかりとした人間が入る保険だ、と力説していました。自分のように、貯金もできないのに、200万円近いローンを背負ってまでクルマを買うような人聞には、まったく無意味だそうです

なるほど。ところで、その彼女とは結婚まで話が進んでいるのですか?

具体的にはいつとは決めていませんが、このまま続けば自然にそうなるとは思っています

この終身保険が、しっかりとした人聞が入るべき保険かどうかはわかりません(笑)。しかし、保険はその人(被保険者)の年齢や家族情成、世帯収入や貯蓄、今後のライフプランなどによって、必要にもなれば不必要にもなります。それを的確に判断していくことが保険選びでは大事なことです

相談者プロフィール

K・Nさん

愛知県在住

性別
男性
年齢
21歳
職業
会社員

社宅/一人暮らし

MONEY DATA

収入

  • 給与(手取り)17万8000円
  • ボーナス(年間手取り)45万円

月額合計 17万8000円

月間支出

  • 家賃1万1000円
  • 食費4万円
  • 水道光熱費1万2000円
  • 車両費(※1)2万円
  • クルマのローン3万円
  • 通信費(※2)7000円
  • 交際費・娯楽費2万8000円
  • 雑費1万円

合計 15万8000円

  • ※1 駐車場代、ガソリン代、保険料など
  • ※2 携帯・スマホ代、プロバイダー料金、有料テレビ代など

貯蓄/運用

  • 普通預金6万円
  • 定期預金40万円

(毎月2万円、ボーナス年間20万円積立)

合計 46万円

クルマのローンの内容

  • 借入額170万円
  • 金利2.0%
  • 5年返済

必要にして最小限の保障を掛け捨てで確保

では、20代で独身の社会人には、どんな保険が必要なのでしょうか。まず、死亡保障から考えてみます。死亡保障の目的は、自分に万が一のことがあった場合、残された家族が生活に困らないために備えるということ。その家族とは、その人が経済的に支えている人が対象となります。「妻や子供たちを養うために働く夫」というのが、典型的な人物像です。したがって、独身で、自分の収入によって扶養している家族(もしくは親やきょうだい)がいないのであれば、死亡保障は不要ということになるわけです。

しかし、親に負担はかけたくないという考えもあります。そうであれば、200万~300万円程度の死亡保障を確保してもいいでしょう。その場合、保険料の割安な掛け捨ての定期タイプの死亡保険がおススメです。20代であれば死亡保障300万円で、保険料は月600~800円ほど(※)で済みます。

一方、K・Nさんが検討しているような終身保険は、掛け捨てではなく、貯蓄性のある保険商品ということになります。払った保険料以上の解約返戻金を手にすることができる場合もあります。

しかし、20代の独身社会人には、概して向かない保険とも言えます。収入がまだ低い中、やりくりをして少しでも貯蓄を増やしていくということが、この世代にとっては家計管理の優先事項。30年先、40年先に手にする解約返戻金のために、貯蓄を削ってまで高い保険料を支払うことは、合理的ではないからです。

次に医療保障ですが、これは被保険者が病気やケガをした際の医療費をカバーするものですから、独身だから不要ということはありません。その保障内容ですが、よく目安とされるのが入院給付金。日額5000円もしくは1万円が一般的ですが、20代であれば長期入院のリスクは低いはず。したがって、5000円の入院給付を、掛け捨ての定期タイプの保険で確保すればいいでしょう。

ともあれ、1000万円の終身保険は現時点でのK・Nさんには必要ないと言わざるを得ません。今後は結婚やお子さんが生まれるといったことが、保険の加入や見直しの時期となります。そこでまた検討してみてください。

(※)特約を付けず、インターネット専業の保険会社を利用した場合

FP相談を終えてK・Nさんの感想

ずっと先の解約返戻金より目先の貯蓄に励みます

彼女の言うことは、表現は一部不適切でしたが、結論は合っていたんですね。さすが年上です(笑)。
掛けた保険料の元を取るのに4 年近くかかると思うとその前に貯蓄を優先すべきということも納得です。
昨年もクルマを相談なしに買って、彼女に相当怒られたので、まずは貯蓄に励んで機嫌を取りたいと思っています。

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