住宅ローンが苦しい。借り換えで改善する?

教育費が増え、住宅ローンが
徐々に負担になってきました。
借り換えで改善するでしょうか?

子どもが成長するにつれ、社宅がだんだんと手狭になってきて、ならばと、思い切って一戸建てを購入したのが10年前。家の広さは倍になり、庭もあり、家内も機嫌がいい日が増え、購入したことにはとても満足しています。しかし、半ば勢いで買ったため、大事な点を見落としていました。子ども3人の教育費です。
とくに今年、長女が大学進学し、来年は次女が高校進学など、教育費が年々アップしています。
また、ここ数年、ボーナスがまったく上がっていない点も、家計をきびしくしている要因です。
そこで住宅ローンの負担を軽くするために、「借り換え」はどうかと考えていますが、実際に効果があるでしょうか……。

教育資金を確保しつつ、
住宅ローンの軽減を目指す

教育費は今後も負担増になりそうですね

はい。家を買ったときは、何とかなるだろうと軽い気持ちでいました。甘かったです……

負担増に合わせて、家計の見直しもされたのですか?

昨年末にいきなり家内から、こづかいを月3万円から2万円に減らすと宣言されました。納得はしていますが、娘たちは四六時中シャワーを使っているし、夏は自分の部屋に閉じこもりエアコンをつけっぱなし。細かいことは言いたくないですが、何かが間違っているような……

なるほど。家計管理には、家族の協力が不可欠です。家計のために個々に何ができるか。話し合うことは大切だと思いますよ。さて、住宅ローンの負担軽減ですが、借り換えを、と思われたのはなぜですか?

住宅ローンを全期間固定で借り入れたのは、やはり将来、金利が上がっても安心だからという理由です。しかし、金利は上がるどころか少しずつ下がってしまい、私が借りている3.55%は今ではとても高い金利になってしまって。ならば借り換えたら、グッと返済額も下がるのではと期待しています

確認したいことがもうひとつ。保険料の内訳ですが、これには学資保険は含まれていますか?

はい。次女と長男、それぞれ18歳満期で満期金200万円。保険料は合計で1万9000円ほどです

わかりました。K・Fさんの家計において、教育費を確保しつつ、住宅ローンも無理なく返済するということが、今はもっとも大事なポイントです。それが借り換えで可能となるかどうか、考えてみましょう

相談者プロフィール

K・Fさん

神奈川県在住 

性別
男性
年齢
46歳
職業
会社員

持ち家マンション
結婚20年目
家族は、妻43歳、長女18歳、次女15歳、長男8歳の5人。
妻はパート勤務、長女は大学1年、次女は中学3年、長男は小学校2年。

MONEY DATA

収入

  • 給与・夫(手取り)35万2000円
  • 給与・妻(手取り)6万円
  • 児童手当2万円
  • ボーナス・夫(年間手取り)50万円

月額合計 43万2000円

月間支出

  • 住宅ローン12万6500円
  • 食費6万9000円
  • 水道光熱費3万2000円
  • 教育費4万5000円
  • 車両費(※1)1万2000円
  • 通信費(※2)2万3000円
  • 家族の小遣い4万円
  • 交際費・娯楽費2万円
  • 保険料2万9500円
  • 雑費2万5000円

合計 42万2000円

  • ※1 駐車場代、ガソリン代、保険料など
  • ※2 携帯・スマホ代、プロバイダー料金、有料テレビ代など

貯蓄/運用

  • 普通預金12万円
  • 定期預金250万円(毎月1万円、ボーナス年間20万円積立)
  • 一般財形185万円

合計 447万円

住宅ローン

  • 借入額2800万円
  • 現在のローン残高2170万円
  • 30年固定金利3.55%

目先の減額は小さくても
総支払額は200万円の軽減

住宅ローンの借り換えとは、現在の残高分をより金利の低い住宅ローンで新たに借り入れ、それまでの住宅ローンを完済してしまうことです。当然、金利が低くなった分、総返済額は抑えられますが、一方で、新たにローンを組むため、諸経費(※1)が発生してしまいます。

具体的に、K・Fさんのケースで試算してみましょう。まず、現状より金利が1.00%低い、2.55%で借り換えた場合、毎月の返済額は約11万5500円(※2)。月額で約1万1000円、返済額が下がったことになります。
毎月の軽減効果という点では、期待しているような額ではないかもしれません。しかし、借り換え時に発生する諸費用50万~70万円(金融機関やローンの内容によって異なります)分を差し引いても、総支払額で見れば、200万円前後の軽減となります。その点で、諸費用を払っても金利差がある程度あれば、借り換えは長期的に見て効果的と言えます。

また、借り換え費用のため、教育資金が減ってしまうのは避けたいところですが、現状で70万円の支出があってもさほど心配はいりません。K・Fさんの場合、学資保険で下のお子さん2人にもそれぞれ200万円ずつ準備していますし、不足分は貯蓄からある程度補えるでしょう。

別の方法との比較ではどうでしょう。たとえば、繰上返済の返済額軽減型で、先の2.55%の住宅ローンに借り換えた場合と同様の返済額にするには、およそ190万円を返済する必要があります。繰上返済は手続きの手間が少なく、手数料(0~数万円程度)も格段に低いというメリットがありますが、現状で貯蓄額が190万円減ってしまうこと、さらには総支払額では80万円ほどの軽減効果しかないため、総じて借り換えの方が有利ということになります。

※1

保証料や登録免許税、司法書士手数料、印紙代など。

※2

返済期間は借り換え前と同じ、残り20年、固定金利での試算結果。ちなみに、一部の金融機関を除いて、借り換えによって残りの返済期間を延長することはできません。

相談を終えてK・Fさんの感想

金融機関で試算してもらい、
じっくり検討します

詳しいアドバイス、ありがとうございます。借り換えで家計負担が軽減できるとわかり、ホッとしています。
実際に金融機関に足を運んで、いろいろと相談してみたいと思います。家計の見直しは、家族が協力してこそという部分、大いに納得しました。私がずっと抱いていたモヤモヤはそれだった気がします。
家族に不協和音が出ないよう、いろいろ話し合ってみます。

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