住宅ローンは夫婦でそれぞれ借りるべき?

住宅購入を予定しています。
夫婦とも頭金は出すつもりですが、
住宅ローンも夫婦で借りるべきでしょうか?

共働きでともに正社員です。ある程度、貯蓄も増えてきたので、そろそろ住宅購入を考えていますが、そこで悩みがひとつ。
購入にあたっては、なるべく自己資金を多くするために妻である私も資金を出すことになると思います。その場合、ローンも夫婦でそれぞれ借りるべきなのでしょうか。
私もローンを背負うことに抵抗はありませんが、そのことで何かメリットはあるのでしょうか?
ちなみに、希望する物件は、同じ市内かその周辺の新築マンション。できれば広めの3LDK、物件価格は3700万円台、借入額は3000万円前後を考えています。

自己資金を出し合った時点で
住宅は共有名義

住宅購入の自己資金ですが、奥様はどのくらいを出す予定ですか?

貯蓄、投資のうち、定期預金が全額私の名義なのですが、そこから400万円ほど出そうと考えています。あとは普通預金のうち20万円が私の名義で、あとはすべて夫の名義です

すると、自己資金はお2人でどのくらいになりそうですか?

夫は住宅財形を全額と投資信託の一部を充てるので、頭金は合計で600万〜700万円。あと、諸経費は夫が何とかしてくれると思いますが(笑)、もし足りなければ私も出さないといけませんね

ぜひ、そうしてください。さて、住宅ローンの借り方についてですが、どういう形で夫婦が住宅ローンに関わるかは、メリットやその後の働き方を考慮しながら決めていくといいでしょう

頭金を出し合えば、ローンも自動的に共有名義となるわけではないのですか?

そういうわけではありません。頭金や住宅ローンなど資金を負担した割合に矛盾が生じない割合で住宅の持ち分を登記すればよいのです。もし、夫婦それぞれ資金を出しているのに、夫だけの名義にすれば、妻の資金は夫への贈与とみなされ、贈与税の対象になってしまいますので注意してください

相談者プロフィール

M・Hさん

神奈川県在住 

性別
女性
年齢
35歳
職業
会社員

賃貸住宅住まい。
結婚10年目 
家族は、夫38歳、長女9歳の3人。
夫は会社員、長女は小学校3年。

MONEY DATA

収入

  • 給与・夫(手取り)34万円
  • 給与・妻(手取り)26万円
  • 児童手当1万円
  • ボーナス・夫(年間手取り)68万円
  • ボーナス・妻(年間手取り)60万円

月額合計 61万円

月間支出

  • 家賃13万5000円
  • 食費6万5000円
  • 水道光熱費2万5000円
  • 教育費3万5000円
  • 車両費(※1)2万5000円
  • 通信費(※2)2万2000円
  • 家族の小遣い6万円
  • 交際費・娯楽費4万5000円
  • 保険料3万3000円
  • 雑費4万5000円

合計 49万円

  • ※1 駐車場代、ガソリン代、保険料など
  • ※2 携帯・スマホ代、プロバイダー料金、有料テレビ代など

貯蓄/運用

  • 普通預金25万円
  • 定期預金560万円(毎月10万円、ボーナス年間30万円積立)
  • 住宅財形220万円(毎月2万円、ボーナス年間20万円積立)
  • MMF22万円
  • 投資信託130万円

合計 957万円

住宅ローンの形は今後の働き方を
考慮して決めたい

夫婦で借りる住宅ローンについて、まずはその形を整理してみましょう。一般には次の2つがあります。まず、(1)夫婦がそれぞれにローンを組む(ペアローン)という形。3000万円を借り入れるとすれば、夫が2000万円、妻が1000万円の住宅ローンを契約する、といったイメージです。
もうひとつ、(2)1本の住宅ローンを夫婦2人で借りる「連帯債務」という形もあります。主たる債務者を夫とすれば、夫の収入に妻の収入を合算し、住宅ローンを組むという方法です。

ともに、大きなメリットとしては、借入額を増やせるという点でしょう。ただし、「収入合算」の割合は、妻の収入が100%、夫の収入に上乗せされるとは限りません。金融機関によっては50%程度ということもあります。

夫婦で借りるもうひとつのメリットが、夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けられるということです。現行の制度での控除限度額は住宅ローンの年末残高(4000万円まで、10年間適用)の1%となっています。たとえば、年末残高が3000万円であれば最高で30万円、その年の所得税と住民税から減税されます。

ただし、減税は税金を支払っている範囲内でしか受けられません。たとえば、夫だけが借り入れている場合、適用はもちろん夫のみですが、夫の所得税と住民税を合わせても20万円しか払っていないなら減税は20万円が限度です。ところが、夫婦で住宅ローンを借りているなら、妻の所得税と住民税も減税の対象となります。共働きの場合、世帯全体では減税額がより大きくなる可能性があるわけです(表参照)。

■住宅ローンの控除額はローンの組み方で変わる場合がある
〈条件例〉
◎減税される上限額30万円(住宅ローンの年末残高3000万円の1%)
◎所得税+住民税額……夫=20万円、妻=10万円

  夫のみが住宅ローンを
借りている場合
夫婦でそれぞれ住宅ローンを
借りている場合(※)
夫の減税額20万円20万円
妻の減税額0円10万円
世帯での減税額20万円30万円
  • (※)

    ペアローン、もしくは「連帯債務」であり、持ち分割合と債務の負担割合を2:1としている場合

  • (※)

    ただし、住民税から控除できるのは13.65万円(中古住宅の個人間売買は9.75万円)が限度(平成26年4月~平成29年末)

住宅ローンを夫婦で借りる場合、妻の働き方によってはそのメリットが十分に活かせません。また、専業主婦になる、収入が大きく低下するなどといった場合、返済リスクが発生することもあります。M・Hさんも、今後の働き方を考慮しながら、決めていくといいでしょう。

相談を終えてM・Hさんの感想

減税などメリットがあることがわかり、
スッキリしました

夫婦で借りると一口に言っても、いろいろな選択肢があり、また、受けるメリットが違うことを知り、大変参考になりました。 私自身、今後も働き続けることを希望していますので、夫婦で借りて、減税などのメリットを活かせればと考えています。
またこれを機会に、無理なく住宅ローンが返済できるよう、十分に考えてローンを組みたいと思っています。

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