孫たちに効果的に財産を遺したい

かわいい孫たちに効率的に資金を遺すには
どうすればいいでしょうか…

生まれ育った土地に工務店を立ち上げたのが32歳のとき。
売り上げが落ち込む時期もありましたが、この35年間、精一杯頑張ってきた自負はあります。
そんな私は50代の頃までは、お金は遺さずに使ってしまおうと思っていました。財産があることで、結果的に子どもたちを甘やかしてしまう。そう考えたからです。しかし、孫が生まれてから考えは一変しました。
年齢的に、その成長を見届けることはできないかもしれない。ならば、そろそろ孫たちに何かを遺しておきたい。とは言え、贈与とか相続の知識はまったく持ち合わせておりません。
より良い方法や注意点があれば教えてください。

優遇措置や特例を
有効に使おう

しっかりと貯められてきましたね

家内がお金のことは全部仕切っていますから。私がやっていたら、こうはいきません(笑)

そもそも財産を遺すことには否定的だったとか?

子ども3人、不自由な思いをさせずに育てたのですから、それで十分だろうと。私自身が、苦労して、ゼロからここまで来ました。社会人になってまで、親に何かを期待するようではダメだと思うんです。家内には、頭が固いとよく言われるんですが

お孫さんが、その固い頭を柔らかくしたんですね

おっしゃるとおり。長男とは仕事のことでよく衝突するんです。私も頭に血が上ってますから、〈お前には工務店は継がせない!!〉なんて口走ったりして。でも、そんな怒りも孫の顔を見れば一瞬で吹っ飛びます(笑)。甘いと言われようと、仕方がない。かわいいんですから

そのお孫さんたちに遺したい財産ですが、具体的にはどのような形でと考えていますか?

次男と三男のところにも1人ずつ、全部で4人の孫がいますが、土地や家屋は簡単に分割できないので、いずれ相続ということなのでしょうが、現金は渡してやりたいという思いですね。騒ぐほどの額じゃありませんが

わかりました。相続や贈与については、優遇措置などがあり、それを活用することが資産を効率的に遺すポイトンになります。加えて、万が一のことがあっても遺族が慌てないよう、相続について年齢的にもそろそろ準備を始めるといいでしょう

相談者プロフィール

K・Oさん

京都府在住 

性別
男性
年齢
67歳
職業
自営業

持ち家一戸建て
家族は、妻61歳、長男37歳、長男の嫁35歳、孫8歳と3歳の6人。
妻と嫁は専業主婦、長男は自営業、孫は小学4年と幼稚園。
次男と三男はそれぞれ結婚して独立。

MONEY DATA

収入

  • 給与(手取り)82万7000円
  • 年金(夫婦)12万円

月額合計 94万7000円

月間支出

  • 食費10万円
  • 水道光熱費3万5000円
  • 車両費(※1)3万円
  • 通信費(※2)1万円
  • 家族の小遣い8万円
  • 交際費・娯楽費7万円
  • 保険料3万2000円
  • 雑費5万円

合計 40万7000円

  • ※1 駐車場代、ガソリン代、保険料など
  • ※2 携帯・スマホ代、プロバイダー料金、有料テレビ代など

貯蓄/運用

  • 普通預金70万円(毎月4万~5万預金)
  • 定期預金1800万円(毎月50万円積立)
  • 個人向け国債1500万円
  • 株式1350万円

合計 4720万円

教育資金なら1500万円までは
贈与税が非課税に

お孫さんへの贈与については、1年間に基礎控除額110万円までの贈与なら贈与税が課税されない「暦年課税(暦年贈与)」の利用がまず考えられます。ただし、毎年一定額を贈与すると一括贈与と見なされ、課税されるケースもありますので、心配であれば、事前に税理士などに相談してみてください。

次の方法として、「相続時精算課税制度」があります。これを利用すると、自分(60歳以上)の財産を自分の子どもや孫(ともに20歳以上)に贈与する際に2500万円までは非課税となります。しかし、贈与者の相続時には、相続財産と相続時精算課税の適用を受けた贈与財産の価額を合算しなくてはいけません。その額が相続税の基礎控除額を超えれば、相続税が発生することになるわけです。また、K・Oさんの場合、お孫さんが20歳になる(その年の1月1日)までその利用を待たなくてはなりません。

また、2013年4月に始まった「教育資金の一括贈与についての非課税措置」は、祖父母が子や孫に教育資金を贈与しても税金のかからない制度です。
特徴は、非課税枠が1人1500万円までと大きく、当面使わない分もまとめて非課税で贈与できる点です。もともと教育資金は必要額をその都度渡すなら課税されませんでした(都度贈与)が、これにより時期を待たずに贈与できます。
手続きについては、最初に金融機関でお子さん、もしくはお孫さん名義の専用口座を開く必要があります。あとは、教育費を支払ったらその領収書を金融機関に提出します。この制度は2019年末までの措置となっています。

相続はまだ少々先の話ですが、2015年から相続税が改正されたので注意が必要です。もっとも大きな改正点は、基礎控除額が〈3000万円+600万円×法定相続人の人数〉となった点。結果、非課税枠がそれまでの4割減となり、これまで相続税に「無縁」だった人も、その対象になる可能性があります。加えて、最高税率も50%から55%に引き上げられました。相続税が発生するかどうかなど、事前に試算しておくと安心かもしれません。

相談を終えてK・Oさんの感想

孫への教育資金贈与は子どもの家計援助に

考えてみれば、子どもから相続の話は切り出しくいでしょう。
だから、親が積極的に相続や贈与について話し合い、どうすれば孫たちにお金を遺せるかを決め、早めに実践してやりたいと思います。
とくに教育資金であれば、孫に対して有効な使い方ができるし、結果的に息子たちの援助にもなるわけですからね。

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