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2023年9月号(1)
税制・相続・贈与
CFP®認定者 藤井 亜也

ふるさと納税で食費やレジャーも賢く節約

 好きな自治体(都道府県や市区町村)を選び、寄付ができる「ふるさと納税」。2008年にスタートしたふるさと納税は、人口減少や過疎により税収が減少した地域と、都市部との格差を是正することを目的とした制度で、現在、多くの方が利用しています。今回は、ふるさと納税の基本的な仕組みなどについてお伝えします。

ふるさと納税とは

 自分で選んだ自治体に寄付を行った場合、寄付額のうち2,000円を超える部分が所得税と住民税から控除される制度です。「ふるさと」という名称から生まれ故郷のみと思われがちですが、応援したい自治体や進学、就職などでお世話になった自治体など、どの自治体でも対象となり寄付をすることができます。
 ふるさと納税サイトもいくつかあり、寄付金控除の上限額がシミュレーションできるサイトもあります。控除の上限額は年収や家族構成、お住まいの地域により異なりますので、利用する際は事前にご確認ください。

寄付金控除を受けるには

 寄付金の控除を受けるには、ふるさと納税を行った翌年に確定申告を行う必要がありますが、確定申告の不要な給与所得者等で、ふるさと納税先の自治体数が5団体以内であれば、確定申告が不要になる「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が利用できます。各自治体に特例の適用に関する申請書を提出する必要があり、一部の自治体ではマイナンバーカードを利用したオンライン申請も可能となっています。

食費やレジャーなどで家計もお得に

 ふるさと納税では、自治体に寄付をすると寄付へのお礼として地域の名産品などがもらえます。自治体にとっても名産品などを全国の人に知ってもらう重要な機会となっています。お礼の品(返礼品)としては、米や肉・魚、野菜やフルーツなどの食品、装飾品や工芸品、旅行券やチケットなどもあります。定期便は、通常購入するよりも割安となる返礼品もあり、定期的に消費する食品などをふるさと納税の返礼品として選択することで家計もお得になります。また、帰省や旅行の際に使える旅行券や外食に使えるチケットなどもありますので、ご家族での帰省や旅行の際に活用すると費用を抑えることもできます。
 ふるさと納税で寄付をすることで、家計にもお得になるという嬉しい効果があります。
 ※2023年10月から、ふるさと納税のルール変更により地場産品基準などが変ります。

まとめ

 2020年以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で巣ごもり需要が拡大し、ふるさと納税の利用者が前年よりも増加しました。様々な自治体へ寄付ができるという、ふるさと納税のメリットが反映されていると思います。
 各地の名産品で人気が出たふるさと納税ですが、現在ではクラウドファンディング型のプロジェクトや災害の復興支援にも寄付をすることができます。ふるさと納税で食費やレジャー費などの家計の節約につなげ、かつお世話になった自治体や応援したい自治体を支援したりする際にも活用してみてはいかがでしょうか。

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