FPSBからの情報発信

国際CFP®組織FPSB(Financial Planning Standards Board Ltd. 本部:米国コロラド州デンバー)は、世界各国・地域におけるCFP®認定プログラムの一層の普及や、CFP®資格のクオリティー向上を目指して活動する非営利組織であり、日本FP協会を含む世界のCFP®認定組織がメンバーとして加盟しています。
このページでは、FPSBから定期・不定期に発信される情報を抜粋して紹介します。

FPSBによるフィンテック調査

FPSBは、2015年と2016年に、FPSBメンバー組織とCFP®認定者を対象に、フィンテックがファイナンシャル・プランニングに及ぼす影響についてアンケート調査(調査方法:オンライン、言語:英語)を実施しました。
FPSBは、この調査の目的を、「フィンテック※の普及が、ファイナンシャル・プランニングの将来にどのような影響を及ぼすのかを知る手がかりを掴むため」としています。
2015年は、20カ国のFPSBメンバー組織及びCFP®認定者92名の回答の調査でしたが、2016年6月には、26カ国のFPSBメンバー組織(アソシエート組織2ヵ国含む)及び約1,700名のCFP®認定者から回答を得る調査となりました。

FPSBの調査におけるフィンテックとは、主に以下の3つを指しています。

「ロボ・アドバイザー」
:人間のアドバイザーを介さずに、自動化されたポートフォリオ管理アドバイスを提供するオンラインサービス。
「自動アドバイスツール」
:投資手法、または特定の金融商品を含むアセットアロケーションなどについて、広範な、または具体的な提案を行うオンラインサービス。
「プラットフォーム」
:FPが顧客の投資ポートフォリオを管理することができるオンラインサービス。

調査結果概要

CFP®認定者が考える、フィンテックがFP実務に及ぼす影響について

2015年には、フィンテックをFPにとってチャンスと考える人と脅威と考える人がちょうど二分されていましたが、2016年の調査では、ロボ・アドバイザーや自動アドバイスツールなどが人間に置き換わることへの懸念を抱く人の割合が減り、「そもそもファイナンシャル・プランニングの本質的なプロセスである、時間をかけて相手の話を聞き、人生の目的・家族・不安・健康などについて定性的な情報を得ることは、人間にしかできない」との声が多く聞かれ、むしろ自分達のビジネスの補完をしてくれる存在だと捉える人が多くなりました。人間を全く介さないロボ・アドバイザーについては、「現時点で大きな影響力は持っておらず、うまくいくかどうか判断することは時期尚早」とする意見が大多数でした。

フィンテックと生活者について

2015年、2016年の調査において、ロボ・アドバイザーをはじめとするフィンテックツールが、どのような生活者に歓迎されるかについて寄せられた意見では、「低コストで始められることに加え、若者にとってテクノロジーは身近で扱いやすいものであるため、中産階級以下、あるいは『HENRY("High Earners, Not Rich Yet"の略で、高給取りだがまだ富裕層には入らない層)』の人々が、歓迎する」との回答が多くありました。
また、「FPを元々あまり信用していない人は、人間のアドバイスの価値を見ないのでコスト面だけに注目し、魅力を感じて利用することが予想される」「過疎地など物理的にFPから遠い場所に住んでいる人は、利便性からフィンテックツールを使用するのではないか」との声もありました。

フィンテックと規制/監督

2015年、2016年の調査において、大多数のFPSBメンバー組織は、国内では、まだフィンテックツールやプラットフォームがそれほど普及していないと回答していますが、今後、フィンテック革命推進のための規制緩和や消費者保護などに向けて規制当局が動く必要が出てくると考えています。
規制当局が重点的に取り組むべきフィンテックの課題について、CFP®認定者・メンバー組織から寄せられた回答には、「自動アドバイスの限界について、生活者の理解を促進すること(65%)」「適切な提案を生成できるようにするため、自動アドバイスによる質問機能やリスク分析機能を高度化すること(41%)」「自動アドバイスを作成している側にある、潜在的な利益相反の低減(40%)」「データや資産の盗難など、自動アドバイスに関連したサイバーセキュリティリスクへの対策(37%)」などがありました。

フィンテックをFP実務に活かすために ~FPSBからの提言~

調査の最後に、ファイナンシャル・プランニングの未来にフィンテックが良い影響をもたらすよう、FPSBメンバー組織が行うべきこととして、FPSBは、「技術用語の定義づけを行ったり、自動アドバイスであっても人間のアドバイザーと同じ基準を適用するよう、規制当局をサポートする」「CFP®認定者へ相談することの価値について明らかにし、実務家に向けてメッセージを発信するなどして、人間による包括的なアドバイスの価値を高める」「CFP®認定者がフィンテックに関する分野に詳しくなるよう、教育プログラムの内容を拡充する」「フィンテックがもたらすものについて生活者に対する教育が行われるよう、利害関係者と協力して金融リテラシー向上を推進する」等を提言しています。

FPSBのフィンテック調査結果の詳細(英語版)

日本FP協会でも、CFP®認定者・AFP認定者を対象にフィンテックに関する意識調査を実施し、調査結果を公開しています。

CFP®認定者・AFP認定者を対象にフィンテックに関する意識調査
上へ