介護状態になったときの備えはどうする?

家族に迷惑を掛けないためにも
要介護になったら
いくら必要になるかを知りたい

農業と加工食品業を営んでいます。
長男は仕事を継ぎ、孫たちと日々元気に暮らしていますがただひとつ心配なのが私たち夫婦のこと。
テレビなどで盛んに取り上げている介護をいつ自分たちが必要になるかわからないからです。
柑橘類の栽培が主なため、傾斜地での作業が多くこの年齢で大ケガをすれば、即、要介護になりかねません。
でも、自分がどれだけ主人の介護ができるか不安ですし、せめてお金で慌てないためにも、介護費用について知っておきたいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。

12年で倍に膨れ上がった
要介護者

ご主人も奥様も現時点ではお元気なのですか?

おかげ様で。主人の唯一の自慢が〈生まれてこのかた、医者と警察の世話にはなったことがない!!〉ですから。でも、最近は仕事の量が若いときの半分くらいに減ってますよね

お仕事は体力的にきついんですか?

山の傾斜面で作業をすることが多いので、どうしても足腰に負担がかかります。それと、足を滑らして骨折というのが、この年齢になると怖いですかね

将来の介護を不安に思う、何かキッカケのようなものはあったのですか?

やっぱりテレビです。それで、そういう番組を見たあとに、酔っぱらってグーグー寝てる主人を見ると、急に気が重くなるんです。この人を介護するのは、間違いなく私なんだろうなって

親兄弟など、身近で介護を受けていた人はいませんでしたか?

入院はありましたけど、自宅で家族が介護するというのはなかったですね。夫婦とも親をわりと早くに亡くしていますし。でも、やっぱり介護は増えているんですよね?

そのとおりです。厚生労働省が発表した調査によると、平成26年3月末時点の65歳以上の要介護認定者数は583万人(※1)。この数字、実は12年ではほぼ倍になっているのです

相談者プロフィール

K・Tさん

愛媛県在住

性別
女性
年齢
53歳
職業
自営業

持ち家/一戸建て
家族は夫58歳、長男30歳、長男の妻28歳、孫6歳と2歳の6人家族
夫、長男は自営業、長男の妻は専業主婦、6歳の孫は小学校1年生

MONEY DATA

収入

  • 月収(手取り)35万8000円

月額合計 35万8000円

月間支出

  • 食費9万円
  • 水道光熱費3万5000円
  • 車両費(2台分※1)3万円
  • 通信費(※2)1万2000円
  • 交際費・娯楽費2万円
  • 家族のこづかい4万円
  • 雑費3万円
  • 保険料7000円

合計 26万4000円

  • ※1 駐車場代、ガソリン代、保険料など
  • ※2 携帯・スマホ代、プロバイダー料金、有料テレビ代など

貯蓄/運用

  • 普通預金60万円(毎月10万円程度積立)
  • 定期預金1200万円

合計 1260万円

保険料の内訳

  • 夫・妻/共済(病気死亡800万円、病気入院3500円)=保険料3600円×2

介護保険があっても自己負担は小さくない

介護費用を知るには、合わせて「公的介護保険」を理解しておく必要があります。発生する介護費用は主に、介護サービス費、住宅改修費、そして介護用品購入費の3つですが、それらに対して、備えのベースとなるのは、この公的介護保険だからです。

公的介護保険とは40歳になった時点で、健康保険の加入者すべてが自動的に被保険者となり、要支援、要介護の認定を受けた場合、介護サービス等を保険適用で受けられるというもの。ただし、65歳以上(第1号被保険者)であれば、介護状態となった原因を問わず保険適用となりますが、40~64歳の被保険者(第2号被保険者)は、認定された16の疾病が原因で介護が必要になった場合に限られます。

一般的な介護サービスとしては、訪問介護や介護福祉施設(デイサービス、ショートステイ)などでの入浴や食事、リハビリ等の生活援助などがあります。これらは、公的介護保険により、費用の自己負担は1割で利用できます。また、福祉用具購入費は年間10万円、介護のための住宅改修費は同一住宅に対して20万円までの援助も受けられます。

しかし、公的介護保険だけでは、実際の介護費用はカバーできないのが実情です。介護サービス費用は要介護区分ごとに支給限度額を設定し、それを超える金額については自己負担となってしまいます(表参照)。さらに、施設での食事代、レクリエーション費、紙おむつ代などは、保険適用外の費用となります。介護タクシーの利用や家事代行サービスなどの利用も自己負担となるのです。

生命保険文化センターの調査(※2)によると、介護期間の平均は4年9ヵ月。実際の費用が公的介護保険の上限を超えなくとも、少なくとも200万~300万円(月額平均で5万円弱)は自己負担額として見ておく必要がありそうです。

そういった負担に対しては、貯蓄もしくは民間の介護保険でカバーしていくことになるでしょう。ただし、民間の介護保険で注意したいのは、公的介護保険での介護認定とは別の認定基準を設けているケースがあること。事前に確認しておかないと、思っていたとおりの保険金が受け取れないこともあります。

■住宅サービスの支給限度額と平均費用額(月額)

要介護
状態区分
支給限度額 受給者1人当りの
平均費用額
(自己負担額)
要支援1 4万9,700円 2万3,240円
要支援2 10万4,000円 4万2,020円
要介護1 16万5,800円 7万4,240円
要介護2 19万4,800円 10万1,680円
要介護3 26万7,500円 15万1,180円
要介護4 30万6,000円 18万4,380円
要介護5 35万8,300円 22万5,220円

(※)支給限度額は標準地域のケース。また、平均費用額は厚生労働省「平成24年介護給付費実態調査/4月調査分」より。また、ここに示した住宅サービスと入所サービスでは金額が異なります

※1

平成26年版「介護保険事業状況報告」より。「要介護 1~5」および「要支援 1~2」と認定された第1号被保険者(65歳以上)の合計

※2

「生命保険に関する全国実態調査」(平成27年度)

FP相談を終えてK・Tさんの感想

500万円、介護費用を用意しておきます

具体的な介護費用や介護保険について知ることができ何となくボンヤリしていた介護のイメージがはっきりしてきました。ありがとうございます。
長男夫婦にはお金で心配は掛けたくないので、2人分の費用として500万円くらい用意しておくつもりです。
大金ですが、夫婦とも普段はお金のかからない人間なのでたぶん大丈夫でしょう(笑)。

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