SG遺言・相続・成年後見研究会
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テーマ
①亡父が子供と生前になした『相続放棄』の契約の有効性について ②死亡退職金は相続財産となるのかについて ③相続財産の調査の仕方について
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日程
2007年7月18日(水)
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時間
18時30分~20時30分
(所要時間:2時間00分) -
活動場所
渋谷区立勤労福祉会館
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講師
SG代表 久保田貞男
チューター 金光節夫 -
課目
・相続・事業承継設計
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単位数
2単位
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参加人数
合計26名
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コメント
①については
被相続人と相続人の間で生前になした相続放棄の契約は、法律上無効とされている(判例)。その理由は被相続人が相続人に対して強制的に相続を放棄させる等の問題が考えられるからである。相続の発生後、子供達が遺産分割協議を経て、被相続人の配偶者を今までの居宅から追い出す場合もありえる。従って、配偶者を守る為には、住まいの土地・家屋を元気なうちに贈与する(婚姻20年以上の配偶者贈与の特例)などの生前贈与の活用と、遺言書の作成が有効である旨、また、相続放棄の取り消しは可能か否かなどについても研究を深めた。
②については
死亡退職金が遺産分割の対象となる相続財産になるか否かは、その支給を定めた規定の解釈による。その会社規定に、死亡退職金の支給を受ける者(受給権者)の範囲、順位について民法の相続人の順位と異なる定めがされている場合には、死亡退職金の受給権は相続財産に属さず、受給権者である遺族の固有の権利であるとされている。
但し、遺産分割の際、これを「特別受益」(相続人が被相続人から生計の資本として生前贈与や遺贈を受けること等)として考慮するか否かについては、異なった意見がある。この退職金は、配偶者にとっては将来の生計保障の側面があるので、被相続人の親が健在の場合には、この両親にも同様の側面が存在する可能性があり、配分についても充分な話し合いが必要となる場合があるなど、具体的事案についても研究を深めた。
③については
相続財産の調査は、正確にかつ迅速(相続税の申告期限は相続開始日から10ヶ月以内)に調査する必要がある。
(A) 自宅及び貸地の調査の方法
(1)不動産の「登記簿謄本」をみる
(2)「固定資産評価証明書」をとる
(3)「公図」で確認する
(4)「路線価図」で土地の評価をする
(B) 「有価証券」の残高証明書を発行して貰う
(C) 「預貯金」の通帳などを収集する
(D) その他(債務の調査・葬式費用の整理)
など財産の種類に応じて、逐一、詳細に亘っての研究を深めた。