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活動報告
  • テーマ

    ファイナンシャル・ウェルビーイング実現に向けたNISAの実践的活用方法

  • 日程

    2026年3月14日(土)

  • 時間

    17時40分~19時40分
    (所要時間:2時間00分)

  • 活動場所

    四谷地域センター 11F 集会室4

  • 講師

    横田 健一(よこたけんいち)氏 /CFP、外部講師
     ウェルビーイング学会(ファイナンシャル・ウェルビーイング分科会)所属
     ㈱ウェルスペント 代表取締役
     「フツーの人にフツーの資産形成を!」というコンセプトで各種情報発信を
     しながら、家計相談等を行い個人の資産形成をサポートしている。
     https://nextfunds.jp/writer/001/

  • 課目

    ・金融資産運用設計

  • 単位数

    2単位

  • 参加人数

    合計19名

  • コメント

     ファイナンシャル・ウェルビーイングという考え方とそれを実現していくためのNISAの実践的活用方法について説明。
     ファイナンシャル・ウェルビーイングとは「自らの経済状況を管理し必要な選択をすることによって、現在及び将来にわたって経済的な観点から一人ひとりが多様な幸せを実現し、安心感を得られている状態」のこと。社名にも用いたウェルスペント(well spent)は有益に使った・有意義に過ごしたという意味で、より多くの方に貴重なお金や時間をウェルスペントして頂いてより幸せな人生を送って頂きたいとの思いから。ウェルスペントについては3つの大きな問題があり、その対策は以下の通り。
    ①現預金割合が高過ぎ:期待リターンの高い資産への組み換え
    ②民間生保に加入し過ぎ:生命保険の加入額の見直し
    ③相続時まで資産持ち過ぎ:資産の高齢者偏在、生前からの資産移転促進
     お金が多いほど幸せか・不安は解消されるかは疑問が多い。収入が増えるほど幸福度は上昇するが、一定水準を超えると頭打ちになる。資産が多いほど満足度は高くなる傾向にあるが、金融リテラシーが高いほど経済的な満足度が高くなる調査結果もある。お金に関する不安の第一位は老後資金であり、その土台である年金についての理解が不十分であることが問題なのでは。
     2023年5月以降、ファイナンシャル・ウェルビーイングというコンセプトの認識が高まっており、今後ますます広がっていく可能性が高い。目指すは、お金持ちよりファイナンシャル・ウェルビーイング。満たされた状態・満足度が高い状態にあることが重要で、他人との比較ではなく、自分なりの基準の設定が必要。足るを知る、等身大のライフプラン・ファイナンシャルプランが大切。客観的というより主観的なもので、現在の経済的な安心感と将来のリスクヘッジや幅広い選択の自由度のあるバランスのとれた状態を目指す。
    ファイナンシャル・ウェルビーイング実現に向けた4つのステップは、
    ①現在のコントロール感を高める:自分がお金を動かしている感覚の土台作り
    ②金銭的なショックへの耐性を作る:予備/緊急時資金源の確保
    ③将来の目標への道筋を立てる:将来的な安心の見通し・確信
    ④選択の自由を楽しむ:より意識的にお金を使って人生の質・幸福度を向上
    ライフプランシミュレーションを行うことで、お金の見通しが立ち改善策を具体的に検討できる利点がある。実践する上でのポイントは、10~30年の期間で行う、厳密さにこだわり過ぎない、定期的にアップデートすることで、結果的にファイナンシャル・ウェルビーイング実現の役に立つ。
     ファイナンシャル・ウェルビーイングな資産運用をする上での重要項目は、資産運用の目的(お金自体を目的化しない)、ライフプランの明確化、資産運用の目標・スタイル。NISAを利用することで非課税での運用が可能、基本は長期積立投資。資産形成のポイントは、預貯金と運用投資資産に分ける、1年程度の生活費と5年以内のライフイベント資金の確保、円建て元本保証且つ流動性の高い国債も検討、投資対象は低コストの世界株式インデックスファンド1本のみ、積立もしくは一括で購入、お金が必要な時のみ売却。
     3つの投資方法(積立投資、一括投資、5年積立+保有)で過去38年の実データを基に分析を行った。積立・一括共に長期になるほどリターンは安定し、投資タイミングによる損失可能性は低下した。積立の場合、20年以上ならリターンはプラス、利回りは30年で6~10%程度、損益率は30年で2~6倍(一括投資の半分程度)。一括の場合、15年以上ならリターンはプラス、利回りは30年で5~10%程度、損益率は30年で5~18倍(積立投資の2倍以上)。上記に加え、5年積立+保有(5年積立後、保有を継続)も分析したところ、同様にリターンの安定、投資タイミングの損失可能性低下が見られ、20年以上ならリターンはプラス、利回りは5+25年で6~9%程度、損益率は5+25年で5~11倍(一括投資よりブレ幅小)。3者を比較すると、損益率は積立<5年積立+保有<一括(中央値)で長期になるほど積立との差が大きくなり、期間10年や元本割れ確率では一括より5年積立+保有の方が改善している。仮に1,800万円を投資したとすると、30年一括投資の場合の非課税メリットは3,232万円。NISAではゆっくり投資するか一括投資するかの2つの選択肢があるが、含み益を作り維持することが大切。含み益を作るには長期投資と保有継続すること、安心して含み益を保持するには投資信託で低コストの金融商品に投資してマーケットや損益状況をチェックし過ぎないこと。
     インフレ時代の資産運用では、インフレに備えた資産配分が重要になる。円安要因の短期的なインフレでは外貨建て資産が、経済成長要因の長期的(構造的)なインフレでは株式・不動産等の付加価値を生み続ける資産が有効。お勧めは、世界の株式・不動産を対象とする投資信託を組み入れた運用を行うこと。円預金や日本の債権はインフレに弱いので注意。
     まとめとして、収入や資産が大きいほど幸せになれる、不安が解消されるとは限らない。支出管理、ショック対応、選択肢、将来見通しという4つのポイントで、ファイナンシャル・ウェルビーイングを実現していくことが大切。NISAの活用でより有利に、シンプルで手間のかからない資産運用がお勧め。インフレ時代においては、長期的なインフレに備えた資産運用がますます重要になる。