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活動報告
  • テーマ

    インフレと通貨不安の時代における「金」の役割と投資 ~年金と貯金を守る!金投資の基本と未来~

  • 日程

    2026年2月14日(土)

  • 時間

    15時30分~17時30分
    (所要時間:2時間00分)

  • 活動場所

    四谷地域センター 11F 集会室4

  • 講師

    西巻 樹一(ニシマキキイチ)氏 /CFP
     SGネクストメンバー

  • 課目

    ・金融資産運用設計

  • 単位数

    2単位

  • 参加人数

    合計24名

  • コメント

     金/Goldの役割と投資について、実際の運用経験を踏まえて解説。
     金は無国籍通貨とも言われており、日本では江戸時代の大判・小判まで通貨の時代があった。しかし、金貨は通貨として不便であり、重い・嵩張る・強盗リスクで所持に向かないなどのデメリットが多く、金兌換の紙幣の発行に至った。1816年イギリスで金本位制が始まり、通貨の信用確保と為替レート安定の反面、政府が通貨供給量を柔軟に調整できない欠点もあった。1944年のプレトンウッズ体制により米ドルが基軸通貨となり、各中央銀行に金とドルの交換を約束した。1971年の金ドル交換停止によるニクソンショックにより金の価格は市場価格となり、1973年から変動相場制へ移行した。
     通貨の機能は3つで、①商品・資産価値の尺度機能、②商品・資産の交換/支払機能、③価値の貯蔵機能。通常の通貨において③価値の貯蔵機能は、短期では一定の価値を保つが、長期ではインフレ分の実質価値が減ってしまう。それに対し、金は長期でも一定の価値を保つ。現在の金価格は、ドルベースでは1882年比で141倍・1973年比で50倍、円ベースでは1882年比で22,000倍・1973年比で28倍であり、通貨の価値は大幅に下落している。
     金価格の上昇は米GDP増を上回るドルの供給量増が大きな要因で、マネーの増加に経済成長が追いつかなくなったから。現在金の供給量は増えておらず、その理由は資源枯渇・困難な金鉱床の発見・生産コスト高騰など。供給が増えないため総需要量はほぼ一定で、需要が増えるセクターがあれば価格が高騰する。金の需要先としては、投資需要が前年比8割増。ウクライナ侵攻以降、中央銀行の金購入量増加により2倍以上に金価格が高騰している。過去にもイラン革命やワシントン協定時に中央銀行の金購入によって金価格が上昇した。金の値上がりの特徴をまとめると、通貨供給量の膨張、中央銀行の買い、ファンドのETF買い。金の長期的な値下がりは過去2回あり、イラン革命後の中央銀行による金の放出と2010年代の金ETFの売りで、米国主導で行われた。小調整はファンドによる利益確定売り。中央銀行は外貨準備の一部として金を保有していて、その目的は資産の分散・外貨のリスクヘッジ・金融の信頼性維持である。2024年に行った世界約100の中央銀行の調査では69%が金の準備率構成比を上げようと考えていて、2025年での調査では更に金保有意欲が高まっている。金価格上昇の背景としては、短中期的には新興国のドル離れによる中銀準備率の上昇、長期的には通貨供給量の膨張(米政府債務拡大→ドル通貨供給増)を要因として、供給量に限りがある金の希少価値が高まった。
     資産運用を考える際に年金と預金の目減りを防ぐ対策が必要となる。日本のインフレ率は円安を主要因として3%の水準で推移しており、今後資産価値を減少させる。インフレは資産を持つ国民から借金のある政府への資産の移動。日本は金融抑圧に入り、総債務GDP比は低下中。円の下落により、賃金・預金を5年間で世界に対して35%低下させた。2000年を基準として、金の物価比上昇倍率は22倍、年平均リターンは実質13%。
     金を他の投資資産と比較すると、
    金vs株式:金は配当無し、価格変動リスク低い
         株式は収益性あり、景気変動に左右
    金vs債権:債権は利息収入あり、インフレ時に実質利回り低下
         金はインフレに強い、通貨価値下落時のヘッジ資産として機能
    金vs不動産:不動産は収益性・資産価値上昇が期待、流動性低い
          金は流動性高く短期の資産移動に有利
    金投資の方法としては、
    ・現物投資:地金は純度が高く投資向き、保管コスト・盗難のリスク
    ・純金積立投資:小額から定期購入可、現物引出し時に手数料発生
    ・金ETF:証券口座で株式と同様にリアルタイムで取引可
    ・金関連投資信託:小額から定期購入可、証券口座で売買、複数資産に分散
    金はその他資産との相関係数が低く、分散投資に向いている。金投資信託・金ETFであればNISA対象で税金の優遇あり。ビットコインと比較した場合、金は安定性・信頼性が高い現物資産であるのに対し、ビットコインは価格変動が大きく信頼性にも疑問が残る。S&P500と比較した場合、2000年以前はS&P500が金を圧倒していたが、2000年以降は金がS&P500を1.3%上回った。
     まとめとして、金は守りだけでなく攻めにも使える長期資産である。信用通貨の預金はインフレで目減りする。生産に限界がある金は長期的には価値が上がる。預金の価値を減らさないため、金のNISA長期積立を推奨。他の資産と分散投資することで、より安定的且つ合理的な長期資産形成が可能。