SGネクスト
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テーマ
FP必見! 相続対策に役立つ不動産コンサル手法
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日程
2025年6月14日(土)
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時間
15時30分~17時30分
(所要時間:2時間00分) -
活動場所
四谷地域センター 11F 集会室4
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講師
下窪 信一(しもくぼしんいち)氏 /AFP
SGネクストメンバー
相続の町医者として、年間100日「市民による市民のための相続勉強会」を開催。
マンション管理士、家族信託組成サポーター。 -
課目
・相続・事業承継設計
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単位数
2単位
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参加人数
合計15名
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コメント
相続対策の一環として重要なポイントとなる不動産について専門家が解説。
不動産を把握する上で、まずは最低限必要な基本情報をまとめた物件概要書を作成することを推奨。記載内容は、主に以下の通り。
所在地:地番、住居表示(住所)
交通情報:利用交通機関名と徒歩時間
土地情報:地番、地目、公簿面積、権利形態、権利者
建物情報:家屋番号、種類、構造、床面積、築年、権利形態、権利者
都市計画:用途地域、建蔽率、容積率、接道情報、地区計画
価格情報:評価額
備考:疑問点等
その他確認事項として、区域区分(市街化区域・調整区域)、日影規制、上下水道等の埋没管埋設状況などがある。また、法務局で登記情報を確認しておくことも必要だが、公信力は無いので注意。土地の価格は複数あり、固定資産評価額、路線価(相続税評価額)、公示価格、時価(市場価格)が相当。
不動産においては道路が肝であり、道路の種類と幅員の調査は必須。開発道路と思っていても、実際はあぜ道である場合もある。
土地の特性を調べて想像力を働かせることも必要。住宅地と商業地で広さによる価格が異なる(広いから高い訳では無い)。2mの接道義務、土地分割時の最低面積制限、開発道路と位置指定道路、高低差のある土地と擁壁の問題、インフラ整備状況(上下水道の埋没状況)、分割後の土地評価にも注意。
借地権と貸宅地(底地)の問題も重要。借地権は、貸したら戻らないという地主にとって理不尽な弱者救済法とも言われる。コーヒーカップ理論というそれぞれの権利を単独かセットかで売却時の価格に乖離があることも考慮する。
既存建物においては、空家問題の対策と活用も考えなければならない。令和5年度での全国の空家は900万戸(空家率13.8%)。遺産分割の紛糾、築20年以上は建物資産価値0で解体時の費用負担大、更地で固定資産税が6倍になるなどが空家発生の理由。
分譲マンションにおいては、管理の実態が深刻。不法な利益を貪る一部管理会社、利益相反行為を繰り返す一部マンション管理士仲間、理事会での問題先延ばし、建物老朽化・人の高齢化・孤独死、合意形成の失敗で建替えが進まない。これらの問題に対処し解決する上では、法律・経済・建築技術だけでなく、人の感情が大切。