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活動報告
  • テーマ

    看護師FPが伝える、がん患者へのライフプランアドバイス

  • 日程

    2023年4月8日(土)

  • 時間

    15時30分~17時30分
    (所要時間:2時間00分)

  • 活動場所

    四谷地域センター 11F 集会室4

  • 講師

    黒田ちはる(くろだちはる)氏 /CFP、外部講師
     黒田ちはるFP事務所代表、看護師FP
     10年間看護師としてがん患者やその家族のケアに携わる中で、経済的な
     つらさが身体や心に影響を及ぼしていることを目の当たりにし、FPを志す。
     現在、年間180件がん患者・家族専門のオンライン相談(全国対応)、
     医療機関での相談のほか、講演や患者支援分野で活躍できるFPの育成にも
     力を入れている。千葉在住。

  • 課目

    ・ライフ・リタイアメントプランニング

  • 単位数

    2単位

  • 参加人数

    合計16名

  • コメント

    (昨年7月以来、久し振りのリアル会場開催を実施)
     実際にがん患者の家計相談をしている立場からライフプランアドバイスについて具体的に説明。
     がん患者の家計相談でFPに求められるのは、社会保険の知識よりも悩みを引き出す力であり、生活困窮者になる前の自律支援につなげることが大事である。最初のセーフティネットである社会保険制度等の段階で確実に生活設計の立て直しを行うことが重要。
    がんの辛さには身体的苦痛の他に心理的・社会的な苦痛や人生観に関わる悩みも含まれていて、それぞれが関連している。患者の4人に1人が経済的負担を抱えていて、経済毒性がQOL(クオリティ・オブ・ライフ)に悪影響を及ぼすとの報告がある。
     ライフプランアドバイスを行う上で、各種費用(自己負担額、保険診療費以外の費用、治療に関連したその他費用)を確認する。それから、治療中の収入の見通しを立ててしっかりと現状把握してもらう。収入減は大きな問題であり、多くの方が収入減になるが、特に就業者は直結するので、その情報は収入予測で必須事項。退職してからでは遅い情報があり、就業継続可能性、収入減少額、休職期間など収入維持が可能かを予測し社会保険労務士と連携する。併せて、傷病手当金受給手続きも行う。
     家計見直しのポイントとして、ボーナス依存度や貯蓄・負債額を確認する。収入部は、治療中の手取り収入の減少額を確認。支出部は、治療費・変動費・固定費・特別支出に分けて検討、使途不明金は原因検証。削ってはいけないものとして、税金や住宅ローンについては注意。
     がん治療の現場で期待されるFPは、
    ①長期治療による生活破綻の防止として有効であること
    ②医療の知識ではなく、「相談者のつらさ」を知ろうとする姿勢
    ③FPの専門性と医療従事者や社会保険労務士との連携
    困窮しないための患者の自律支援を目的とした相談が大事。