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SG-Nextステージ千葉

活動報告
  • テーマ

    FPに求められるマネー&キャリア教育の現場から ~日本、そして海外のファイナンシャル教育事情~

  • 日程

    2011年6月16日(木)

  • 時間

    18時45分~20時45分
    (所要時間:2時間00分)

  • 活動場所

    I-Linkルーム ルーム2

  • 講師

    八木 陽子 様
    (外部講師/CFP・1級FP技能士・株式会社イー・カンパニー代表取締役) 

    出版社で女性情報誌の編集部勤務をへてマネーライターとして独立。2001年FP資格を取得後は、セミナー・講演等の活動も行う。得意分野は、金融資産運用やライフプラン。
    120を超えるマスコミ発信実績を生かして、「キッズ・マネー・ステーション」主宰。2008年には株式会社イー・カンパニー設立し、複数の女性ファイナンシャルプランナーの提携しながら、消費者視点に立った企画プロデュースを行う。

  • 課目

    ・FP実務と倫理

  • 単位数

    2単位

  • 参加人数

    合計15名

  • コメント

    これからの時代を生きていく子どもたちに必要なのは正しい金銭感覚と自分なりの稼ぐ力を身につけること。
    「キッズマネーステーション」を主催し、オースト
    ラリアの学校教育現場の視察経験もある八木氏にFPとしてマネー&キャリア教育にどう関わってきたかお話しいただきます。


    【研修報告】

    学習ガイド:FP1 パーソナルファイナンス1.-1-(1)、7-(1)、8-(2)に該当
    単  位 :実務2単位
    学習内容 :お金教育の定義 アメリカ・オーストラリアの金銭教育  等


    【研修内容】

    ○マネー教育に取り組むようになった理由

    福岡でFP資格を取得し、FPコンサルティングの仕事に携わっていたとき、自己破産者のコンサルティングも多かった。30代~40代の子どもの借金を老後生活に入っている親が背負うというケースを多数目にして、子どものうちから適切な金銭教育が必要であることを強く感じた。


    ○お金教育の定義

    ・金融広報中央委員会
    日銀の金融広報中央委員会では、マネー教育を「金融教育」として広い意味で定義づけ、その中に、しつけの一環としての金銭教育、経済教育、キャリア教育、消費者教育、法教育、環境教育などを含めている。

    実践校の指定やアドバイザーの認定などの点で、日本では先行する存在である。


    ・日本FP協会
    日本FP協会では、お金教育を「パーソナルファイナンス教育」と呼び、もともと大人向けの教育内容を規定している。それを子ども向けにやさしくする形で、学校での教育を行おうとしている。


    ・その他、日本でのお金教育への取り組み
    全国銀行協会、(財)生命保険文化センター、(社)日本損害保険協会、日本経済教育センター、(財)消費者教育支援センター、東欧証券取引所などが、それぞれ幼児から高校生まで、各年代に応じた教育プログラムを実施している。


    <日本の問題点>
    ・団体に対立意識があり、たとえば名称一つとっても異なっている。それがお金の教育が浸透しない一因だとも考えられる。

    ・各業界団体のお金教育は、自分の業界の仕組みを教えるなど、その業界に関する内容に偏っている。業界にとらわれず広くお金教育ができるとしたら、日本FP協会しかないと思われる。

    ・全体を統括する、マネー教育としての指針がないことが問題である。


    ○海外の事情

    <アメリカ>
    現在の日本と同様、政府機関、教育団体、民間企業、非営利団体等多くの組織が、統一の教育指針が存在しないままパーソナルファイナンス教育に取り組んでいた(日本と同じような状況だった)。

    それが2007年、ジャンプスタート連盟(JCPFL)が「パーソナル教育国民基準」を策定し一つの教育指針をみせたことで、マネー教育の全国基準ができた。


    <オーストラリア>
    オーストラリアはFPが非常に浸透している国。たとえば、引っ越しをしたときの「To Doリスト」に「(住所変更などの手続きのために)FPに会うこと、近くのFPを探すこと」という項目があるくらい。

    八木講師は、オーストラリア大使館が開催したFP向けのファイナンシャル教育の勉強会に参加したことがきっかけで、現地の学校を視察してきた。

    ・視察内容
    視察先のビクトリア州では20年以上ファイナンシャル教育を行っており、2006年に必須化された。
    内容は実社会に即したもの。
    「経済&ファイナンシャルリテラシー(The economic and financial literacy)」と「起業家精神(Enterprise Skills」をミックスしたプログラムである。

    ※詳細は割愛します。


    ○マネー教育に携わるやりがいについて

    子どもたちへの教育、保護者に対する講演などでは、「お金の本質」「お金に対する人の価値観」に触れる機会が多く、非常にやりがいを感じられる。
    これまでお金の教育を受けてこなかった人たちが親となり、子どもたちにお金のことをどう伝えたらいいのか戸惑っている。

    <こんな質問にどう答える?> ~現場でよくある質問~
    ・夫婦でお金の価値観が違う
    ・みんな○○ゲームを持っているから自分もほしい。
    ・友達にプレゼントはあげていいのに、なぜお金はいけないのか。
    ・寄付はいいのに、なぜ友達にお金をあげてはいけないのか。


    ○親子でお金と仕事を学ぶ キッズ・マネー・ステーション

    一般会員600名、FP会員15名
    会員限定メールの配信、会員の交流、コンテンツの閲覧
    イベント・ワークショップの開催

    「お金の教育」とは・・・

    HOP!  物やお金を大切にするために=しつけ、価値観のコミュニケーション

    STEP! 消費者として“お金の知識”=ワークショップ、イベント

    JUMP! 「仕事」や「人生」を考える=収入をどうしていくか

    ワークショップ
    年1回、ワークショップを自主開催している。
    2010年夏のワークショップでは、ゲストの外国人から「お小遣いをもらったことがない」と聞いて、海外と日本の社会の違いを痛感した。海外では各家庭ではなく、社会全体で働いてお金を得ることを教えている。

    家庭でのお金の教え方
    まず、親のお金の価値観を伝え、コミュニケーションをとる。物を大切にする、お金は働いて得られるなど、しつけとして教える。

    お金の知識・スキルの習得のための「おこづかい」

    ・お金の概念を理解し、「買いたい物がある」という年齢になったら始める。

    ・金額が適正かどうかは、金額そのものの大小ではなく、その金額でどこまで子どもに任せるかによって判断するべき。

    ・渡し方には、定額制、報酬制、両者のミックスがあるが、家庭の方針や子どもの性格に合わせて決めればいい。ただし、勉強や成績にひっかけた報酬制はよくない。

    ・おこづかいの管理は、無理におこづかい帳をつけなくても、家計と同様、目的別に分けるだけでも良い。

    例:普段使うお金、人のために使うお金、いざというときのためのお金(貯金)

    お年玉はお金教育を始めるきっかけ

    ※詳細は割愛します。


    仕事や人生を考える=キャリア教育

    親の仕事について、そのやりがいなどを子どもに説明する機会を持つ。

    社会やニュースに興味を持つように子ども時代から習慣づける。


    ○FPとして、子どものお金教育への取り組み方

    直接関わらなくても、ファイナンシャルプランナーとしては知っておくべき“引き出し”の一つである。いま、考えるべきテーマとして、「電子マネー」が課題である。


    以上