SG担当者ログイン

SGアカウント、パスワードをお忘れの方は、各所属支部にお問い合わせください。



千葉支部HOME

SG-Nextステージ千葉

活動報告
  • テーマ

    FP相談で活かすために知っておきたい「介護保険あれこれ」 ~ 介護の実態からケアマネ選びまで ~

  • 日程

    2010年11月25日(木)

  • 時間

    18時45分~20時45分
    (所要時間:2時間00分)

  • 活動場所

    市川市文化会館 第4会議室

  • 講師

    伊藤 榮子  様 
    (外部講師/伊藤社会福祉士事務所代表 社会福祉士、介護福祉士、ケアマネジャー)

    介護保険施行と同時に民間の介護支援事業所で5年弱ケアマネジャーとして勤務したのち、伊藤社会福祉士事務所を開設し独立する。現在は社会福祉士として、成年後見を中心に申し立て支援や受任をしている。また、野田市介護認定審査会審査員でもある。講演も数多く行っている。

  • 課目

    ・ライフ・リタイアメントプランニング

  • 単位数

    2単位

  • 参加人数

    合計17名

  • コメント

    高齢者が増えている今、介護について知ることがFPに求められてれます。今回の定例勉強会はケアマネ経験をもち実際の介護現場を知り尽くしている介護スペシャリストの伊藤榮子氏を招き痴呆が始まったときの経過から終の棲家くまでの一般的なプロセスやケアマネ選びのポイントなど普段聞けないことをお話していただきます。



    【研修報告】
    学習ガイド:FP1 16-1.2.6 19 に該当 
    単  位 :ライフ 2単位
    学習内容 :介護保険制度の概要 介護施設 介護サービスついて 介護とFP  等


    【研修内容~講義録一部抜粋~】

    皆さんお若いので介護保険とは縁のない生活をされていると思います。
    介護保険ってなんなのということがまず第一にあるのですが、みなさん、介護保険についていろいろなところで聞いていたりするので、たぶんイメージとしてはあるのではないかなと思います。
    まず介護保険がなぜできたかというと、高齢化ということがあります。そして核家族化。高齢になった方がなにか障害を負ったときに、誰がどういうふうに看たらその人がちゃんと生活ができるかという問題が一つありました。もう一つは医療保険を使って社会的入院というのが非常に問題になりました。これをどうにかしたいということが根底にあって、介護保険制度ができました。
    これはたぶん二十数年くらい前から厚生省の一部で検討されていたのではないかと思われます。「将来、介護が必要になったときにどのように過ごしますか」というようなアンケートみたいなもの、あるいはお話を私がいちばん最初に聞いたのはもうかれこれ二十年あまり前でした。そのことは「えっなに言っているの?」くらいの感じでしたが、2000年に介護保険が始まりましたが、その5年前くらいからさかんに言われるようになりました。
     皆さんは2000年の介護保険導入前後くらいのことから意識にあるのではないでしょうか。

     では、介護保険はどういう保険なのかということですが65歳以上の方が第1号被保険者、40歳から64歳までの方が第2号被保険者となっています。介護保険ができるときには、本当は40歳ではなくて20歳以上にしようという意見もあったのですが、いろいろなことで40歳以上ということになりました。
     介護保険は65歳以上であれば誰でも、介護が必要であればその必要度に応じて受けられると言うものです。40~64歳の第2号被保険者については、老化に伴う障害のみをこの保険で行うことができます。ですから、交通事故などで障害を負った場合には介護保険は使えません。

    (中略)

     介護保険の仕組みについて。介護保険の保険者は市区町村です。そのほかにサービス事業者がいます。そしてサービスを受ける人がいます。
     どういう関係かというと、これまで介護保険ができる前は「措置」という時代がありました。措置とは、この人は介護が必要だ、施設に行かなくてはいけないという場合には、市町村が「あなたはここに行きなさい」「ヘルパーさんを頼むならあなたは週何回までですよ」とすべて決めてくれていたのです。だから、簡単といえば簡単、使いにくいといえば使いにくい、自分の自由度が非常にかぎられているというものでした。
     介護保険になりましたら、今度は遣う方が好きな事業者を選んで、その人と契約してオサービスを受けるという段階になりました。保険ですから、お医者さんに行って保険証を出して、3割だか1割だかその人によりますが、自費分を払ってというのと、似たような感じです。自己負担金を支払って介護サービスを受ける形になっています。
     そういう手続きや費用がいくらであるということは、市区町村で決めてしまうので、個人的に「これはどうでこうで、高いからやめていこう」というような判断できません。できるとしたら、ここの市は高いから隣の市に行ったほうがやすよという判断はできるかもしれません。
     
    (中略)

    介護保険の利用の仕方としては、1にケアマネ、2にケアマネ。ケアマネさん次第でずいぶん違うのではないかなと私は思っています。
    ケアマネはどんな仕事をするのかについてお話します。ケアマネは、ケアプランを作ってくださいという依頼があったら、お宅にうかがいます。そして色々なことをおうかがいします。聞きたくないことを聞くこともありますし、相手が言いたくないことを聞かせてねということもあるかもしれません。ただ、ケアマネは行政の職員ではないので、お答えになる範囲でしか聞けないという部分もありますが。

    (中略)

    介護保険の利用の仕方というところに書いていますが、「あなたはどのような生活をしたいのですか」ということに尽きると思います。
    まず自分がしたい生活、たとえば「ちょっと具合が悪くなったら心配で心配で1人で住んでいられない。どこか早く病院に行きたいわ。介護施設に入らないとだめよね」という方もいらっしゃるし、「そんなところに行ってお仕着せの生活をさせられるより、自分の家で自分のできる範囲で自立して生活したい」と思っておられる方もいらっしゃいます。そういう人が多いのだろうと思います。そういう意識が大事だと思います。私はこういう生活をしたい。私は車椅子になっても映画を見にいきたいし、コンサートにも行きたいし、お芝居にも行きたい。そういう意志をしっかりと持つ、生活を意識することが大事だと思います。そういう生活を意識してちゃんとしたケアマネさんが付いていれば、そういう生活は実現できると思います。

    (中略)

    前は、一覧表の中に、ケアマネの職種が書いてありました。ヘルパー2級をもっているとか、介護福祉士をもっている、保健師である、看護師であるとか。お医者さんはいませんけど、お医者さんもケアマネになれるんです。歯科医であるとか、薬剤師であるとか。いろんな職種があります。職種によって得意分野があるということはさきほどお話しました。ヘルパー2級をもってケアマネになったとしたら、その人の能力によって一概には言えませんが、できたケアプランはヘルパーさんばかりを入れるようなプランを作る可能性が非常に高い。看護師さんがケアマネだったとしたら、医療ニーズの高い方にはいいだろうといえます。福祉系の方は医療系に疎い。医療系の方はすべて医療でやろうとして福祉を使いにくいというようなことがあります。いちばん公平にやってくれるのはどの職種かというと、保健師と社会保険福祉士がいいといわれています。が、保健師、社会福祉士のケアマネは人数が少ないのでたぶん探すのは難しいと思います。
    ですから、ケアマネの選び方としては、知っている人がいればその人がいい、知り合いにこの人がいいよと言われればその人もいいのかなといえると思います。それから自分のニーズですね。医療ニーズが非常に高い方は看護師さんもいいでしょう。あともう一つ、将来どうしても施設に入りたいのだという方がいれば、施設のケアマネさんもいいかなと私は思います。施設のケアマネだからといって、その施設に入れるとは限らないと施設のケアマネさんはいいます。もちろんそうなんです。でも、どちらかと言うと情報は早いし、そういうニーズがあれば、それも考えたらいいのかなと思います。
    もしケアマネさんが気に入らなければ、交替することはできます。ただ、利用者さんとしては言いにくい部分かもしれませんが、事業所に何人かいれば、違うケアマネさんにしたいんですけどというご相談もいいかもしれません。事業所自体がいやであれば、違う事業所にしてもかまいません。制度上はできます。ただ、やるとすれば、あまりいないかもしれません。

     ここで休憩をいれて、その後質疑応答としたいと思います。

    (質疑応答は省略します)