SG-Nextステージ千葉
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テーマ
ネット生保の今後のビジョンについて
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日程
2009年9月17日(木)
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時間
18時30分~20時30分
(所要時間:2時間00分) -
活動場所
船橋市勤労市民センター
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講師
木村 真輔 様
(SBIアクサ生命保険株式会社 代表取締役) -
課目
・FP実務と倫理
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単位数
2単位
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参加人数
合計27名
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コメント
~講義録(一部分を抜粋)~
1.従来の生命保険事業
・マーケット
従来のマーケットのあり方、規制、お客様を考えますと、適した進化をしていたと思っています。それが大きく環境が変わる中で一部、環境・マーケットに合わないものが出てきている。
レジュメに「従来の営業職員が持つマーケットの和」と書いていますが、たとえば生命保険会社さんの採用試験の時には何人に声を掛けられるかをリストアップしていただいてその多さによって採用をしているケースもある。多くの人は最初に自分がアプローチできるマーケットにアプローチし尽くすと、それ以上アプローチする先がない。なかなか売れない、成績があがらない。そして辞めていく。
マーケットが限定されているので、売り方も様々な商品を当てていくしかない。決まったマーケットなので、少しでも売上を上げようとすると、なるべく高い保険商品がいい。そうすると様々な保障がついて商品を売るでしょうし、いろいろな特約をつけていく。その中で商品がどんどん複雑化することになり、不払いにもつながっていく。商品内容に対する理解が不十分なまま加入する契約者もいた。結局、それは従来のマーケットに合った形での進化であったのです。
・情報提供の不徹底
もう一つ、従来の生命保険事業を語る上で特徴としてあるのは、情報提供が不徹底であったこと。この点で私が思うのは、何が本当にお客さんにとっての親切なのだろうかと。一部不完全な情報があるとしても、それを伝えてあげたほうが親切なのではないかと思うわけです。比較情報なんかもそうです。もちろん定期保険と終身保険を比較するような、あまりにも不親切で不誠実な比較をするのはダメです。
2.環境の変化
・職域営業、地縁営業の困難さ/情報量の増大
この辺の環境の変化があって、職域営業・地縁営業が難しくなってきている。セキュリティの関係で職域に入れない。あとは情報量が増大している。マス媒体での記事・番組で、保険をネガティブにとらえられるケースも結構多く、いろいろな記事が書かれる、番組がある。その中でインターネットでの情報収集――アンケートをとると、営業職員チャネルで入っているお客さんも含めて過半の人が、インターネットでなんらかの情報収集をしている。こういう時代になっています。ある意味恐ろしい時代。お客さんのほうがどんどん賢くなってきている。
・商品の多様化
そうした中で自分で保険を選ぶ層が出現している。これは、昔と比べると全然違うことが起きている。
・自分で保険を選ぶ層の出現
そうすると、実は8割のお客さんが保険を比較してから入っている。しかも平均3社、比較している。ネット生保に関してはまだまだマーケットの1割とはいかないのですが、通販で加入する人は1割を超える程度になってきています。そういった層は、既に3社の保険会社を自分で調べて、自分はこの保険会社にしよう、この商品にしようと選んでいる。
・未加入者の増加
生命保険というと営業職員の人が津々浦々回ってみんな入っていて、どちらかというと掛けすぎというイメージでとらえられていて、実際そんな傾向があったと思うのですが、ところがここ数年は未加入者が増えている。特に若年。
生命保険は市場が飽和しているとされていますが、そういったことだけではとらえられない局面を迎えつつあるのかなと思います。
・口コミの変化
生命保険文化センターなんかのアンケートをみていますと、チャネルとして根強いのが、親・知人から紹介された保険に入るという人。ネットなどのニューチャネル系は増えていますが、もう一つ、親・知人から情報を仕入れて入るという人は減っていない。どちらかというと増えている傾向にある。ただ、その中身が変わってきている。親・知人は非常に強い口コミの力をもっていると思いますが、それと同時にネット上での口コミというのも広がってきている。
3.ネット生保の戦略
(1) 基本認識
それらを踏まえてネット生保の戦略。基本認識。これはネット生保に限らず、世の中すべてに共通するのではないかと思いますが、ネット革命の本質は顧客へのパワーシフトであると思っています。
(2) 商品
もう一つはネットの説明力というものを考えなくてはいけない。対面でできることはネットでもできるようになると思うんです。
(3) サービス
ネット生保としてのサービス戦略ですね。いかに漏れをなくすかという視点が大事だと思っています。
(4)マーケティング
我々はテレビコマーシャルもやりますし、ネット広告、新聞、雑誌いろいろやりますけど、感じるのは社名を知ってもらうだけでは全然足りないということです。これは当然で、保険会社の名前を知ったから入ろうという商品ではありません。もともと面倒くさいのでなるべく考えたくない、できるだけほうっておきたいというのがベースにある商品なわけです。