SGネクスト:活動報告
日時 2025年02月08日(土) 17時40分~19時40分(所要時間:02時間00分)
開催場所 四谷地域センター 11F 集会室4
テーマ FPの新常識 ChatGPT活用による業務効率化
講師 水野 和夫(みずのかずお)氏 /CFP
 SGネクストメンバー
 賃貸不動産経営管理士、マンション管理士、宅地建物取引士、
 古家再生投資プランナー
課目名と
申請予定単位数
課目名
・FP実務と倫理
単位数:2単位
参加人数 合計15名
コメント  ChatGPTの仕組みや利用上の注意事項を説明した上で、FP業務にも役立つ実践的な活用ノウハウを紹介。
 ChatGPTは、OpenAI社によって開発された高度な対話型AI。基本的な機能は、テキストベースでの様々なコンテンツ生成を行う。連携拡張機能により、他のツールと連携して、最新情報の検索・図表の作成・プレゼン資料の作成・画像生成なども可能。無料版は基本機能のみで性能的に劣るが高速、有料版/GPT-4はやや遅いが推論精度が高い。
 ChatGPTの仕組みに関しては、学習段階と生成段階に分かれる。学習段階においては、データセットを処理回路に送って繰り返し学習させる動作をビッグデータセット全体で行う。生成段階では、プロンプトを入力し学習済みの処理回路内で生成した回答を出力させる。ChatGPTの得手な内容は迅速な情報収集・文章の作成と編集・データ分析の支援、不得手な内容は最新情報の提供・感情の理解と共感・倫理的判断や法的助言。FP業務でのAI活用領域は対面業務以外は基本的にAI活用可能、優秀な部下を一人持ったも同然。生成AI利用のメリットは、作業効率の向上(時短)・アイデアの創出、コンテンツの補完・言語の自然さと一貫性などが期待できること。
 AI利用上の注意事項としては、個人情報保護と著作権侵害の防止が考えられる。AIと著作権に関して文化庁の指針では、人間中心の原則から責任は人に帰属するという考え方で、他の著作物同様、類似性と依拠性の有無、著作権法上の著作物に該当するか否かで判断。AI利用者は著作権侵害防止のため、権利制限規定に該当するか、既存の著作物と類似性のあるものを生成していないか(ある場合は全く異なるよう大幅に手を加えた上で利用)に注意が必要。類似性チェックツールがあるので、特にネット公開時や商用利用する場合は必ずチェックする。
 FP業務用プレゼン資料素案作成の具体例を基にAI活用ノウハウを説明。まず、プロンプト(指示文)の指定が重要。プロンプト入力の基本形は、①性格や役割を設定②具体的なテーマ・タイトルを指示③ターゲット層を指示④作業指示⑤条件指示。生成結果に対し、プロンプトを微調整・情報追加して再試行。チャットベースで校正や編集して更に改善。スライド生成は、Presentation and Slides GPTを利用。最新情報は、WEB PILOTを利用(情報源/検索元も得られる)。図表は、Diagrams を利用。画像は、Edge/Microsoft (Image Creator from Designer)を利用。
 AIを利用することで、時間と労力を要する情報収集・整理・分析・資料作成の大幅時短を可能にし、業務効率を大幅に向上させる余地がある。また、差別化にもつながる。但し、生成されたコンテンツを鵜呑みにしない、複数の情報源でクロスチェックを行うことが重要。著作権に対する取扱いにも十分に注意。今後、AI技術の急速な進化により、更に高度なサポートが期待される。 

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