SGネクスト:活動報告
日時 2024年10月12日(土) 15時30分~17時30分(所要時間:02時間00分)
開催場所 四谷地域センター 11F 集会室2
テーマ 実践、投資信託20年
講師 高橋 智之(たかはしともゆき)氏 /CFP
 SGネクストメンバー
 元証券会社ファンドマネージャー
課目名と
申請予定単位数
課目名
・金融資産運用設計
単位数:2単位
参加人数 合計18名
コメント  株式市場と投資信託の歴史を振り返り、元ファンドマネージャーが投資信託を運用する戦略や手法について解説。
 江戸時代に米の市場が始まり、明治時代に東京・大阪に株式取引所が開設して株式市場が正式にスタートした。戦争特需での活況後、戦後恐慌・震災恐慌・金融恐慌・世界恐慌・昭和恐慌など度重なる暴落が続くが、昭和の戦前までは基本的に戦争特需を中心とした状況。1941年に野村證券が日本初の投資信託業務の認可を受け、投資信託が発足。戦後、東証・大証が再開して株式市場の民主化が始まり、朝鮮戦争特需による日本経済の好景気が株式市場の急速な大衆化を促進した。1951年に証券投資信託法が制定され、制度として確立した形で投資信託が本格的にスタート。高度成長期には投資信託ブームにより企業の資金調達や個人の貯蓄形態が大きく変化した。東京オリンピック後の証券不況で、株価暴落、企業倒産が増加。1980年に国債を中心とした安全性の高い貯蓄型運用商品の中期国債ファンドが誕生。1987年のブラックマンデーで株価が一時下がったが、その後も株価は上昇し、1989年に日経平均株価38,915円の最高値をつけてバブル経済のピークを迎えた。その後バブルが崩壊し、株価が暴落、1997年に週替わりの悪夢と言われる証券会社(三洋、拓銀、山一)の相次ぐ倒産が起こった。1994年から投資信託の制度改革が行われ、運用に関する規制の緩和が図られた。2001年に㈱東京証券取引所が設立され、ETF/J-REIT市場が創設。2008年のリーマンショックで日経平均株価は4割下落。2012年に第2次安倍政権によるアベノミクス発動。2014年 NISA開始、2017年 iDeCo加入者拡充。今年2024年には34年振りに日経平均株価42,426円/TOPIX 2,946ptの史上最高値を更新した。
 証券会社各社は戦略ファンドの名称で特定のテーマによる分散投資を行い、投資家資金を運用している。運用方法としては、マルチスタイル運用という異なる3つの投資スタイル(バリュー、グロース、小型)を組み合わせて、株式市場の幅広い投資機会を捉えることを目指す。資産配分は環境等の定性的判断とリスク等の定量的判断を考慮して適宜決定する。バリュー投資は株価の割安性に着目し、PBR/PER/配当利回り等のバリエーション指数で計測される。グロース投資は利益等の成長性に着目し、将来的に高い増益率/ROE等が期待される銘柄を選定。小型ブレンド投資は幅広い銘柄への投資、もしくはバリュー・グロース2つの投資スタイルを銘柄毎に使い分ける。それぞれの投資スタイル毎にチーム編成がなされていて、個別に独自の活動を行っている。株価は、EPS(一株利益/業績)×PER(期待)で表される。バリュー投資(割安株)は期待の変化に注目し、グロース投資(成長株)は利益の成長に注目する。小型株は企業のライフステージを想定して利益の源泉に注目し、幼年期から成熟期にかけては成長性を示す定性分析を重視し、老年期からリストラ期にかけては割安性を示す定量分析を重視する。また、株価の局面毎にバリュー投資・グロース投資の切り分けを行うことも必要である。
 

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