SGネクスト:活動報告
日時 2024年09月14日(土) 15時30分~17時30分(所要時間:02時間00分)
開催場所 四谷地域センター 11F 集会室4
テーマ 子供のためだけを考えた相続対策は本当に幸せですか?
講師 下窪 信一(しもくぼしんいち)氏 /AFP
 SGネクストメンバー
 相続の町医者として、年間100日「市民による市民のための相続勉強会」を開催。
課目名と
申請予定単位数
課目名
・相続・事業承継設計
単位数:2単位
参加人数 合計14名
コメント  相続の町医者として活動している立場から、相続対策のあり方について解説。
 相続コンサルタントの活動で気付いたことは、高齢の親が認知機能の低下に
より蚊帳の外に置かれて子供の利益を優先している状況。最高裁まで審議された不動産の相続税問題でも家族や業者等の関係者に利用されていた実体がある。それらを鑑みると、子供のためではない生前対策が重要と考える。
 現在の均分相続は、戦後マッカーサーによって家制度に基づく長男家督相続を廃止して作られた。それにより、相続対策として分割対策・納税対策・節税対策の三種の神器が行われるようになった。
しかし、これは相続人予定の子供の利益のためのものである。相続は「争続」が当たり前で、自宅・預貯金・年金など無理に子供に財産を残す必要があるのか。障害のある子供がいる場合や事業承継等一部例外を除いては。教育資金贈与のやり過ぎで老後資金が枯渇、実家を子供達の共有登記にして管理不全になるなどの問題も発生している。
 大前提として、自分達が築いた財産は自分達が使い切るのが基本。特殊詐欺の横行は高齢者がお金を使わないのが大きな原因。銀行の予約代理人制度の活用、リバースモーゲージの活用、ハウスリースバックの活用、銀行の残価設定型住宅ローンの活用、自宅を売却して賃貸住宅に移動(地方移住含む)などを有効に利用することも考えられる。但し、それぞれリスクもあるので十分な検討が必要。また、認知症対策として後見制度・家族信託による財産管理の検討も必要。無理に子供に財産を残す必要は無く、幸齢者(高齢者)はやりたいことをやり我慢しないで老後を楽しむことが大切。
 その他に、争続予防と親の生前対策として、不仲の高齢兄弟の自宅不動産問題でその子供達の世代が上手く対処した事例の紹介があった。 

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