SGネクスト:活動報告 |
日時 |
2024年06月08日(土) 15時30分~17時30分(所要時間:02時間00分) |
開催場所 |
四谷地域センター 11F 調理工作室 |
テーマ |
FPからみた為替・物価動向と海外旅行・生活の考察 |
講師 |
鎌倉 正行(かまくらまさゆき)氏 /AFP
SGネクストメンバー |
課目名と 申請予定単位数 |
課目名
・ライフ・リタイアメントプランニング 単位数:2単位 |
参加人数 |
合計14名 |
コメント |
各国の経済動向、安全情報、物価、為替水準などについて、自称・海外旅行アドバイザーの立場から海外生活体験に基づいて解説。
為替は、2か国間の金利差・物価・貿易活動・金融取引・地政学的諸問題・政治的リスク等により変動する。世界の外国為替市場は一日の取引額が約1千兆円規模であり、日本市場の取引額は60兆円/日程度で、2日で年間国家予算に匹敵する規模。日米の為替は単純に金利差(2年・10年国債)で決まる訳では無く、現実は複雑な要因が影響し合っている。ドル円の推移を見ると、円はプラザ合意直後の水準まで下落しており、日経平均株価が最高値更新も企業の競争力は大きく低下している(1位→35位)。
世界の中の日本を海外と比較すると、GDP4位、人口10位、平均給与22位、物価187位、成長率125位、購買力平価37位であるが、安全度は1位(東京)。物価に関しては、ここ数十年でG7各国が2倍以上に上がっているにもかかわらず、日本はほぼ横ばいの状態が続いている。実質GDPの上昇も主要各国に比べ緩やかで、実質経済成長率も低迷している。名目・実質賃金の推移も横ばい。
各国の金融緩和がコロナ終息と共に終わって物価・金利が上昇。それに伴い、世界的な円安で相対的な物価・賃金下落や資源高による貿易赤字化。また、金融緩和是正の遅れ、健全な金利上昇を望まない政府の政策、製造業の空洞化などにより経済が疲弊。欧米や近隣アジアからの訪日客が増えているにもかかわらず、受け入れ態勢が人手不足で観光収入は微増、観光形態も爆買いから体験型へ変化。日本から海外への出国者は円安や現地の物価上昇により経済的に苦しく、海外居住者は更に実質所得も低下。
海外での支払方法として、現金・カード利用は国や地域ごとに異なるので注意。カードについては、クレジット・デビット・ATM用の複数種持つことが必要。海外旅行保険は補償額・補償範囲・適用条件に注意、クレジットカードに付帯しているものもある。長期滞在の場合は別途損害保険会社の保険に入ること、カード付帯は保証期間が2~3ヶ月以内が限度のため。デジタル・ノマドというIT技術を活用して遊牧民のように旅をしながら仕事をする人達もいる。コロナ過を経て観光業界も色々と変化した。航空会社・旅行業界のリストラ、宿泊施設の撤退・倒産、離散スタッフ不足、業界資本構造の変化、DXによる効率化、物価上昇・ドル安の影響、訪日客の増加など。 |