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2021年4月号(1)
税制・相続・贈与
CFP®認定者 藤浪 尚代

住宅購入時に知っておきたい!2021年度税制改正

 多くの方にとって住宅購入は一生に何度もない高額な買い物。その一大事に知っておきたいのが毎年行われる税制改正の内容です。2021年度の住宅関連の税制改正は、コロナ禍で厳しさを増す住宅需要を喚起するため、住宅取得にメリットが出る措置を講じています。それぞれの改正のポイントをお伝えしていきます。

住宅ローン減税

 返済期間10年以上の住宅ローンを組んでマイホームを取得又はリフォームする場合に、年末のローン残高に応じた額を所得税額(所得税から控除しきれない場合、翌年度の住民税から控除)から控除できる制度です。
 原則として控除期間は10年ですが、消費税率10%が適用される場合は特例措置として期間が13年になります。控除額は10年目までは従来どおり「年末ローン残高の1%」、11~13年目は「年末ローン残高の1%」または「建物購入価格×2%÷3年」のいずれか低い額が控除されます。
※一般住宅の場合は4,000万円、認定住宅の場合は5,000万円が限度。
 当初は入居期限が2020年12月末までだったこの特例措置は、新型コロナウイルス感染症の影響で入居が遅れることを考慮し、2021年12月末まで1年間延長されました。

 2021年度の税制改正においては、一定期間内に契約した場合、入居期限が2022年12月末まで1年間延長され、床面積(登記簿面積)の要件が「50m2以上」から「40m2以上」に緩和されました。ただし、「40m2以上50m2未満」の物件については、合計所得金額1,000万円以下の方が対象です。

控除期間13年の特例を受けるための契約・入居期限・面積要件の緩和

  契約期限 入居期限 床面積(登記簿面積)の要件
従来の特例措置   2020年
12月末
合計所得3,000万円以下
50m2以上
新型コロナ租税特別措置法 注文住宅
2020年9月末
2021年
12月末
分譲住宅等
2020年11月末
2021年度税制改正改正 注文住宅
2020年10月~2021年9月末
2022年
12月末
合計所得1,000万円以下
40m2以上
合計所得1,000万円超
3,000万円以下
50m2以上
分譲住宅等
2020年12月~2021年11月末

 ちなみに、住宅ローン減税は、低金利が続く中で1%を下回る金利でローンを組めば利息よりも多くの控除が受けられるため、控除額を「年末の住宅ローン残高の1%」か「その年に支払った利息の総額」のいずれか低い額にするという検討がされています。来年以降の税制改正で追加される可能性がありますので、改正内容の動向には注視しましょう。

すまい給付金

 消費税率引上げによる住宅取得者の負担を緩和するために、現金を給付する制度です。住宅ローン減税は、課税所得が低く納める所得税・住民税が少ないと、その減税効果が小さくなります。一方、すまい給付金は、一定の要件があるものの、課税所得が低いほど多くの現金が給付(最大50万円)され、住宅ローンを利用しない50歳以上の現金一括購入者も対象となります。
 また、すまい給付金も住宅ローン減税と同様に、一定期間内(住宅ローン減税と同様の契約期間)に契約した場合、給付金の対象となる住宅の引渡し期限の延長(2022年12月末まで)及び床面積(登記簿面積)の要件が40m2以上と条件が緩和されています。
 給付額は、住宅取得者の課税所得(都道府県民税の所得割額)及び不動産登記上の持分割合によって決まりますので、国土交通省の「すまい給付金シミュレーション」で給付額を確認しましょう。
国土交通省「すまい給付金事務局ホームページ」

住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置

 直系尊属(両親や祖父母等)から20歳以上かつ贈与年の合計所得金額が2,000万円以下の子や孫に住宅を新築・取得・増改築のための金銭を贈与する場合、一定金額まで贈与税が非課税になる制度です。贈与契約の締結時点、新築等の建物にかかる消費税率、住宅の種類によって非課税となる贈与金額が変わります。
 この制度の非課税枠は2021年4月以降に縮小される予定でしたが、今回の改正で2021年12月末まで据え置かれることになりました。
 なお、住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置も、受贈者が贈与を受けた年分の合計所得金額が1,000万円以下である場合、床面積(登記簿面積)要件が40m2以上と緩和されます。

受贈者ごとの非課税限度額

住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日 2021年1月~3月 2021年4月~12月
省エネ等住宅 消費税率10% 1,500万円 改正後1,500万円
(改正前1,200万円)
上記以外 1,000万円 改正後1,000万円
(改正前800万円)
上記以外の住宅 消費税率10% 1,000万円 改正後1,000万円
(改正前700万円)
上記以外 500万円 改正後500万円
(改正前300万円)

※省エネ等住宅とは、省エネ、耐震、バリアフリー等の性能が高い住宅のこと

住宅購入前にはライフプランの作成を

 ここまで説明してきたとおり、今年度の税制改正は床面積(登記簿面積)が40m2台のマンション購入を考えている方にとってメリットがあります。
 とはいえ、期限があるからと焦って購入を決めることは避けましょう。住宅購入は自分や家族の人生を左右する大事な選択であり、高額な買い物です。しっかりとライフプランを立て、無理のない範囲で住宅ローンを組み、十分に納得できる物件を選ぶことが重要です。
 金融中央広報委員会が運営するウェブサイト「知るぽると」では、資金計画や住宅ローンのシミュレーションができます。様々なツールを活用するところから、住宅購入を検討してみてはいかがでしょうか。
金融中央広報委員会「知るぽると」

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