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2021年3月号(1)
その他
CFP®認定者 遠藤 功二

子どもへのお金の教え方がわからない方へ

 テスト勉強は学校や塾で教えてもらえるけど、子どもにお金のことを教える方法がわからない、と悩まれる保護者の方は少なくありません。生きていくうえで必要なお金については、できるだけ早く子ども教えていきたいものです。そこで、このコラムでは「金融経済教育」と呼ばれる、子どもへのお金の教育を始めるための準備と、年齢に応じたお金の教育方法をお伝えいたします。

「金融リテラシー・マップ」は道しるべ

 ご家庭でお金の教育を始めるにあたっては「金融リテラシー・マップ」を参考にしながら準備し、スタートしてみるのがおすすめです。
 金融リテラシー・マップとは、金融庁が有識者、関係省庁、関係団体(日本FP協会を含む)がメンバーとなって創設した金融経済教育研究会で「最低限身に付けるべき金融リテラシー」として定義されたものを体系化した一覧で、小学生から高齢者までが具体的に何を学べば良いのかが書いてあります。
 例えば、「友だち同士でお金の貸し借りをしてはいけない」、「必要なものと欲しいものを分けて考える」といった大人でもうっかり忘れてしまっていることが記載されています。金融リテラシー・マップを片手に、親子でお金のことを学んでいけば、お子さんもご自身もお金との付き合い方が身に付くでしょう。

金融広報中央委員会「金融リテラシー・マップ」

年齢に応じて視野を広げていく

 金融リテラシー・マップでは、小学生の頃に自分のお金の管理ができるようになり、中学生になったら家計に視野を広げ、高校生なったら将来の仕事について考えることを子どもたちに求めています。

  • 小学生

     小学生の時に家庭でやるべきことは、お小遣いルールの作成です。
     お小遣いは、お手伝いごとにお金を渡す「報酬制」と1週間単位や1カ月単位で決まった金額を渡す「定額制」があります。報酬制のメリットは、働いてお金をもらう経験ができること、定額制のメリットは計画的にお金を管理する力が身に付くことです。どちらもお金の大切さを理解できるという点は共通しています。
     また、お小遣いが貯まってきたらお金を使う練習もしましょう。買い物の中で、必要なものと欲しいものを区別することは将来の浪費抑制に繋がります。親が買ってあげていたものの中から子どもが自分で買うものを少しずつ増やしていき、お金を使う機会を積極的に作ってあげましょう。

  • 中学生

     中学生になると、家計の状況や親の仕事の内容について十分理解ができるようになってきます。将来社会人としてお金を稼ぎ、生活するためには収支管理の力が必要ですので、家計の状況を伝えると共に、金融・経済の仕組みを教えていきましょう。
     例えば、事故や病気のような緊急事態に備える「保険」や、家を買うために「住宅ローン」があること、お金を増やすための「投資」という手段はリスクも負うことなど、具体例をもって伝えられると理解が進むはずです。

  • 高校生

     高校生になったら、自分の養育費がどれだけかかっているのかを知り、就職を視野にいれた進路についてしっかりと考える機会が必要です。
     大学や専門学校等、高校卒業後の進路の費用を親が出すか奨学金を借りるかは、家庭によってそれぞれです。いずれの場合も、高額な学費を準備するために家計がどうなるのか、奨学金は借りたら返す必要があること、そして進学する目的を親子で話し合う時間は早いうちから取りたいものです。

親子でお金のことを学んでいく

 子どもたちが自立してお金と正しく付き合える力を身に付けるためには、小学生の内からお金の教育をスタートすることが大切です。家庭で子どもに金融経済教育をすることは、改めてお金の価値や役割、扱い方についてじっくり考える機会になるので、親としても発見が多いことと思います。
 悩んだ時は「金融リテラシー・マップ」を見返して軌道修正をしながら、お金との付き合い方を親子で身につけていきましょう。

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