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2020年10月号(2)
ライフプラン
CFP®認定者 平田 純子

離婚とお金の関係

 夫婦として生きていく長い年月の中では、様々なことが原因となり、離婚という形で別々の人生を歩んでいくという選択・決断も特別なことではありません。生活していくために必要不可欠なお金の問題は、離婚という事態にも最重要課題となってきます。今回は、離婚ならではのお金の代表的な課題についてお話します。

年金分割

 離婚した場合、2人の婚姻期間中の厚生年金の保険料納付記録を分割してそれぞれ自分の年金とすることができ、分割方法は「合意分割」と「3号分割」があります。
 合意分割は、夫婦がそれぞれ厚生年金被保険者で諸条件を満たした場合、婚姻期間中(全期間)に納付した厚生年金記録を分割できます。当事者双方の合意や裁判手続きにより年金分割の割合を定めていることが条件です。
 一方3号分割とは、条件に該当した場合、国民年金の第3号被保険者であった人からの請求により、相手方の厚生年金の保険料納付記録(2008年4月以降の第3号被保険者であった期間分)を2分の1ずつ当事者間で分割できる制度です。国民年金の第3号被保険者とは、厚生年金の被保険者や共済組合の組合員の被扶養者で20歳以上60歳未満の人をいいます。
 なお、請求期限はいずれの年金分割も離婚した翌日から2年以内となります。

住宅ローン

 婚姻期間中にマイホームを取得し、住宅ローン返済中の離婚となると問題はとても複雑です。
 特に、ペアローンを組んで不動産を夫婦共有名義としていたり、名義は単独でも、他方の配偶者が住宅ローンの連帯保証人や連帯債務者となっているケースです。
 離婚後、いずれか一方が該当物件に住み続ける場合、以降のローンの支払いはどちらが行うのか、ローン完済後の名義はどうするのかなど様々なことについて取り決めや合意、合意内容の公正証書化が欠かせません。仮に双方が合意したとしても、ローンの連帯保証人を外すことについて金融機関から承諾を得ることが困難な場合もあります。
 また、物件を売却する場合も、物件の査定価格がローンの残債を下回る場合は売却後もローンの返済が残ってしまったり、そもそも売却が困難となってしまうこともあります。

養育費

 離婚する夫婦に未成年の子がいる場合、その子の親権を夫か妻のどちらかに決める必要があります。親権を持つ側は、持たない側に対して子を育てていくために要する費用を請求することができ、この費用を「養育費」と言います。養育費は、「生活費が苦しいから」という理由で支払いの義務を免れるというものではありません。離婚の際に相手と取り決めをしておくのが一般的ですが、離婚後に支払いを請求することも可能です。
 養育費としてもらえる金額は、親権を持つ側と持たない側の収入、子の人数、年齢に応じて標準的な金額を算出した「養育費算定表」を用いて決めるケースが多いようです。そして、養育費がもらえる期間は原則として請求した時点から子が20歳になるまでです。

まとめ

 離婚時の代表的なお金の課題を挙げましたが、これら以外にも婚姻費用や慰謝料など、整理・解決すべき課題がたくさんあります。さらに、心理状況から冷静な話し合いが難しいケースが考えられることやお互いの将来のために早期解決が望まれることも踏まえると、第三者且つ専門家である弁護士などに間に立ってもらって話し合いを進めていくことが望ましいでしょう。
 そして、何より優先して考えなくてはならないことは、離婚後の双方や子の生活であり、それぞれの人生です。離婚時のお金の課題解決は、離婚後のライフプラン(ライフイベントや資金計画)を立てたうえで行うことが必須であると考えます。

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