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2020年3月号(1)
保険
CFP®認定者 平田 純子

住宅ローンを組むときは保険についても考えよう ~団体信用生命保険と生命保険(逓減定期保険、収入保障保険)~

 団体信用生命保険(以下、「団信」)とは、住宅ローン契約者が万が一死亡・高度障害状態になった時に残りの住宅ローン返済を肩代わりしてくれる住宅ローン専用の生命保険です。この団信、近年は疾病に対する保障追加の選択肢もあるなど保険としての安心度は増しているものの、この「安心」に対するコストの見極めが大切で、民間保険会社の生命保険商品との比較検討が欠かせません。

住宅ローンに団信加入は必須?!

 銀行系住宅ローンは、基本的に団信の加入が借り入れ条件として設定されていて、その保険料は月々の返済額に含まれています。言い換えれば、健康状態が理由で団信に加入できない場合は、ローン審査の通過が困難なケースが多くなります。一方、フラット35の場合は団信加入は任意となり、加入を希望する場合は別途保険料(金利の上乗せ)の負担が発生します。

病気で住宅ローン返済がなくなる?!

 死亡・高度障害状態で住宅ローンの肩代わりが基本保障の団信ですが、特約として三大疾病や八大疾病に対する保障を任意で追加できるパターンが現在主流です。大きな疾病の罹患時は、支出増と収入減という家計へのダメージも大きくなることが想定されますので、そのような時の住宅ローン負担軽減は大きな安心と言えます。しかし、この安心の追加には通常、別途特約保険料が必要なこと、また、疾病保障該当の条件である「所定の状態」には各金融機関の商品に違いがある点には注意が必要です。

団信と併せて検討したい保険商品

 団信加入が任意のフラット35で、団信と比較検討したい保険商品が「逓減定期保険」と「収入保障保険」です。いずれの保険商品も契約時からの時間経過に伴いトータル保障額(保険金の額)が徐々に減少しますが、これは必要保障額や住宅ローン残債額は時間の経過と共に減少していくという、理にかなった効率的で低コストな掛け捨ての生命保険です。特に収入保障保険は、万が一の事態の時に必要な月額を保険金として契約時に設定しますので非常にわかりやすい商品です。この収入保障保険に就業不能時の保障も付いたタイプも各社種類を増やしています。さらに、健康状態が原因で団信に加入できないケースにおいても、民間保険には「引受基準緩和型」という保険料の上乗せや、契約条件があるものの生命保険への加入が可能となる選択肢があります。

団信と生命保険は家計と密接な関係

 住宅ローン契約と切っても切り離せない団信ですが、その保障内容とトータルコストを念入りに吟味することが必須で、民間保険商品との比較検討が必要不可欠です。基本的に、団信はローン契約後の解約ができませんが、民間の生命保険は保障の必要度に応じていつでも解約できる点や、契約時の年齢や健康状態によって割安な保険料設定がある点も家計においてはメリットと言えます。一方、住宅ローン契約とともに団信に加入した際は保険の既契約を忘れずに見直しましょう。保障がダブった状態で二重に保険料を払い続けることほど家計にとって無駄なことはないと考えます。

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