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2020年1月号(1)
税制・相続・贈与
CFP®認定者 柏木 真一

会社勤めの方でも気を付けたい!確定申告について

 今年も確定申告のシーズンがやってきました。確定申告とは、1年間(1月1日〜12月31日)の所得にかかる税金を計算し税金を支払う手続きのことで、2019年分は2020年2月17日(月)から3月16日(月)までに税務署に申告、納税することになります。ここでは会社にお勤めの方の場合を中心に、改めて確定申告が必要となる方や気を付けたいことについてお伝えいたします。

確定申告が必要な人

 会社にお勤めの方は勤務先で年末調整を行っており原則は確定申告が不要ですが、複数箇所から給与を受けている場合や控除等を受ける際には確定申告が必要となるケースがあります。対象となるケースの一部をまとめていますので、ご自身に当てはまる項目がないかご確認ください。
・給与所得が2,000万円を超える場合
・2箇所以上から給与を受けている場合
・副業で20万円以上の所得がある場合
・医療費控除を受ける場合(医療費が年間10万円を超える場合など)
・住宅ローン控除を受ける場合(1年目のみ)
・寄付金控除を受ける場合(2,000円以上の寄付を行った場合など)
・ふるさと納税を6箇所以上の自治体に行っている場合など
・雑損控除を受ける場合(災害での損害や盗難による損害があった場合)

確定申告の方法

 国税庁HPの「確定申告書等作成コーナー」から申告するのが便利ですが、初めての場合はわかりにくいかもしれません。そんな時は管轄の税務署に電話するか訪問して作成方法を聞きながら記入するのが良いでしょう。面倒な方は費用がかかりますが、税理士にお願いすることもできます。いずれにしても、添付書類は自分で用意する必要があるので何が必要かよく確認し、漏れが無いようにしましょう。また、確定申告の提出方法として以下の方法があります。
・税務署に書類を持参し、提出する方法
・税務署に書類を郵送する方法
・e-Taxというパソコンやスマホで作成したデータを送る方法
 確定申告期間は税務署が混み合うことが予想されますので、相談等については申告期間前に行うことをお勧めします。

国税庁HP「確定申告書等作成コーナー/e-Tax(国税電子申告・納税システム)」

確定申告を行わなかったらどうなるのか

 控除関連の申告の場合、本来受けられたはずの控除が受けられなくなり、税金の還付が受けられなくなります。また、申告すべきものを申告しなかった場合には、追徴金や延滞税、悪質な場合には重加算税が課せられます。

こんな場合も忘れずに申告

1.医療費が10万円以上見込まれる場合

 医療費控除は確定申告時に必要な「医療費控除明細書」に健康保険組合などから送られてくる「医療費通知(医療費のお知らせ)」や医療費通知に記載されない医療費の領収書、通院の為の交通費(原則として公共交通機関の利用)及び薬局で買った市販薬のレシートを添付して申告します。また、市販薬購入額が12,000円以上の場合、セルフメディケーション税制を利用できる場合もあります(医療費控除との併用不可)。ただし、保険金などで補てんされる金額があればその分を除きます。セルフメディケーション税制については、以下のコラムにて解説しておりますのでご参考に。

病院にかからない人も医療費控除の対象に~セルフメディケーション税制(2019年12月号(2))

2.住宅ローンを借りた場合
 2019年中に住宅ローンを借りた場合、確定申告をしないと住宅ローン控除が受けられません。最初の年だけ確定申告すれば、2年目以降は勤務先の年末調整で手続きが済むので確定申告不要となります。

3.給与以外の所得があった場合
 懸賞金、保険を解約した際の返戻金(解約返戻金)や満期保険金、競馬等公営競技の払戻金などで一時所得が20万円以上あった場合、確定申告が必要です。フリマアプリなどでの販売利益が20万円以上あった場合、販売したものによっては対象となる場合がありますので、些細な金額であっても収入となったものはきちんと把握することが必要です。

必ず確認しましょう

 会社に任せているから確定申告は自分に関係ないと思いがちですが、思いがけないところで対象となる場合があります。手続きしないと戻ってこない還付金もあるので忘れず確認するようにしましょう。また、定年等で退職した後は、会社で行っていた年末調整がなくなるため、今まで確定申告が不要だった方も必要となるケースがあります。今のうちに、今後どのような収入が見込まれるのか、医療費控除や生命保険料控除等の所得控除など使える制度について漏れが無いよう確認しておきましょう。なお、過去5年分まで申告できますので、心あたりがないか、さかのぼって確認することも忘れずに。

国税庁HP「令和元年分 確定申告特集」

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