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2019年5月号(2)
ライフプラン
CFP®認定者 中島 智美

産休・育休中にもらえるお金

「子どもを産みたいけど、どれぐらいお金がかかるのかわからなくて心配」という声をよく耳にします。
 妊娠中から出産時、子育てなど、予想のできないものには漠然とした不安を感じてしまいますよね。今回は出産に伴い受け取ることができるお金について、それぞれ解説していきます。

まずは社会保険の確認を

 出産する人が加入している社会保険によって、受け取れる給付が変わってきます。以下の3つのうち、ご自身がどれに該当するか、確認しましょう。
(1)勤務先の健康保険、厚生年金に加入している
(2)配偶者の健康保険の扶養に入っている
(3)自営業者、その他で国民健康保険に加入している

(1)勤務先の健康保険、厚生年金に加入している場合
対象となるのは以下の3種類です。
・出産手当金(健康保険)
 いわゆる「産休」、産前6週間、産後8週間に出産手当金を受け取ることができます。給付額は出産前の賃金の約2/3が目安で、出産予定日を基準にその前後、仕事に就けない場合に申請すると、数か月後に一括で支給されます。
 出産予定日は産前に含まれ、出産予定日より前に生まれた場合は産前の期間が6週間より短くなり、予定日より遅く生まれた場合は、産前の期間が長くなります。

・出産育児一時金(健康保険)
 一児あたり42万円を受け取ることができます。ただし、産科医療費補償制度に未加入の医療機関で出産した場合は40万4,000円ですので、あらかじめ確認しておきましょう。
 この金額は一児あたりなので、双子であれば2倍になります。加入している健康保険によっては、独自の上乗せ制度もあります。

・育児休業給付(雇用保険)
 1歳に満たない子どもを養育する男女労働者は、申し出により、子どもが1歳になる(条件を満たせば最高2歳)まで休業を申請することができます。
 こちらは取得できる人の範囲が決まっていて、1年以上雇用されていることや、引き続き雇用されることが決まっているなど、取得するには要件があります。
 支給額は育児休業の開始から6か月間は休業前の賃金の67%、6か月経過後は50%相当額です。育児休業給付の制度は少し複雑ですので、詳細を知りたい時はハローワークで相談できます。

(2)配偶者の健康保険に扶養に入っている人、(3)自営業者、その他で国民健康保険に加入している人の場合は基本的には、出産育児一時金のみになります。

産前産後休業、育児休業期間中は社会保険料が免除になり、給付金は非課税のため、所得税、住民税の負担も減ります。手取り額で言えば手当以上の効果がありますので、安心して出産を迎えられると思います。

母子手帳は検診費用の補助になることも

 妊娠がわかったらすぐに役所に行き、母子手帳を交付してもらうことをおすすめします。
 通常の妊娠、出産の場合は健康保険の適用ができず、検診なども自己負担となりますが、母子手帳の交付時に、無料の検診チケットなどがもらえたり、自治体独自の制度などの案内を受けられたりすることもあるので、それらも早めに確認してみてください。

給付金の使い道は様々

 家族が増えることで様々なお金がかかるかと思います。まとまって入った給付金は、実際に使ったお金のカバーや、貯金などいろいろな使い道がありますが、余裕があれば自己投資を検討してもよいかもしれません。

 以前、育児休業中のお母さん向けに3級FP技能検定の試験対策講座で講師を務めたことがありました。絨毯敷きの広めの会場で、赤ちゃんと一緒に参加する講義です。
 育児休業まで含めると1年ほど時間があります。もちろん赤ちゃんを育てながらですので時間のやりくりは大変かもしれませんが、「仕事が始まれば、育児と家事と仕事で絶対勉強の時間は取れない。だから今しかない」と参加していたお母さんたちは真剣そのもの。そして素晴らしい集中力で全員が合格しました。
 この貴重な時間とお金を有効に活用することで、将来何倍にもなって回収できるかもしれません。かくいう私も、子どもが生まれてすぐにFP資格の勉強を開始し、資格を取得しましたが、今ではその時の投資を十分に回収できました。

 子育て中の方を助ける制度はぜひ活用して、ご自身やお子さん、ご家族の将来の資産となる使い方を考えてみるのはいかがでしょうか。

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