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2018年3月号(2)
保険
CFP®認定者 竹内 美紀

地震保険の上乗せ制度について

 東日本大震災が起きてから、7年が過ぎようとしています。
 気象庁でも、南海トラフ地震の可能性について定期的に発表をする、などを受けて地震に備える意識がご相談者の中でも高まってきました。
 気象庁HP:http://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/nteq/index.html

 地震によって失われた住宅や家財、その準備や補償について考えてみるとともに、今回は特に「地震保険の上乗せ制度」について、確認したいとと思います。

目的について整理する

 万が一、地震による災害が起きた時に、どの程度の補償を確保したいのか考えていきます。まず、目的について整理しましょう。
「生活をしていくための資金を確保したいのか」
「住居が損壊した時に、建て直せる資金も用意しておきたいのか」
目的に合わせた補償を検討します。

地震保険

 地震保険は「生活の安定に寄与することを目的」としており、補償対象は「火災保険の保険金額の30%~50%の範囲内」ということになりますので、もし住居を建て直すような被害にあったとしても、新たな住居を建てるほどの保険金は補償されていない、ということになります。
 つまり「地震保険だけでは、新しい家を建て直すことはできない」ということです。
 では、新しい家を建てられるくらいの補償を確保したい場合は、どのように準備をすればいいでしょうか。

地震保険の上乗せ制度

1.特約の付加
 既存の地震保険の契約に別途、上乗せする補償を民間会社が提供しています。
 火災保険に特約として付加することで、地震保険で足らない部分を補完することができます。
 例えば、「地震火災費用保険金支払い割合変更特約(支払割合50%)」を付加することにより、地震による火災については、地震保険と合わせて100%補償することが可能となります。
 ただし、上記特約を付加する場合は、あくまでも地震による半焼以上の「火災」が対象となります。
 「地震危険等上乗せ特約」の場合は、地震による火災、津波、倒壊なども対象になります。

2.単独契約
 少額短期保険において、特約ではなく単独で契約できる補償もあります。被害の認定基準などが厳しい場合(一部損は対象外など)もあるので注意は必要です。地震による火災のみでなく、地震による津波や倒壊も補償対象となります。

3.保険料について
 例えば、「地震火災費用保険金支払い割合変更特約(支払割合50%)」を付加する形で上乗せ制度を利用した場合と比較してみます。
 (家財保険、地震保険については、表記しません)

 事例)埼玉県 一戸建て(H構造)保険金額1,570万円 の場合(年払い)
 A社: 5,670円 ⇒ 特約付加  19,690円 (+14,020円)
 B社:13,710円 ⇒ 特約付加  28,430円 (+14,720円)
 C社:16,050円 ⇒ 特約付加  33,750円 (+17,700円)

 各社2倍以上の保険料となります。地震による火災、津波や倒壊も補償される場合は、さらに割高な保険料となります。
 単独で契約できる補償については、同条件の場合33,000円程度の保険料となります。
(事例につきましては、ある一定の条件による算出値となります。)

まとめ

 万が一の場合に備え、地震保険では足らない補償を用意しておくことも必要だと判断された場合は、地震による火災が心配な場合は特約で付加、津波や損壊も懸念される場合は単独契約、など必要に応じて選択していきましょう。
 保険料は倍額になってしまいますが、災害時に住宅が建て直せるという安心を確保したい場合は、検討の価値があります。
 いずれにせよ、当然、保険料の負担が大きくなりますので、それにより「万が一以外」の将来の準備に支障がないように、家計とライフプランを見据えながら、検討していきましょう。

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