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2017年4月号(1)
ライフプラン
CFP®認定者 辻 章嗣

ライフプラン作成の勧め

 私が、ファイナンシャル・プランナー(FP)と言う資格に巡り合ったのは、20年程前になります。当時、私は、航空自衛隊に勤務していました。自衛官は、53~56歳で定年を迎えるため、退職に備えて資格を取ることを勧められます。そこで、私が選んだのがFPでした。
 戦闘機パイロットであった私は、それまで保険の仕組や資産運用などに一切興味はありませんでした。その私が、FP資格を取得して真先に取り組んだことが、自分自身のライフプラン作りでした。その結果、生命保険を団体保険中心に組替えて保険料を節約し、住宅ローンを繰上げ返済することにより、家計に大きな経済効果を生み出しました。私は、この実体験から、ライフプラン作りが多くの皆様の役に立つものと確信し、退職後はFPとして仕事をすることを決心しました。
 今回は、一人でも多くの方々にライフプラン作りを身近に感じていただけるよう、ライフプラン作りの効用について解説します。

1.ライフプラン作成の4ステップ

 ライフプラン作りとは、個人や家族の夢を実現し、不安を軽減するために将来の計画することです。私の場合は、次の4つのステップを踏んで作成します。
(1)家族の夢を描く
 ライフプラン作成は、結婚、出産、進学、マイホーム、セカンドライフなど家族の夢を年表に描くことから始めます。そして、それらのイベントに必要な費用を大まかに把握します。
(2)家計の収支を見積る
 次に、家計の収支状況を把握し、将来の収支変化を年単位で見積ります。その結果を基に預貯金の増減を分析して、夢の実現に無理は無いのか、必要な資金が準備できるのかを分析します。
(3)資産と負債の把握
 一方で、現時点やマイホーム購入時、退職時など、人生の節目における家計の資産と負債の状況を整理し、資産の配分状況や負債の削減方法などを考えます。
(4)保険の加入と見直し
 最後に、家計の収支見積りや保有資産の状況を基に、万が一に備えるための保険の加入や見直しについて考えます。

2.ライフプラン作成のタイミングやメリット

(1)結婚出産を控えて
 結婚と出産は、ライフプラン作成の好機です。なぜならば、結婚や出産は、人生の転機であり、世帯主にとって、配偶者や子供に対する責任が生じるからです。したがって、この機会にライフプランを作成することにより、結婚や出産のタイミングを計ることができ、配偶者の働き方などを考えることができます。そして、世帯主の責任を果たすため、過不足のない適切な生命保険などを選ぶことができます。
 また、何よりもライフプラン作成を通じて、夫婦間で将来の夢を考え、家計について共通の目標を持つことができます。
(2)住宅ローンの借入れ前に
 私は、住宅ローンを借りる前にライフプランの作成をお勧めしています。何故ならば、借入時点で返済に無理がないのか確認することはもちろんですが、それ以上に、お子様の大学進学時や世帯主の退職後にその住宅ローン返済が家計に大きな負担にならないのかを検討することが必要だからです。
 また、既にローンを組まれている方もライフプランを作成することにより、借入金利の変動に応じた負担の確認や、繰上げ返済の可否や節約効果も確認することができます。
(3)セカンドライフに備えて
 退職後のセカンドライフに不安を持たれている方も少なくないと思います。この不安を軽減するためにもライフプラン作りは役に立ちます。退職後の働き方、公的年金の見込年金額などを基に老後の家計の収支を見積もることにより、退職金などの資産がどのように変化するのか、また、旅行などの余裕資金が確保できるのかを分析することができます。
 なお、セカンドライフのためのプランは、退職の10年前には作られることをお勧めします。何故ならば、退職までの準備期間を確保し、資産形成などの対策を講じることができるからです。

3.ライフプラン作成の勧め

 ライフプラン作成を通じて、家族でそれぞれの夢を話し合い、家計の推移を見積り、その夢の実現のために準備し、対策を講じることにより、夢を叶えることができます。また、万が一に備えるために、過不足の無い適切な生命保険などを選ぶことができ、不安を軽減するとともに家計の節約を図ることもできます。
 このように、ライフプランの目的と効用は、皆様の夢を叶え不安を軽減することです。これまでライフプラン作成のセオリーを伝えてきましたが、近年は人それぞれのライフプランも多様化してきています。自身で作成することが難しい場合は、専門家であるFPにも相談するなどして、この機会にライフプランを作ってみませんか。

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