バックナンバー

2013年2月号
資産運用
ファイナンシャル・プランナー 渡邊 英利

投資の発想を変える「積み立て投資」

資産運用の相談を承っていると、よく聞く言葉があります。「5年前に買った投資信託が値下がりし、もう動かせなくて困っています」「ドルが120円の時に買ったので、その水準まで戻ってくれたらいいのに・・・」。

一度大きく値下がりしてしまった金融商品。評価損を見るとため息が出てしまうけど、何とか戻ってくれればと諦めきれない。そんな気持ちになっている方は多いと思います。
このコラムでは、投資の方法を変える新しい視点をご紹介します。

1.積み立て投資という考え方

多くの方は、まとまった資金を貯めてから資産運用を始める、いわゆる一括投資を行っています。一括投資で資産運用を始めると、値上がりしたら利益が出て、値下がりしたら損失になる、このどちらかになります。

一方で、積み立て投資という方法をご紹介します。積み立て投資とは、例えば毎月5万円など一定金額を積み立てるように、投資信託等の金融商品を購入していく方法です。こうすることで、毎月購入した分だけ口数が増えます。しかも、値上がりしている時は少ない口数を購入し、値下がりしている時は多く口数を購入できます。ちなみに口数とは投資信託の取引単位のことです。

ところで投資の成果は、どのように考えるのでしょうか。そうですね。投資の鉄則、それは「安く買って、高く売る」です。ですが、投資の成果となる評価額を分解してみると、このようになっております。

評価額 = 口数(くちすう) × 価格
※株式の場合は、口数を株数と置き換えてください。

一括投資の場合、購入した時点で口数が決まり、分配金を再投資しない限りその後口数の変動はありません。

積み立て投資の場合、値下がりしている時に購入できる口数が増えるので、運用環境が悪い時は値上がりを待つ間、口数をコツコツ増やすことができます。大きく値下がりしている時は、買える口数がさらに増えます。このようにして口数を貯めこんでおくと、少し値上がりしただけでも評価益がプラスになることもあります。

これが、積み立て投資の魅力の一部です。

2.積み立て投資も万能ではない

じつはこの考え方、斬新なものではありません。「ドルコスト平均法」という言葉で資産運用の世界では長く語られてきた、投資に関する方法です。

自分で資産運用をして退職金をつくっていく確定拠出年金(401k)は、この積み立て投資の方法を長期にわたって実行できる仕組みですので、自助努力で老後資金を備えるためにはぴったりの仕組みです。

積み立て投資は、値動きの大きな変動というリスクを抑え、ストレスなく投資を続けることができるメリットの大きい投資方法です。ですが、必ず利益が出る方法、というわけではない点も理解しないといけません。

リスクを抑える運用になりますので、大きな利益を出すことは難しいかもしれませんが安定感が出ることでしょう。つまり、運用成果のブレが少なくなります。

資産運用はあくまでも夢をかなえるための手段。大切な資産を大きく減らしてしまうようなリスクを避け、着実に育てるためにはどのようにしていくのがいいか、色々な考え方を知っていきましょう。

さらに過去のFPコラムをカテゴリ別で見る

上へ