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2012年8月号
資産運用
ファイナンシャル・プランナー 渡邊 英利

「貯蓄型の保険」はライフプランに合わせて

長引く低金利、年金の不安、国内外の証券市場の混乱で、思ったように運用成果が上がらない……このような背景のもと、将来の備えとして「貯蓄型の保険」を検討する方が多くなっているようです。

1.「貯蓄型の保険」はどのようなもの?

「貯蓄型の保険」といっても、そういう商品があるわけではありません。満期が来たら満期保険金が支払われる養老保険、お子様の進学に合わせて給付金を受け取れる学資保険、満期が来たら、年金形式で支払われる個人年金保険と呼ばれるもの、あるいは、一定期間保険料を支払った後に解約すると、支払った保険料の合計額よりも多く解約返戻金を受け取れるタイプのものなど、さまざまな種類があります。

もうすでに子育てが終わった世代のみなさんは、このようなタイプの保険で、安全にお金を増やした経験があると思います。今でもこのような「貯蓄型の保険」は、お金を増やすために有効でしょうか。

2.どんな人が向いている?

将来に向けてコツコツとお金を貯めていきたいという気持ちは、みなさん同じでしょう。ですが、積立てをコツコツとできる人と、あまり得意でない人がいます。また、預金にコツコツ積み立てていても、いざという時に引き出してしまうときもあります。

そういう場合には、「貯蓄型の保険」という形で積み立てると、強制的に積み立てができ、すぐに引き出してしまうこともなくなります。

また、株式や投資信託などの価格が変動する金融商品はどうも肌が合わない、という方にとっても、預金に置いておくよりはまだ良いという考えのもとで、利用することもできます。

3.注意したい点は?

(1)早期の解約は避けましょう

通常「貯蓄型の保険」は早期に解約をすると、お金が増えるどころか解約返戻金が支払い保険料を大きく下回ってしまい、いわゆる元本割れの状態になります。

小さなお子様をお持ちのご家庭、またはこれからお子様を予定しているご家庭では、今は保険料の支払いに余裕があるとしても、お子様の進学や住宅取得に伴って住宅ローンの返済が始まることで、将来の保険料の支払いが厳しくなることがあります。

また女性の場合は、未婚の時は保険料の支払いができたとしても、結婚や出産などを機に退職し収入がなくなるなど、ライフプランの変化によって、将来の保険料の支払いが厳しくなることがあります。

(2)続けられる金額で

また、保険料の支払いが厳しくなることで早期の解約をしてしまうのは避けるべきですが、では「厳しくなったら支払金額を減らせばいい」というわけにはいきません。保険料の支払いの途中で、保険料を気軽に変更することはできません。
ですので、今は支払えるからといって多めの金額で契約する前に、今後のライフプランを見据えたうえで、無理なく続けられる金額で始めましょう。

(3)何のためか、目的を確認しよう

ここまで見てきたように、積み立て定期預金や、投資信託等で行う積立て投資と異なり、「貯蓄型の保険」は途中で解約等をするとペナルティやデメリットがあるため、息の長い取組みになります。取り組む商品にもよりますが、短くても10年以上を考えて取り組んだ方がよいでしょう。そして、子供の進学資金のためなのか、老後の生活資金のためなのか、目的を明確にしておきましょう。

金融商品に、どの人にもぴったり合う、万能なものはありません。ご自身のライフプランや性格にあったものを見つけて、十分に活用していきましょう。

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