「地元工務店として“家”のお役に立ちたい」の思いがCFP®資格への後押しに

実家の工務店を継ぐために

「あなたにはまだ早いようですから、次はぜひ社長に来ていただきたい」
金さんが工務店向けの住宅販売ソフトの説明会に臨んだ際、住宅ローンの解説の後、担当者にそう言われた。
「住宅ローンならAFPで勉強したし、説明会にも対応できるのではと思っていました。しかし結果は惨憺たるもの(笑)」
実家の工務店を継ぐために帰郷し、AFP資格を取得した直後のことだ。
「僕がFPなのでいろいろ準備をしてくれていた主催者も、不機嫌そうでした」
父である経験豊かな社長ではなくFPの“若旦那”が打席に立ったものの、あえなく打ち取られてしまったのである。
「悔しかった。でも、それは漠然とした知識しか身についていないから。キャッシュフロー表を見ても受験時に勉強した知識が有機的につながりませんでした」
この悔しさが、CFP®試験への挑戦を決意させる。
「名古屋の教育機関で実務経験豊富な講師に出会い、FP業をより身近に感じることができたのがよかったですね」
しかし最初に受けた1課目は不合格だった。俄然、ファイトを燃やした金さん。
「緊張感が持続しなかったことが不合格につながったので、受験に没頭できるよう3課目の受験に切り替えました」
あえて自分自身を追い込む作戦だ。
「講師の話やCFP®試験の受験経験者などの情報を合わせると1課目にかける勉強はおおまかに100時間が基準」
受験までの半年間に3課目で合計300時間、月にして50時間、週に12.5時間の学習が目標になった。

「毎週日曜日は3時間授業を2コマ受講し6時間、自習室で2時間、通学で往復1時間、合計9時間の勉強ができる。残り3.5時間を6日間でこなせばいいので1日30分プラスアルファ(笑)、昼休みの半分を学習に充てました」
徹底したプランニング。
「過去問題集3回分と学校の模試を3回ずつ解きましたが、結果をエクセルに入力し比較したことが参考になりましたね。どういう問題をよく間違えるかがわかるので、間違いやすい問題を徹底的に勉強する一方、何度やっても解けない問題はパスする潔さも身につけました」
難解な問題に時間をかけるのではなく、コンスタントに8割の正解を目指す。少ない時間で効率的に学ぶための戦術だった。これが奏功し、3課目に合格。
「実は宅地建物取引主任者とマンション管理士の資格を持っており不動産は専門分野、相続も得意でしたから、残る3課目は苦手な『金融資産運用設計』に的を絞って勉強に集中しました」
プランどおり次の試験にも合格しCFP®認定者となった金さん。かつて社長の代わりが務まらなかった痛みが、金さんのFPとしての能力を大きく花開かせた。
「工務店は施主に家を引き渡した後も、メンテナンスやリフォームなどで長いお付き合いを続けます。そうした相談だけでなく住宅ローンや租税公課、売却などあらゆるご要望にお応えしたいですね」

地元の工務店として、地元の方の「家」を守る。地元の方々が長く安心して住める「家」のためにこそFPが必要、金さんはそう考えている。

金 弘碩 さん(岐阜県)
【FPジャーナル2011年3月号掲載】

合格スケジュール

2007年 11月 AFP資格認定
2008年 11月 「リスクと保険」「タックスプランニング」
「ライフプランニング・リタイアメントプランニング」合格
2009年 6月 「金融資産運用設計」「不動産運用設計」「相続・事業承継設計」合格
2010年 2月 CFP®資格認定
上へ