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2018年1月号(1)
税制・相続・贈与
CFP®認定者 森田 和子

二次相続について

 3年前の2015年に相続税が改正されたことをきっかけに、相続への関心が高まりました。以前は「5,000万円+法定相続人の数×1,000万円」までの相続財産が非課税でしたが、2015年からは「3,000万円+法定相続人の数×600万円」に引き下げられ、相続人が妻と子供2人の家族であれば、非課税枠が8,000万円から4,800万円まで減っています。相続対策を含めて終活をする方が増えていますが、家族が将来にわたって良好な関係を保つためにも二次相続に注意する必要があります。今回は二次相続について詳しくみていきましょう。

相続税は二次相続で問題になる

 二次相続とは、家族の中で二番目におきる相続のことです。夫婦と子供の家族であれば、夫婦どちらかが亡くなった場合が一次相続、その後、残された配偶者が亡くなった場合が二次相続です。二次相続の特徴は「配偶者がいないこと」と「親がいないこと」です。

 相続では配偶者を優遇する制度があります。「妻は1億6,000万円までなら税金はかからない」と聞いたことがあるのではないでしょうか。夫が遺した財産を妻が相続する場合だけでなく、妻が遺した財産を夫が相続する場合でも1億6,000万円までが非課税になります(配偶者の税額軽減)。また、自宅や事業用の土地を実際の資産価値よりも低い評価額で相続税の計算ができる制度(小規模宅地の特例)なども使えるため、配偶者がいる相続では相続税の負担が軽減される場合が多くなっています。

 しかし、二次相続では配偶者がいないため、「配偶者の税額軽減」を使うことはできません。また、自宅の土地等を相続する場合の「小規模宅地の特例」を子供が使うには、同居でも申告期限以降も住み続けること等の条件があります。同居していない子供が使う場合の条件はさらに厳しく、相続以前の3年間にマイホームに住んでいないこと、自宅の土地を相続し、申告期限まで相続することなどの条件をクリアする必要があります。

 二次相続では、配偶者の税額軽減が使えず、相続人の数が減っているために非課税枠も少なくなります。二次相続になって初めて相続税の問題に直面する可能性もあるのです。

相続が争族になってしまうことも

 相続トラブルでよくあるのは「財産の分け方に納得がいかない」というものですが、一次相続ではあまり聞かれません。遺産の多くを親が相続する場合も多いことや、親が主導権を握って遺産の分け方を決めることに子供が同意するからだと考えられます。
 しかし、二次相続では親がいないため、兄弟姉妹のみで遺産分割をすることになります。平等に分割できない、平等では納得がいかない、遺言があってもその内容に不満を持つなど、いわゆる骨肉の争いになってしまうケースもあります。

 トラブルを避けるためには一次相続の時から二次相続を考慮しておく必要があります。一次相続で子供が相続する割合を変えることによって、一次相続・二次相続で負担する相続税の総額を軽減できる場合もあります。遺言を作成することや、生前から家族で話し合うことも有効です。
 相続は税金や法律が関わって難しいところもあるので、相続に詳しいFPや税理士、弁護士などの専門家に相談することも検討してみましょう。

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