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2017年10月号(1)
ライフプラン
CFP®認定者 伊藤 魅和

終の棲家を考える

 元気な時には、なかなか自分の最期のことを考えられないと思います。考えたくもないというのが本音でしょう。しかし、いつか必ず最期の時がやってきます。自分が最期を迎える場所は人任せではなく、自分でしっかりと選ぶためにも、元気なうちにぜひ考えてほしいと思います。最近は、子どもに迷惑をかけたくないという思いから、終の棲家は施設にしようと考える方も多くなっています。そこで、今回は「どこで最期を迎えるか」という観点から施設にフォーカスを当ててみたいと思います。

終の棲家になり得るか

 老人施設には、有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅(サ高住)、特別養護老人ホーム(特養)、認知症高齢者グループホームなど様々な施設があります。特養を除き、終の棲家になり得るポイントは、「特定施設入居者生活介護」に指定された施設かどうかです。指定されていない施設は、介護が必要になった時に住み替えが必要となり、再度入居一時金等がかかることもありますので注意が必要です。

「入りたい」と「入(はい)れる」は違う

 施設に「入りたい」けれど「入れない」ことがあります。その理由は大きく分けて二つあります。一つ目は身体の状況、二つ目が資金です(入居待ちは除く)。身体の状況とは、特養のように要介護3以上にならないと入居ができない施設や、逆に要支援、要介護になった場合退居しなければならない施設があるため、自分が「入りたい」と思っても、実際に「入れる」施設かどうかは異なるからです。
 もう一つが資金面です。有料老人ホームの中には、数千万円から億単位といった入居一時金が必要な施設があります。そうした一時金の有無・月額費用・介護費用が含まれているか、有料サービスの範囲などにより、かかる資金は大きく異なってきますので、「入りたい」けれど「入れない」施設が出てきます。身体状況・資金面の両方で「入れる」施設が見つかりましたら、自分の足で見学に行き、施設の周辺や中の設備、スタッフの対応などを見に行くといいでしょう。また、可能ならば入所体験をして、食事が口に合うか、入居者の様子はどうかなどを見学するといいでしょう。

いつ入居するか

 元気なうちに介護付の施設に入居をすれば、住み替えの心配はなく安心です。しかし、入居した施設に介護度が重い方ばかりが入居していたら、楽しい老後生活が送れるでしょうか。レクリエーションを開催したり、趣味のサークルを作ったり、施設により様々な工夫を凝らしています。楽しい老後を過ごすためにも、自分がどのタイミングで施設に入居するのがいいかを考えましょう。

終の棲家を考える

 定年を迎える年齢でも、まだまだ元気な方がほとんどです。さあこれから自由な時間を楽しもう、という時ですが、元気なうちにぜひ高齢者施設の見学に行っていただきたいと思います。「百聞は一見に如かず」ということわざがありますが、施設は自分の目で見てみることがとても重要です。快適な老後を過ごすためにも見学は欠かせません。介護が必要になる前に、自分がどこで最期を迎えたいのか真剣に考えていただきたいと思います。

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