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2017年1月号(1)
ライフプラン
CFP®認定者 梅田 雅美

「老後の生活資金の準備方法」について

 老後の生活資金をどうやって準備するのか?漠然としたままでは準備の方法がわからず時間ばかり経ってしまいます。老後資金は早めの準備が効果的ですから次のような手順で進めていきましょう。
 ①目標額を決める
 ②貯蓄可能な期間を決める
 ③商品を決める

1.目標額を決める

 先ず、老後の生活に必要な金額がいくらなのか目標を立てなければいけません。日本人の平均寿命は女性が87.05歳、男性が80.79歳となっています(2015年度厚生労働省簡易生命表)65歳でリタイアした場合は女性で22年、男性で15年あります。この期間で得られる収入から支出を引いてマイナスになった部分が生活資金として必要な金額=準備する目標額となります。

 リタイア後の収入は、一般的に公的年金が主になりますので自分の年金がいくらなのかを知っておくとよいでしょう。日本年金機構のねんきんネットが便利です。
日本年金機構のねんきんネット

 総務省家計調査年報のデータ(H27年度)によると、65歳以上の高齢夫婦無職世帯の実収支平均は以下のようになります。

実収入平均 21万4,700円(うち18万3,749円が公的年金等)
実支出平均 27万5,906円 
      △6万1,206円

◆リタイア後の生活期間を20年間と仮定
 △6万1,206円/月×240か月=約1,470万円の不足
 これは健康で一般的な生活を送る場合の不足分です。

◆ゆとりある生活を選ぶと不足額はさらに膨張
 △13万4,300円/月×240か月=約3,220万円の不足

 もし海外旅行や趣味を充実させるといったゆとりある老後生活を希望する場合は、毎月の支出が34万9,000円という結果になっており(生命保険文化センターH28年度)、月に13万4,300円が不足という計算になります。

 このように、一般的な生活を送るのか、ゆとりある生活を送るのかによって老後に必要な資金は1,000万円以上の差がでてきます。リタイア目前になってからでは準備が間に合わないということもあります。老後はまだまだ先。という方もライフスタイルによって目標額が大きく違うということを意識して早めに準備することをお勧めします。

2.貯蓄可能な期間を決める

 目標額が決まったら次にリタイアするまでの貯蓄可能な期間を考えます。現在30歳で、目標額が1,470万のケースで考えましょう。
 60歳が定年の場合は貯蓄可能期間が30年間です。利息等は考慮しないで計算すると毎月4万800円の積み立てで目標額に到達します。計算した結果、毎月の貯蓄額が支出の予算を上回ってしまう場合は、働く期間を延ばして必要な貯蓄額を減らす、あるいは老後の暮らし方を見直すことも必要です。また、運用商品によっても貯蓄額の調整が可能です。
 リタイアまでの準備期間が短い方は、老後生活の具体的なイメージを考えてライフプランの見直しをしましょう。年数は少なくても貯蓄や運用商品を利用することは可能です。

3.商品を決める

 老後の資金を準備する商品ですが、働いて税金を払っている方は所得控除を活用してiDeCo(イデコ)/個人型確定拠出年金や、「個人年金保険」「終身保険」などの保険商品の利用が合理的です。
 投資商品で運用を考える方は非課税枠を使ってNISAなどから始めても良いでしょう。また、単利よりも複利の商品を選びお金に働いてもらう仕組みを作ることもポイントです。複利は利息に対して利息がつくので、長い時間運用するほど雪だるまのように利息が増えていきます。
 例として、元本100万円を年利3%で30年間運用した場合
単利で190万円。複利で242万7,300円になります。複利を選ぶだけで52万7,300円のプラスがでるのです。

 このようにお金に働いてもらう仕組みを活用すると、毎月の貯蓄額を押さえて目標額を達成することも可能となります。ただし、投資商品を選ぶ場合はリスクも伴いますので内容を理解して適正な金額の投資をすることが大切です。

まとめ

 老後の資金準備は、早めに始めて時間を上手に使うことが成功の秘訣です。是非、ライフプランを立てて目標額を達成してください。

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