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2016年12月号(2)
ライフプラン
CFP®認定者 黒澤 佳子

子供のマネー教育、お金の価値をどう伝える?

 日本ではこれまで、子供にお金の話をすることをタブー視する傾向がありました。一家団欒の場でお金の話ができるご家庭がどれだけあるでしょうか。子供から「お父さんのお給料はいくら?」「うちにはいくら貯蓄があるの?」そう尋ねられて答えられるでしょうか。一方で、お金に関するトラブルは、大人だけでなく子供にもあるのが実状です。お金の価値を正しく理解していれば、未然に防ぐことができるかもしれません。そこで今回、子供にお金の価値を伝えるにはどうしたらよいか、を考えました。

1.大人と子供の金銭価値の違い

 ある日コンビニで、1万円を払い9千円のお釣りをもらう私の横で、お釣りを数える店員さんをじっと見て、息子(当時4歳)が「お母さん、やったね!お金が増えたね!」といいました。お金の価値は、この年齢の子供には正確に把握できません。お札1枚よりお札9枚の方がたくさんのお金に見えるのです。祖父からのお年玉も、1万円札でなく500円玉を10枚もらって大喜びでした。

2.お小遣いはいくらが適切?

 お小遣いをいくらあげるか、金融広報中央委員会「子供のくらしとお金に関する調査(第3回)」(2015年度)によると、小学1・2年生では平均1,004円(中央値500円)、小学生3・4年では平均864円(中央値500円)、小学生5・6年生では平均1,085円(中央値1,000円)、中学生では平均2,536円(中央値2,000円)、高校生では平均5,114円(中央値5,000円)です。(いずれも月に1回の場合)
 私の場合は、息子が小4になった時にお小遣い制にして、月初めに1,000円をあげました。するとその日の夕方、息子は嬉しそうにマンガ本を2冊抱えて帰ってきました。そして翌日から「お小遣いちょうだい」「今月はもうあげたでしょ」を約1か月間繰り返しました。
 お小遣いとは何でしょう?「自由に使える自分のお金」ですが、「自由」の中には責任があり、計画性が必要なのです。また、1,000円を何に使うか、欲しいもの(ウォンツ)を買ってしまったら、必要なもの(ニーズ)が買えなくなるので、

 必要なもの(ニーズ)>欲しいもの(ウォンツ)

を考えて、使う計画を立てなければいけません。

3.労働の対価としてのお金の価値

 お金はどうしたら手に入るのでしょうか?大人なら「働く」と答えられますが、もらうことに慣れている子供は、働いてお金を稼ぐということがピンときません。
 今欲しいゲームが4,000円だとします。1,000円のお小遣いを4ヶ月貯めれば買えますが、それでは売り切れてしまうかもしれません。子供の金銭感覚を養うためにも「お駄賃制」は有効です。
 その時、お手伝い1回あたりのお駄賃をいくらにするか、は慎重に決めなければなりません。お風呂掃除1回100円は高いですか?安いですか?毎日お手伝いをすると月3,000円。そうなると小学生には少し高いかもしれません。1回30円なら毎日頑張って900円。お小遣いと合わせると、2ヶ月ちょっと頑張れば欲しいゲームが手に入ります。
 うちは1回10円にしています。少ないと思われるかもしれませんが、これくらいになると、家族のために毎日頑張って働く親の大変さが少しわかるかもしれません。

4.まとめ

 子供に対するマネー教育は、学校で取り組むべきか、家庭で取り組むべきか、判断は難しいところですが、「連携しながら取り組む」のがベストではないでしょうか。日本FP協会や金融庁が中心となり、金融経済教育(パーソナルファイナンス)を学校教育に取り入れようと推進しています。その中で、年齢層別に最低限身に付けるべき金融リテラシーが定義されており、小学生に必要な知識・スキルの一つに「仕事をすることでお金が得られることを知っている」とあります。一人で買い物ができるようになるころには、子供は立派な消費者です。労働の対価としてのお金の価値がわかると、頑張って貯めたお金は大事に使うようになるでしょう。
 子供の性格によるところもあるので、子供のマネー教育は何が一番正しいとはいえません。しかし私が買い物を頼んだとき、レシート通りにお釣りを返す娘はそのお釣りからお駄賃がもらえ、あえてレシートはもらわずお釣りをごまかそうとする息子はしっかりとお釣りを返納させられるのです。正直に生きれば何かいいことがある、ということも同時に伝えたいですね。

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