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2016年8月号(1)
住宅・不動産
CFP®認定者 蟹山 淳子

住宅ローンの借り換えはライフプランに合わせて考えよう

 2016年2月にマイナス金利が導入されて以来、住宅ローン金利の低下が一段と進み、借り換えについて相談にいらっしゃる方が増えています。せっかく借り換えるのだから、できるだけ良いプランを選びたいものです。そこで、借り換えのポイントをまとめてみました。

どのような人が借り換えを検討した方が良いのか

 一般に、次の3つの条件に当てはまる人は、借り換えによって総返済額を減らすことできるといわれています。

 ・住宅ローンの残高が1,000万円以上ある
 ・借り換え後の金利が1%以上低くなる
 ・残存期間が10年以上ある

 もし全てに当てはまらなくても、返済期間を見直したり、費用を抑えることで借り換えの効果を期待できるかもしれません。また、変動金利で長期間のローンを組んでいる人は固定金利に借り換えることで、総返済額は減らなくても、将来の安心を得ることができるでしょう。

新しい住宅ローンを考える前に

 まず、今の住宅ローンの返済プランが「わが家のライフプラン」に合っているか確認しましょう。何歳まで返済し続けるのか、年金生活になってからの返済が大きな負担とならないか、お子様がいらっしゃる場合は教育費がピークになる頃に金利が上がっても大丈夫かなど、出来ればキャッシュフロー表を作成して検討してみましょう。もし今の返済プランに不安があるようなら、この機会に金利タイプや返済期間を変更するなどして改善するチャンスです。

シミュレーションしながらローンを選ぼう

 多くの金融機関のサイトで借り換えのシミュレーションができます。借りられそうな金利や期間をいくつか設定して試しながら、総返済額を減らすだけでなく安心も得られるローンを見つけましょう。変動金利を選ぶなら、金利が上昇した場合も想定して、わが家の家計が何%までの金利上昇に耐えられるのか考えておくことが重要です。

 そして、借りたいと思うローンが定まったら、それが本当に「わが家のライフプラン」に合っているかをもう一度確認してみましょう。新しい返済プランでキャッシュフロー表を作成してみて、今のローンより安心だと感じることができれば合格です。

借り換えに必要なコスト

 借り換えの費用も計算に入れなければなりません。主な費用は保証料、事務手数料、登記にかかる費用です。すべて合計すると、借入額2000万円、返済期間20年のローンだとして、50万円程度かかるケースが多いでしょう。特に大きいのが保証料ですが、ネット銀行などでは保証料がかからないというところもあります。ただ、その分事務手数料が高い場合もあるので、総合的に判断してください。

 その他に負担となるのが、銀行と交渉をする労力です。借り換えをするには自ら相談を申込み、審査を受けなければなりません。複数の銀行と交渉するとなると、かなりの労力が必要です。

まとめ

 総返済額、借り換えのコスト、「わが家のライフプラン」を検討して、次のような式が成り立てば、借り換えを決断した方が良いということになります。労力や将来の安心は数字では表せませんが、考慮に入れましょう。

今のローンの総返済額 > 新しいローンの総返済額+借り換え費用(+労力-将来の安心)

 その他にも注意すべき点等をあげておきたいと思います。

  • 大きな病気をした人や転職して間もない人は借り換えができないこともあります。
  • ローン借り換えの意思を今のローンを借りている銀行に話すと、金利交渉に応じてくれ、金利が下がることがあります。借り換えが難しい人も試してみる価値があります。
  • 借り換えの金利は申込み時ではなく、ローンを実行する時点の金利となります。
  • 住宅ローン控除を受けている人は借り換え後も継続できます。期間も変わりません。

 住宅ローンの借り換えのメリットは総返済額を減らすことだけでなく、「わが家のライフプラン」に合わせて返済プランを再設計できることでもあります。金利が大きく下がった現状で、わが家にとってベストな住宅ローンを検討してみてはいかがでしょうか。

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