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2016年7月号(2)
保険
CFP®認定者 本間 慶喜

地震保険加入のポイント

1.はじめに

 2011年3月の東北地方太平洋沖地震の記憶も新しいところに今年の4月に熊本地震が起こりました。本震が後日変更されるという珍しいケースでありましたが、このことは地震に対する固定観念を変えざるを得ない要因にもなっています。1度目の大きな揺れでは崩れなかった建物が2度目の大きな揺れで崩壊してしまったという、何ともショッキングな震災でした。これらの震災を契機に地震保険への関心が高まっています。
 そこで、本コラムでは地震保険のポイントについて説明したいと思います。

2.地震保険の目的

 まず、地震保険の目的ですが、「地震保険に関する法律(昭和四十一年五月十八日法律第七十三号)」の第1条に「(略)地震等による被災者の生活の安定に寄与することを目的とする」と定められています。つまり、地震保険はあくまで被災者が当面の生活を再建させることが目的なのであり、したがって、地震保険の対象は居住用の建物と家財となっているのです。

3.地震保険の特徴

 地震保険の最大の特徴は、地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災・損壊・埋没または流失による損害を補償する地震災害専用の保険であるということです。火災保険では補償されない地震を原因とする火災による損害や、地震により延焼・ 拡大した損害を補償する保険となります。

4.加入率は?

 2014年度の地震保険の世帯加入率は28.8%(出典:損害保険料率算出機構)ですが、付帯率(当該年度中に契約された火災保険契約(住宅物件)に地震保険契約が付帯されている割合)は59.3%(同)です。地域差はありますが、加入率、付帯率は上昇しています。1995年の阪神淡路大震災、2011年の東日本大震災などを契機に地震保険の認知が広まり、またその必要性が高まってきているということでしょう。

5.加入のポイントは?

 日本では過去に多くの地震が発生し甚大な被害を被っています。将来的にも東海沖地震や首都直下型地震など大型の地震の発生が予想されていますので、地震による被害の発生に対する備えとして地震保険への加入を検討してみてはいかがでしょうか。
 地震保険の補償範囲は火災保険の30~50%です。したがって全損と判定され契約金額の全額が支払われた場合でも、建替え費用を全てまかなうということはできないでしょう。「2.地震保険の目的」でも触れましたように、地震保険の目的はあくまで被災者が当面の生活を再建させることです。地震保険の補償金は当面の生活費はもちろんのこと、住宅ローンの支払いにも充てることができます。
 住宅ローン(特に戸建)をお持ちの方(建て直す場合には2重ローンになります)、貯蓄をあまりお持ちでない方(当面の生活費の工面が困難になります)は、地震で被災された場合の経済的な負担が重いと思われます。これらの視点から経済面でのリスク軽減策として地震保険加入を検討されると良いかと思います。

6.自動車にも地震保険があります

 自動車保険にも「地震等による車両全損一時金特約」といった地震用の保険があります。地震・噴火・津波によって車に損害が発生し、全損となった場合に、50万円を上限に一時金が支払われるというものです。ポイントは「全損」と「50万円」です。

7.最後に

 東北地方太平洋沖地震では、1兆2654億円もの保険金が支払われました(日本地震再保険株式会社調べ:2015年3月31日時点)。一方、保険料は2017年1月、2019年、2021年と段階的に引き上げられる(下がる地域もあります)予定となっており、負担感は増していきていますが、長期契約(最長5年)などによる割引の適用を受けるなどして負担を軽減する方法もあります。保険料の負担が重いとお感じの方は家屋1000万円、家財500万円程度の保険金額での加入を検討してみてはいかがでしょう。

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