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2016年6月号(1)
ライフプラン
CFP®認定者 甲斐 洋子

自分主導の挙式・披露宴を実現するために

 日本でもすっかり定着した「ジューンブライド」という言葉。6月は結婚式が多いと思われがちですが、実際はそれほど多い月ではありません。好天の日が多い欧米に対し、日本は梅雨真っ盛り。そこで「6月の花嫁(ジューンブライド)は幸せになれる」というヨーロッパの言い伝えを、婚礼が少ない月のセールスに使ったというのが始まりのようです。

 大半のユーザーが一度限りの利用となる婚礼業界は、事業者側と消費者側の情報格差が顕著です。また、利用者は適正価格がわからず、一大イベントへの高揚感で、コスト意識が薄れます。さらには事業者の説明不足によるトラブルも、国民生活センターに寄せられています。「当初の見積り額から100万円もオーバーしてしまった」という例も少なくありません。このようなことを防ぐためには、自分達が主導権を持って準備を進めていくことが大切です。では、具体的にどんなことに気を付ければ良いのでしょうか。日本では会場選びが挙式・披露宴準備の一般的な第一歩となり、下見の段階で希望や予算を伝えると、「見積り書」が出てきます。こちらをしっかり確認しておくことが、想定を超える予算オーバーや後々のトラブルを防ぐポイントになります。人生の大きな節目を満足のいく一日にするため、主に以下の点を必ずチェックしてください。

1.当初見積りに含まれるもの、含まれないものを確認
 例えばドレスの料金にインナーや小物は含まれているか、写真撮影やビデオ作成はどこまでが予算に含まれるかなど、項目ごとの範囲を確認しておきましょう。

2.衣裳、装花、料理のグレードと、ランクアップ時の金額
 見積りから特にアップしやすいのが、この3項目です。当初は最も低い金額で組み込まれていることが多く、初期段階で希望のランクを伝えておくことをお勧めします。

3.ゲストの人数は想定最大数で見積る
 招待人数の増加で、料理、ペーパーアイテムなど多くの項目の費用がアップします。当初から最大人数で見積っておくことも、予算オーバーを防ぐ上で重要です。

4.持ち込み料の有無
 最近では取らない会場も増えてきていますが、主にドレスなど提携会社以外のものを持ち込む際に費用が生じる場合があります。

5.キャンセル料、予約金の規定
 ここでの行き違いが、トラブルの大きな要因となるケースが多く見られます。

 これらを確認し比較検討すれば、当初の予算はある程度守られ、ユーザー主導の婚礼が可能になるでしょう。大切なのは、疑問を残さず、わからないことは訊く姿勢と、自身が何を重視するのかしっかりイメージを持っておくことです。式場選びから始めるやり方で満足が得られなければ、自身の希望を実現してくれるウェディングプランナー探しから始めるというケースも、最近では増えてきています。あるいは手間はかかっても自分で全て手配する、会費制にするなど様々な形式を検討する中で、自分達らしい結婚式のイメージができてくるのではないでしょうか。

 調査によると、結婚式・披露宴・披露パーティーの総額は、352.7万円、ご祝儀額を引いたカップルの自己負担額は142.7万円という数字が出てきています(ゼクシィ結婚トレンド調査2015調べ)。新生活に必須の費用を賄ったうえで、披露宴をしたいけれど預貯金では足りないという場合は、まずはこの自己負担額を目標に「積み立て」を始めてみてください。ここで貯められる体質を作っておけば、結婚後の大きなイベントに向けて確実に資金をつくる力になります。予算を守り、これからに負担を残さず、2人で人生を歩むことを伝えるイベント。そんな軸を持って臨めば、2人のライフプランの面でも意味のある一日となるはずです。

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