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2016年5月号(2)
資産運用
CFP®認定者 大谷 聡

J-REITの選び方

 最近、J-REITが注目されているようです。REITとは不動産投資信託のことですが、日本(Japan)のREITということでJ-REITと呼ばれています。一般の投資信託は、株式や債券などの有価証券に分散投資しますが、J-REITは国内の不動産に分散投資します。投資信託ではありますが取引所に上場されており、株式と同じように取引することが可能です。
 このJ-REITがなぜ注目されているのでしょうか。それは、預金や債券などと比べて利回りが相対的に高いからなのです。マイナス金利の導入で定期預金金利は低くなり、国債の金利は10年物でもマイナスです。そんな中でJ-REITの利回りは3%前後のものが多くなっているため、魅力的というわけです。現在、J-REITは50銘柄以上ありますが、どう選んだらよいか見ていきましょう。

どんな投資指標をみればよいか?

 株式投資においてPERやPBRなどの投資指標があるように、J-REITにも投資指標があります。代表的なものをご紹介します。

1.分配金利回り

 分配金利回りは、株式の配当利回りに当たるものです。株式の配当に当たる分配金を、株価に当たる投資口価格で除して算出します。基本的には高いほどよいのですが、投資口価格が下がっているため、利回りが高くなっている場合などもありますので、利回りの高さだけで判断するのではなく、将来的に賃料が減少するリスクなども考慮することが大切です。

2.NAV倍率

 時価総額が保有不動産の時価の何倍であるかを示すもので、株式のPBRに該当します。PBR同様1倍を割り込んでいるようなら割安と判断できます。

3.LTV(有利子負債比率)

 有利子負債を総資産で除して算出し、財務体質の健全性を示すもので、株式の自己資本比率、負債比率に当たるものです。50%以下であれば有利子負債が自己資本を下回ることになりますので、50%以下が健全であるとされています。

保有する不動産は何か?

 J-REITの投資対象となる不動産の種類の主なものとして、1.賃貸住宅、2.物流施設(倉庫など)、3.商業施設、4.オフィス、5.ホテルがあげられます。それぞれ以下のような特徴があるといわれています。
1.賃貸住宅はあまり景気に左右されず、安定しています。その分、リターンは低めになります。
2.物流施設はテナント(入居先)が安定しているメリットがありますが、反面テナント退去リスクは高くなります。
3.商業施設は一般消費者を相手とする事業ですので、当然ながら景気動向、特に消費動向の影響を受けます。
4.オフィスも景気動向の影響を受けますが、当然オフィス需要に大きく左右されます。
5.ホテルは最も景気動向の影響を受けます。5つの中では最もハイリスク・ハイリターンといわれています。
 保有する不動産の種類が1つではなく、2つである複合型、3つ以上である総合型もあります。種類が複数である分、分散投資が効くということができるでしょう。

J-REIT間で幅広く分散投資する投資方法も

 東証REIT指数に連動する投資信託に投資する方法もあります。東証REIT指数は、株式の東証株価指数(TOPIX)に当たります。少額からJ-REIT間で分散投資ができ、かつJ-REITの平均的な投資成果を目指すことができる投資方法といえます。

 J-REITへの投資は、投資信託の形をとった不動産投資であるといえます。預金がローリスク・ローリターン、株式がハイリスク・ハイリターンとすれば、J-REITはミドルリスク・ミドルリターンだといわれています。相対的に高い利回りは、相応のリスクをとる結果であることを理解した上で資産運用のひとつとして検討されてみてはいかがでしょうか。

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