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2015年10月号(2)
ライフプラン
ファイナンシャル・プランナー 大野 高志

最近の進学・学費状況と教育費の準備の方法

 ライフプランを考えるにあたって多くのご家庭でテーマになる“お子さんの教育費”ですが、「どのくらい用意したら良いか」、「どのように用意したらよいか」とのご相談を多くお受けします。親御さんとしては、ご自身と同じような進路や、ご自身以上の進路を希望される方も多いのですが、学生の頃から20~30年程度過ぎているため、進学の状況や学費等が現在と異なる場合も少なくありません。最近の進学・学費状況と合わせて教育費の準備方法を簡単にまとめましたので、“お子さんの教育費”について考える際の参考になさってください。

平成27年の進学率と特徴

 文部科学省「学校基本調査」によりますと平成7年の大学・短大進学率は45.2%だったのに対し、平成27年は56.5%となっています。これに専門学校・高等専門学校4年進学率を加えると79.8%になり、高校生の約8割が進学することになります。
 大学卒業後の大学院進学率は若干減少傾向にありますが、12.2%の大学生が卒業後に大学院に進学をします。なかでも、理学系は43.3%、工学系は36.9%と他の学部より進学率が高い傾向にあります。教育費を準備する場合は、お子さんがどのように進学するか、どれくらいの期間を学校に通うかも想定する必要があります。

教育費の目安

 下表が公立・私立に区分した各学校に係る平均費用です。幼稚園から大学まですべて公立に通ったとして約746万円、すべて私立の場合には約2,124万円掛かります。下表の金額は、幼稚園~高等学校までについては、学校教育費だけでなく給食費・学校外活動費等を含みますが、大学の費用は入学金・授業料等学校に納める費用のみの金額ですので、交通費や一人暮らしをした場合の生活費は別途掛かります。また、医歯薬学部や留学など下表以外の進路の場合には、さらに学費が必要になる可能性が高くなります。進路に応じて、今後どの程度教育費が必要かをなるべく早い段階でイメージすると良いでしょう。
 なお、学費は通常の物価より上がりやすい傾向にあります。消費者物価は、平成7年から27年の20年間ではほぼ横ばいでしたが、国立大学の標準年間授業料は平成7年が447,600円だったのに対し、平成27年は535,800円と20年間で約2割も上がっています。私立大学も一部下がっているところはあるものの多くの大学が上昇傾向にあります。そのため、将来の学費は現在の学費よりも多くかかる可能性があることも意識しておきましょう。

  公立 私立
幼稚園(3年間) 約69万円 約146万円
小学校 約183万円 約853万円
中学校 約135万円 約389万円
高等学校 約116万円 約290万円
大学 約243万円 約446万円

幼稚園・小学校・中学校・高等学校:文部科学省「子供の学習費調査(平成24年度)」。学校教育費・学校給食費・学校外活動費含む

大学(公立):文部科学省「国立大学の授業料その他の費用に関する省令」

大学(私立):文部科学省「私立大学等の入学者に係る学生納付金等調査結果について(平成25年度)」

教育費の準備方法

 進学状況・教育費の目安が分かったところで準備をどのようにするかを考えましょう。毎月決まった額を積み立てる“積立型の定期預金”や満期まで保険料を支払いお祝い金や学資金を受け取る“こども保険・学資保険”は多くの方が実践している準備方法と思います。それ以外では、貯蓄性のある“生命保険”や“株式”や“投資信託”等で積み立てて運用し、教育費の掛かる時期に現金化して使う方法を考える方も増えてきています。
 “株式”や“投資信託”を考えている方は、2016年4月から始まる「ジュニアNISA」も検討してみると良いと思います。この制度は2016年1月から申込受付が始まり、年間80万円までの運用益が非課税になる制度です。5年間で最大400万円が非課税で運用できるため、将来の教育資金を効率よく運用できることが期待されている反面、高校3年生の1月以前は払い戻しできず、やむをえず払い戻しをする場合には収益に税金が掛かるなど注意点もあります。
 いずれの準備方法でもメリット・デメリットがありますので、しっかり調べご自身の納得する方法を選んで準備しましょう。

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