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2015年10月号(1)
資産運用
ファイナンシャル・プランナー 甲斐 洋子

20代で踏み出したい、資産運用の第一歩
~知識と時間を味方に、自分のスタイルを確立しよう!~

 アベノミクス、インフレリスク、NISA(少額投資非課税制度)に確定拠出年金制度の拡充・・・。世の中には資産運用を促すキーワードが溢れています。政府は2%のインフレ目標を掲げ、緩やかなインフレへ導こうとしています。しかし、国の借金は1,000兆円を超え、負債の増加につながる金利上昇はできるだけ避けようとするでしょう。そのため以前のような高金利の元本確保型金融商品は期待しにくい状況です。一方将来もらえる年金は、支給開始年齢の引き上げ、減額傾向と、今の若い世代ほど厳しくなります。必要なのは自助努力による資産運用、という結論に至るのは自然な流れと言えそうです。
 特に20代の若い方が老後など先のことを考えると不安に思われる方も多いと思います。しかし、まだ大丈夫。若い皆さんには老後のための資産運用にかけられる時間がたっぷりあります。与えられた時間を有効に使うため、是非以下の3つのことを実践してみてください。

1、金融に関するベーシックな知識を身につけよう

 資産運用待ったなしの状況にあって不足しているもの、それは早い段階からの系統立てた金融教育です。FP協会など関連機関も普及への取り組みを進めていますが、まだ途上です。一通りの金融教育を受けないままに社会人となった若い方は、できるだけ早く知識を身につけてください。なるべく中立的な投資や投資信託の本を読み、経済記事に毎日触れる。そして幅広い金融知識が学べるファイナンシャル・プランナー資格の勉強も、確実に助けになってくれるでしょう。

2、リスク商品に投資してみよう

 ランニングに関する本を何冊か読んで、いきなりフルマラソンで好記録を出す人はいないはずです。投資も同じです。リスクを取って運用してみることで、初めてその感覚は磨かれます。個別株はハードルが高くても、数千円で買える投資信託も沢山あり、月々の預貯金の何割かを回すことができそうです。日経平均などの指数と連動する投信を買えば、日々の指数のチェックも真剣になっていきます。上げ下げの要因は何か、金利や為替、海外の動きがなぜ日本に影響を及ぼすのか。自らが世界経済の只中に置かれているということに、実感がわいてきます。個別株への投資なら、景気と企業業績の関係、企業に直接投資をすることの意味などを、より深く感じることができます。
 実際に運用してみることで自分にあった資産運用のスタイルが見えてくると思います。ただし、リスク商品に投資をするときには、あくまで余裕資金で行うことが重要です。

3、自分の運用スタイルを見つけよう

 自身の大切なお金をリスクにさらすことで、投資家心理を身を持って知ることになります。持っている金融商品の価格の上下にどうしても一喜一憂してしまうから、株式投資には向かないかもしれない。投信を毎月一定額積み立てる方法なら、相場が下がれば多く買えるし日々の動きに振り回されずに済みそう。海外の株や債券はよくわからないから、バランス良く投資してくれる投信に任せよう。ボーナスの一部は、応援する企業の株を買うために別に積み立てておこう・・・。こんな具合に運用対象が決まってくれば、あとは実行あるのみです。

 20代の皆さん、このような方法で出来るだけ早く自分の資産運用スタイルを決めて、実践で身についた経済感覚とたっぷりある時間を資産づくりに最大限に活かしてください。

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