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2015年9月号(2)
ライフプラン
ファイナンシャル・プランナー 石井 裕之

実際に要した葬儀費用

私ごとですが、この3年間で3回の葬儀を行ないました。葬儀の費用は内容によってまちまちで、最も少額だったのは80万円、高額なのは540万円かかりました。私自身の体験を中心に実際の葬儀費用についてご紹介します。

葬儀費用の比較

日本消費者協会の調査では、葬儀費用の総額の平均は約189万円とされています。この金額の内訳に従って自分の例で最も少額(A=義父)と最も多額のケース(B=義母)を比較してみました。なお、(A)と(B)には(実質的に一体の)四十九日法要費用を含めていますので、完全な対比ではありません。

内訳 日本消費者協会調査結果 (A) (B)
(1)通夜からの飲食接待費 33.9 8 95
(2)寺院への費用(お経、戒名、お布施) 44.6 30 60
(3)葬儀一式費用 122.2 42 385
合計 (※)188.9 80 540

(一般財団法人日本消費者協会 第10回「葬儀についてのアンケート調査」報告書2014年1月より)
(※)各項目の有効回答から各々の平均値を算出。よって各項目の合計と葬儀費用の合計は一致しません。

(B)が多額となった要因としては、

  • 義母の交友関係の広さゆえ参列者が300人を超え、必然的に(1)の飲食費と(3)の返礼品代が嵩んだこと
    ちなみに、表に記載していない実母のケースは、長く入院していたという事情もあり、(1)も(3)も日本消費者協会調査とほぼ同額でした。
  • 通夜・告別式とも大雨となり、葬儀屋の勧めで巨大テント(2階建て住宅が丸ごと入る規模の)を設営したために、(3)が80万円増になったこと
  • 世話になったご近所の参列者の手前、(3)の祭壇をやや立派なものにし、それに伴って飾り付け献花量などが増えたこと

一方、(A)は直葬(通夜・告別式などの葬儀を行わずに火葬する形式)だったため、(1)は親族の会食費のみです。義父はかなり前に退職したことから仕事上の人間関係が希薄化していて、また地域との関わりもあまりなかったため、親族間で相談の結果、直葬にしたものです。このように、リタイアしている夫の場合、夫の葬儀費用よりも妻の葬儀費用の方が多額となる場合があることも、今回学んだ点です。

(2)は、お寺さんのご厚意により、(A)と(B)が僅か3か月違いという事情を考慮してくださいました。

このように実際の葬儀費用は、相当ばらつきがあります。日本消費者協会の金額は全国での平均であり、地域によって風習や物価が異なることにも留意すべきです。

葬儀については、多くの人が不慣れで、しかも準備等をその場で判断しなければならないことが多く、葬儀屋主導になることが多いと思います。そこで葬儀費用については、事前に見積もりをとっておくことをお勧めします。抵抗感や罪悪感を覚えるかもしれませんが、誰しも発生する人生最後のライフイベント費用を見積もることで事前に目安がわかり、家族も安心するでしょう。葬儀は突然行う場合が多く、予想しないことが起きることもあります。起きてから少しでも慌てないように準備しておくといいと思います。

葬儀費用の比較

葬儀費用と別に、お墓関連費用があります。お墓関連費用の平均は280万円(墓地使用料112万円+墓石代168万円)とのこと(出典前掲に同じ)。ただし、最近はお墓について、樹木葬などの多様なスタイルを選べますので、可能であれば希望を聞いて資金準備等をしておくといいと思います。

最後に、葬儀の世界では、知らないと常識がないと思われることを心配する方がいますが、疑問点は恐れずにはっきりと聞くべきです。これも3度の体験での教訓です。

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