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2015年8月号
住宅・不動産
ファイナンシャル・プランナー 平澤 朋樹

住宅ローンは総返済額で考えよう

不動産会社からいくつか住宅ローンを紹介されたが、「どれを選べば良いのかよくわからない。紹介されたローン以外も含め、お得な商品があれば教えて欲しい」という相談を良くお受けします。このように住宅ローンを組む際、どの金融機関のどんなローンを、どんな基準で選べば良いかで迷われる方が多いようです。
住宅ローンの金利は返済額に大きな影響を与えるので一番気になるところですが、金利以外の費用も含めた総返済額で比較して検討することをお勧めします。

手数料等の費用について

以下の3つの費用を比較します。
・事務手数料
・保証料
・団信保険料
これらの費用は金融機関によってはかからない場合もありますが、それは「かからないけれども、その分金利が少し高い」ケースが多く、ぜんぶを含めたコストで比較する必要があるということです。
順番に説明していきましょう。

・事務手数料

文字通り、金融機関に支払う手数料で、定額型と定率型の2つのタイプに分かれます。
定額型は、借入額に関係なく手数料が一定のタイプで、例えば32,400円などがあります。
一方で定率型は、借入額に対して●%の割合を支払うというタイプです。例えば2.16%の場合、3,000万円の借り入れた場合は64.8万円です。

・保証料

フラット35や、一部のネット銀行などでは保証料は不要となっています。フラット35はその仕組みによって文字通り不要ですが、ネット銀行などはその分金利や事務手数料が高くなっているケースが多くなっています。
それ以外の金融機関では、金利に0.2%上乗せされるケースがほとんどです。ただし、借り入れ時に一括して現金で支払う場合は金利に上乗せされることはありません。

・団体信用生命保険(以下、団信)

通常は金融機関が負担しています。フラット35は団信の加入が任意なので、別途費用がかかります。だいたい0.36%程度の金利と同じになります(3大疾病保障、デュエット、段階金利なしの場合)が、正確な金額が知りたい方は以下のサイトで計算してみてください。

住宅金融支援機構 フラット35シミュレーションサイト
http://www.jhf.go.jp/simulation_danshin/index.php

実際に総返済額を計算してみましょう。

わかりやすくするため、ずっと金利の変わらない全期間固定の金利で試算してみます。

以下の条件でフラット35を利用した場合で比較してみます。
条件:借入額3,000万、35年返済、元利均等返済

  ローンA ローンB
借入元本 3,000万円 3,000万円
金利(利率・金額) 1.83%・1064.83万円 1.61%・926.18万円
事務手数料 定額型3.24万円 定率型2.16%・64.8万円
保証料 0円 0円
団信(利率・金額) 0.36%・211.72万円 0.36%・209.4万円
合計 4,279.79万円 4,200.42万円
・ローン1

金利1.83%、事務手数料:定額型32,400円、保証料0、団信約0.36%
借入元金+金利+事務手数料+保証料+団信
=3,000万円+1,064.83万円+3.24万円+0+211.72万円=4,279.79万円

・ローン2

金利1.61%、事務手数料:定率型2.16%、保証料0、団信約0.36%
借入元金+金利+事務手数料+保証料+団信
=3,000万円+926.18万円+64.8万円+0+209.4万円=4,200.42万円

この試算では、ローン2の総返済額が79.37万円少なくなっています。
ローン2は、ローン1と比較すると、事務手数料が61.56万円高くなっていますが、金利が1.61%とローン1より0.22%低いため、トータルで低くなりました。事務手数料は、同じ金融機関で定額と定率両方を用意している場合もありますが、このように比較すればどちらが得か簡単にわかります。

金利の違いが大きな影響を与えますが、諸費用の違いによっても総返済額が変わることがご理解いただけたかと思います。複数のローンを比較する際は、ぜひ諸費用も含めてシミュレーションしてください。

また、不動産会社が提携するローンでは、これらに加えて別途手数料を取るケースもあります。自分でローンを探す場合はもちろんかかりませんが、提携ローンを利用する場合はその手数料も確認しましょう。

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