海外FPニュース 2017年1月

FP NEWS Global Roundup

米国の金融教育財団NEFE (National Endowment for Financial Education)と米国のFP会員組織FPA(Financial Planning Association)からのニュースをご紹介します。

NEFE :老後の公的保障と金融リテラシーの関係

 NEFEが資金提供したワシントン大学における研究結果※によると、米国の退職後の社会保障給付は、平均して現役時代の収入の45%のみに留まることが明らかになりました。これは、スペインの89%、イタリアの80%と比較して低い数字になります。自分の望むライフスタイルを維持するのに必要な額の不足分を穴埋めするためには、企業年金で賄う人、貯蓄や投資で賄う人など様々です。金融リテラシーが高いと目標へ到達しやすくなる一方、貯蓄や投資の知識やスキルの無いままでは、社会保障でカバーされない55%を賄うことは、多くのアメリカ人にとって難しいでしょう。
 調査では、所得代替率が高い国では、金融リテラシーの数値が低く出ました。NEFEの教育部シニアディレクター、B.ヘンズリー博士によると、金融リテラシーの低さは懸念事項とは言え、年金がリタイア後の生活をケアしてくれるのであれば、老後の安心が脅かされるリスクも低いとのことです。一方で、所得代替率の低い国において金融リテラシーの数値が高く示されたのは、個人にかかる負担の大きさ故に、貯蓄や投資の知識やスキルを身に付けようとする動機が強まるためであるそうです。
 ところが、研究では、米国は所得代替率も金融リテラシーも低い唯一の国である、との結果が示されたのです。米国では、金融教育を義務教育に導入するどうかは州の判断に委ねられており、2016年時点で17の州でしか導入されていません。30年以上も続く老後の資金を賄うためには、社会人になってすぐにファイナンシャル・プランニングと貯蓄をスタートさせる必要があるにも関わらず、多くの若者が学生ローンを抱えていたり、万一の備えが充分ではないために、ローン返済を優先するか、将来に備えるかの難しい判断に直面している状況です。
 ヘンズリー博士は、以下のように述べています。
「米国の結果は、学校や家庭における早期の金融教育がいかに重要であるかを浮き彫りにしています。我々は教師の教育の質を高めるといった金融教育のインフラ整備や、中学・高校における一貫性のあるパーソナル・ファイナンス教育スタンダードの推進をサポートしていく必要性を感じています」

※この研究は、2012年PISAが18カ国において行った、金融リテラシー調査結果のデータを分析して行われました。研究のサマリー(英語版)はこちらからご覧いただけます。

 [出典:2017年NEFE Digest 1・2月号より抜粋]

FPA :顧客への段階別アプローチ方法

 見込み客に、ファイナンシャル・プランニングの利点を伝え、契約書にサインしてもらうまでに手間取った経験はないでしょうか?
 Pathfinder Strategic Solutions社のスーザン.K氏は、スムーズに契約まで進むためには、以下の3段階に分けたアプローチが有効であると語っています。

  • 1.

    自己紹介の前段階…あなたとあなたのFP実務に興味を持ってくれたお礼を伝え、ウェブサイトのリンクを送り、サイトに掲載されているケーススタディや、読んでほしい箇所を伝える。

  • 2.

    自己紹介の段階…見込み客があなたのビジネスモデルに合っているか、どのように援助できるかを見極めるために、彼らについて充分に知る。あなたの経歴を説明し、どのような提案を行うのか、彼らの状況に合わせたサービスを提供するつもりであることを説明する。まだこの段階では料金の話はせず、ここでは彼らのニーズに最も合った方法をお勧めしたいと思っていることを理解してもらうに徹する。もしこのまま話が進められそうだと確信を持てたら、次のように伝える。「私にお話しして下さった状況を踏まえますと、一般的なプロセスとして、我々は次の段階に進むことができるのではないかと思います。」

  • 3.

    開示の段階…ここでは、見込み客が解決すべきこと‐すでに彼らが特定できていることと、未だ気づいていないことを含む‐の課題リストを作成する。リストについてよく話をした後、次のように伝える。「本日話し合ったことを踏まえますと、X案が最もあなたに適したサービスプランになるかと思います」ここで、一旦自分の話を止め、相手の状況をよく観察する。大丈夫そうであれば、プランニングの契約書を渡し、次のアポイントをセッティングする。まだそこまでには到達していないと判断した場合は、フォローアップのミーティングを設定し、プランニングには何を準備してもらう必要があるかを伝える。

 多くのファイナンシャル・プランナーは提案書の作成、見直し、分析には長けていますが、顧客一人一人の利益が何であるかについてはよく分かっていません。見込み客自身も気づいていない問題を明らかにし、一つずつ解決していくという、その人にとっての利益をはっきりと示していくことが、顧客の獲得へと繋がるのです。

 [出典:2017年1月12日 FPA blogより抜粋]

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