海外FPニュース 2016年10月

FP NEWS Global Roundup

米国の金融教育財団NEFE (National Endowment for Financial Education)と、米国のFP会員組織FPA(Financial Planning Association)からのニュースをご紹介します。

NEFE: 老化がお金の意思決定に与える影響

 年を取るに従い、一般にお金に関する意思決定の能力に変化が生じることは避けることができません。個人によって認知低下の度合に差はありますが、鍵となるのは、「もしそうなったら」ではなく、きちんとそれに対する準備ができているのか、ということです。初期の兆候を知ることで、友人や家族、ケアを行う人が、対処的な措置ではなく、戦略的に対応を取っていくことができます。
 NEFEがアラバマ大学に資金提供して実施された調査により、一般的な認知を持つお年寄りに見られる金融行動の低下について、ごく初期段階の兆候を見分ける5つのポイントが明らかになりました。

  • 1.

    お金の計算や支払いを実行するのに以前よりも時間がかかる
    郵送物の支払い書作成、小切手や小切手支払台帳への記入、所得税の申告などについて、以前より時間を要する。

  • 2.

    お金に関係する書類を見た時に、重要事項に対する注意力が落ちてきた
    支払期日が過ぎている請求書や、急ぎの書類がどれであるか見分けることができない。銀行の明細のような複雑な書類から要点を拾うことができなくなった。

  • 3.

    お金に関する日々の計算力が落ちてきた
    投資のリターンの計算や、医療費控除の計算ができなくなる。同時に2つのことが絡む計算や、小銭に交換したり、チップを渡す時の計算ができない。

  • 4.

    お金に関する概念への理解力が低下している
    医療費控除についての理解や、利率や最低残高といった銀行の取引明細に並んだ用語の理解力が低下する。

  • 5.

    投資におけるリスクの認識力が低下している
    投資の際に重要なリスクが何であるかの認識が低下したり、リスクを過少に見積もる、またはリターンについて過大に見積もるようになる。

 また、上記の結果以外に、お金に関するスキルを維持するには教育レベルが重要な要素である一方で、実年齢や性別、遺伝子型、健康指標などは決定的な要素ではないことも分かりました。

 この調査は、バーミンガムにあるアラバマ大学にて、138人の参加者から取得したデータを基に行われました。
 調査結果の要旨(英語版)はこちらからご覧いただけます。

 [出典:NEFE Primary Researchより抜粋]

FPA: 共感が鍵を握る見込み客へのアプローチ法

 顧客や見込客が自身の家計について楽しそうに語る最中、あなたがその窮状を察知して解決策をすぐに示したくなったとしても、そのまま顧客に伝えることが効果的な関係構築の方法であるとは言えません。ファイナンシャル・アドバイザー向けにコンサルティングとコーチングを行っているダニエルC. フィンリー氏は、契約や面会の約束を取り付けるのに有効であるとして、「共感のアプローチ」と呼ぶ方法を提唱しています。この方法を上手に取り入れるには、以下のステップを踏む必要があります。

  • 1.

    見込み客のキーとなる言葉…「共感のアプローチ」を使う時に覚えておくべき重要なことの一つは、それがいつ始まるのか知ることです。見込み客が、困惑、不満、あるいは不安を示唆する言い方やフレーズを使う時が重要なのです。
    例:見込み客「自分のポートフォリオをどうしたらいいか、本当によく分からないんです」

  • 2.

    同調あるいは承認…この時点では、見込み客が言ったことに重点を置いたり、認めることに時間をかけ、ゆっくりと関係を構築していきます。これは、彼らにあなたが本当に理解してくれるのだ、ということを知ってもらうためです。例えばこんな風に言ってみましょう。
    例:アドバイザー「仰ることはよく分かります。ほとんどの人は自分自身のポートフォリオがどうかなんて、分からないですから」

  • 3.

    共感のアプローチ…次に、彼らに共感することで関係を強化する必要があります。これはとても重要なステップです。なぜなら、見込み客は、あなたが彼らに共感を示したことについては、自分も共感を示さないといけないと感じるからです。
    例:アドバイザー「だがらこそ、我々が一緒に考えていく必要があるのではないでしょうか」

  • 4.

    メリットを伝える…この段階では、上記の言葉に付け加えて、なぜそのように言ったのか明確にし、見込み客にとってのメリットを理解してもらいます。
    例:アドバイザー「市場が落ち込んで資金が目減りした後では、自分が大きなリスクを取っていることを意識したくはないでしょう」

  • 5.

    最終段階…ここで必要なものは、仕事に繋がる具体的なアクションです。
    例:アドバイザー「お時間が許せば、面談に来ていただくのはいかがでしょうか?火曜日の3時か水曜日の4時、ご都合のよろしい方でいかがでしょう?」
    見込み客:「それでは火曜日の3時に」

 フィンリー氏によると、このアプローチが有効な理由は、見込み客に共感し、共に前に進んでいくことが最も求められているからだと言います。彼らの問題を把握し、それが解決可能なものであるからこそアドバイザーの提案が必要であることを伝え、共鳴してもらうことが、良い関係を構築していく第一歩となるのです。

 [出典:FPA blogより抜粋]

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